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氷上の痴話喧嘩。
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オタベック・アルティン(YonICE)
2016/12/17(土) 03:54
>『Жадные』
圧倒的な才能を前に、努力なんて無意味だと思っていた。
小さな国で一番になれたところで、一歩世界に出れば自分の傲慢さを思い知ることになる。
世界で一番どころか、キャンプで一番にさえなれやしない。
――ユーリ・プリセツキー。
最初、俺は君も才能の部類だと思っていた。
俺より年下で、俺より小さな身体。
その身体の何処に、それだけの力が秘められているのだろうと思わせる、実力と輝き。
俺は、俺より小さな身体を見上げるしかなかった。
天賦の才を持つ者は、持て囃されながら当然のように高みへ上っていく。
焦り。
不安。
努力しても報われない虚しさ。
諦めかけた俺に、だが、君の目は教えてくれた。
その才能が努力によって裏付けられたものだと――。
俺が努力だと思っていたものが、いかに足りなかったか。
思い知らされて、俺の中の迷いは消えた。
此処にいる誰もが出来ないこと。
それを身に着けないと、この戦場は生き残れない。
グランプリファイナルへの出場権を手に入れて、やっと同じ目線に立てると思った。
君に声を掛け、…そして友達になった。
俺は余り顔に出ない性質だが、あの時は結構勇気が要ったんだ。
握手と称して握った手は、少しだけ冷えていて、…やはり、俺よりも小さかった。
だが、また君は俺より高みへ上ってしまったんだな。
世界歴代最高得点。
同じ目線に立てたと思ったが、また見上げる立場に逆戻りだ。
ああ、でも。前と違うことが一つある。
それは、
君の視界の中に、俺がいるということ。
どこまでも高みへ上っていけばいい。
俺ももう、見上げるだけの立場じゃない。
一方的に見続けるのは終わりだ。
『いつか君の視界を独占してみせる』
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