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┗346.失墜のケイレス

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1 :Levi
2014/09/13(土) 13:08




─ たとえ死神と呼ばれようとも、 ─

幾重にも重なる死を糧に振り翳した闘気も、 振り下ろした刃が一筋の光さえも屠るのならば、
せめてもの餞に、地底から振り仰ぐ空から、女神の微笑みが降り注げば良いと


:

no.346
( here dear bkm )




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2 :Levi
2014/09/17(水) 18:59



▼ R20 / 1PL多PC / 半完 / 虚実混合 / 独白 / 仄暗(厨二) / 原作舞台 / 稀に透過 / 乱入は女神のみ / 交流歓迎

...


▼ Kēres .
 Levi        Eren Yeager
 Erwin Smith   Reiner Braun  etc...

生けるひとの尊さを知るからこそ、死に魅せられた死神。
死を背負う餓狼には、名誉も地位もこの身を飾るに相応しくない。たったひとつ、女神の祝福だけが、己のいのちの価値を、際立たせる。
惹かれてはならぬと幾度己に刃を向けても、魅せられて止まないその美しさを欲するこの両腕は返り血で錆び付いていて、餓えた獣のそれとよく似ていた。
それでも、それでも、と。抱える矛盾にかぶりを振り、何度でも正義と嘯いて、お前のために戦わなければ。 俺は、生きる意味を、見失うだろう。

▼ Dear Victoria .
忌み厭われ、望まれぬ生を嘆き、ヴェールに身を隠す乙女の願いは、誰に届くこともなく空へと翔ける。
恐るるのは巨大な敵か、それとも人の姿をした悪魔か。 大切な者の死と仲間の裏切りに孤独を知り、ひとりを抱え怯えながらに、眠る。
それでも尚、赦し愛そうと手を差し伸べる姿は、慈悲深き女神そのもの。 

厳かで、神聖で、触れる事すら畏れ多さを覚える御姿を、これ以上、誰かに穢されてなるものか。
その身を抱き締める片腕が隠し持つ鎌の刃を逆立たせ、傷付けぬよう、ころしてしまわぬよう、愛すると、この空に誓おう。

...

──己の死をも捧げて、傅く。
死にゆく生命への罪滅ぼしと、この胸に息衝く女神を、愛する、ために。 戦い続けよう。たとえその末に、勝利など、なくとも。




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3 :Levi
2014/09/21(日) 05:04


...

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4 :Levi
2014/09/23(火) 01:19




▼Page:004

──兵士に、休日はない。

暦上の休日はあれど、巨人共が人間の都合に合わせて動いてくれる訳じゃない。
緊急事態に備えいつ何時も出征できるように軍備を整えておく必要がある上、兵の上に立ちその命を預かる者として、おめおめと休みを満喫するようなだらしねぇ姿を晒すことはできねえ。
──否、正確には、「休む気になれない」か。 何時からだったか、休息を摂ることはおろか、眠ることさえ上手くできなくなっちまったのは。
“人類の為”、“大切な者の為”と旗を揚げながらに、俺の命令一つで無残にも命を落としていった兵士達への気の咎め──なんざ何の弔いにもならねえ手前勝手な理由から、“自分の為”の時間というものに一切の意義を感じなくなっちまった。
部下達からは不器用だ、たまには羽目を外せだ好き勝手言われるが、別段、そのことで不自由はしていない。そもそも戦いの最前線に立ち、常に死と隣り合わせに生きる軍人に、贅沢や娯楽に気を回すほどの余裕なんてものはねえ。


これでいい。 これもまた、宿命であり、業だ。





戦いを終えた晩。夜遅くに、決まって俺の部屋を訪ねてくる部下が居る。
そいつは、眠れない、なんざくだらねぇ理由で上官の部屋に押し掛けてきたかと思いきや、堂々と俺のベッドを占領して寝ようとしやがる。
“兵士が眠れない理由”なんざ問うまでもなく想像が付くもんで、大抵がろくでもねぇ内容だから態々聞くつもりもねえが、奴はどうやら、俺が近くに居ると眠れる、んだと。
あろう事か、奴が見てきた悲惨な光景、或いは眠れなくなる程の悪夢を生み出した張本人でもある俺に、安息を求めようとするその神経を疑うが、
どんな深刻な精神状態かと思いきや、適当に話相手にでもなってやりゃあっさり鼾かいて眠りこけやがる奴に、最早呆れを通り越して、溜息一つ出やしなかった、 。

( 慰めも、救いも、安息も無ぇ腐った世界。 何が正しいのか何が悪いのか、解りもしない中で、俺達は何度も血迷って、間違いを犯し、真面じゃ居られなくなっちまってる。
 だが、そんなときにこそ、ヤツらとは違う“人間らしさ”ってもんが垣間見える瞬間が在る。 ──お前も、そうだ。孤独から逃れようと藻掻く様に身を寄せるお前は、誰よりも、人間じみていた。
 )




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5 :Levi
2014/09/23(火) 01:22




▼Page:005
それは日常と化した、いつかの午前三時。
どうやら俺は、えらく疲れちまっていたらしい。自分でも自覚するとは、余程なんだろう。
何処か他人事のように身体の疲れを取るだけの行為に身を投げるも、どうにも拭えねぇ胸糞の悪さに、目が冴えちまっていた。

いつものように奴が部屋を訪ねてきたのは、横になり暫くしてからの事だ。 
俺が奴よりも早くベッドに臥せていた事が珍しかったんだろう。
いつものように泣き言を云うでもなく、傍に寄り添い様子を伺うように見下ろす瞳は、戦士には不似合いな、甘ったれの色をしていた。

『 大丈夫ですよ、 』





( ──俺に、休日は要らない。
     一瞬の息継ぎの時間さえ在れば、それだけで充分だ。
 )




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