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琥珀の多幸感は然れど耽溺の音に蕩け…
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32 :我/妻/善/逸(鬼/滅/の/刃)
2024/07/20(土) 04:23

> 深層意識。





……。

…。

………。



# …──あぁ。 "俺"は今、寝てるのか。

任務、疲れたもんな。

けれど…日/輪/刀の手入れだけは欠かさなかった。
# 当然だよ、爺ちゃんから貰った大切な刀だ。
…この刀を打ってくれた刀鍛冶さんの名前は忘れちゃったけど。
# ごめんなさい。

そうそう…羽織も、だ。

爺ちゃんが修行を終えた後、最終戦別に向けて俺にくれた色違いの羽織。
# 初めて、誰かから与えられた"モノ"とも言えるそれは…──
俺の…大事な大事な、宝物。

……。

…。

あぁ…そういえば、この"大鋏"はいつから持っていたんだっけ?
# 俺は唯、"アンタ"と一緒に並んで食べたかった桃の捥ぎ取る様…
# この首を掻き切りたかったのかもしれない。 …手遅れになる前に。
# 嗚呼…ごめんなさい、ごめんなさい、俺さえ居なければ彼奴は…。

いつから此処は真っ暗なんだろう。
# 俺には何も要らなかったから。 …誰も要らなかったから。
# 必要とされない俺なんて、闇一色に溶けていようと誰も気にしない。
# どうせ誰も気にも留めない。 だから闇の中に居ようと居まいと同じ事。

なのに、

どうして天罰は俺の髪を、映える様に染めてしまったのか。

これじゃ暗闇でも存在を知られてしまう。
俺は誰にも、気付かれたくはなかったのに。
ひっそり、唯一人。 陰の中に居たかったのに。

俺は、俺が嫌いだ。
だから大鋏でいつでも"俺"を──せる様にしていた筈なのに。

この髪色じゃ、誰かに気付かれてしまう。
…余計な事をしてくれたもんだよな。

けれど。

"彼"に出逢ってからは?
一等、余計な事をしてくれたであろう"彼"は?
"彼"は。 "彼"が。 "彼"だけは。 "彼"だけが。
"彼"が居なければ、俺は今頃…如何なっていた?

……あぁ、そうだ。
# "彼"には全てバレてしまう。
# きっと、この大鋏も直ぐに取り上げられてしまうだろう。

この暗闇すらも、意味を成さない。
# "彼"には匂いで知られてしまう。
# どれだけ闇に紛れようが直ぐに捕まえられてしまうのだろう。

"彼"に出逢った、その瞬間から…
俺は逃げられなくなっていた事に全く気が付いていなかった。

こんな事を考えた所で無駄だった。
筒抜けだ。全部、全部…。


早く目ぇ、醒ませよ…"俺"。
俺を照らしてくれる、"日の神さま"が待ってる。



# あぁ、俺…本当は照らされたくて態と暗闇に居るんだろうな。
# 大鋏を持っていれば、いつでも"彼"は"俺"を…───



……うぇひひっ。


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