ヤモリの生餌(G)を逃がしてしまったことを悔しげに語るハンジ分隊長の傍らで、リヴァイ兵長の表情が明らかに強張った。兵舎にあの虫が解き放たれたとあっては潔癖症な兵長にとっては一大事だろう。「……分隊長」控えめに口をさし挟み、目配せをする。…この話は、そろそろ切り上げてください。そんな俺の思いが届いたのか分隊長は「大丈夫だ」というように微笑んだ。「あぁ、ちゃんと(餌を)挟む棒があるから」いや、そんなことを心配しているわけではありません。