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┗付箋と栞だらけのネタ帳(161-170/234)

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170 :ベルント・バルツァー(軍靴のバルツァー)
2013/10/10(木) 00:00

つらつらな人物から、回答が遅れて悪いな。答えさせて貰う。
だが……俺か?俺なのか?筒を答えるには慣れて無さ加減が酷いんだが、それでも俺にしろって言うのか。それから、俺の他のもう一人にしたのは単に他にも書くネタがあったから先に出しただけだ、選ぶのは俺だけじゃない筈だ。そもそも知っている奴が居ない事実は無視しろ。

#あのひとイメージバトン
>回された方のイメージを書きましょう。キャラの指定自由。
>答えなくてもバトンは最後まで乗せて下さい。

#→回ってきましたね(笑)回してきたあの子…第一印象はどうだった?
壊刃の名を見て、珍しいと思って見始めたのが最初だったな。真面目あり笑いあり、だがそこの奴等に違和感無くしっくり来てる上に珍しい人選だったから、ついつい目が離せなくなって今ではファンだ。言い回しと話題に、深慮さが感じられる。
そして近頃は殿下が出て来て目を剥いた。言えねぇ、実は虎視耽々と俺を出すのを伺っていたのにまさか知られていてこの様で壁殴り付けたいなんて事はな……!
どうでも良い事だが、俺ので書く予定のネタが壊刃の農民英雄と同じく他の奴等が向かう矢印が俺ばかりの妙な事になるのはどうしてだろうな。……真面目に答えた事に逃げ出したくなって適当に話変えただろと言うんじゃねぇ。

#→なる程。ではその方とは知り合い?若しくは大親友な関係?それとも初めてましてだったり?
寧ろ俺の方がファンだ。……知り合いだな。
それ以外は俺の出過ぎた考えかという思考が出張って言えん……!

#→じゃあ、その人に一言どうぞ?
>素敵な言葉を見せてくれて有難う。尊敬であり憧れだ。
面白味が無いとか言うんじゃねぇ。
それから同じ棚の、その日の、の方とのやり取りは御互いが気遣い合って仲が良いのがよく分かって一人心穏やかにさせて貰ってる。二人の立ち位置は個人的に理想だ、これからもそう在って欲しいと思っている。
……の割に、本棚に入れてないのは何故か?いやいや、俺が邪魔しちゃいけないだろう。サッカーの時の如く、いきなりやる気になって乗り込んだりはしないからな。

#→その人のイメージカラーは?
これは前にも答えたな。黒銀だ。
落ち着いた中に、息を飲んで魅せられる冴えた鋭さがある。

#→あ、恋人だった?
いやいや俺なんて……。

#→冗談なのに…当たってたらごめんよ(笑)
ほぉ……そりゃ面白い冗談で……(こめかみ引き攣らせ)

>ノーマル編は此処まで、次はちょいエロだから。やりたくない人は次回す人をよろしく、やりたい人はそのまま進もうな。
#→じゃあ、その人の属性って最初どうだと思った?
ギャグもシリアスも違和感無く息をするようにやれるのと同じくどちらもやれるだろう、と思っているが。本当に謎属性のNかもしれん。

#→つか君の属性は何?
テラどMらしいが、誰からもそんな事を言われた事が無い。

#→で、結局その人の属性って知ってる?
知らねぇから、知りたいとは思う。
同じ棚の、その日の、の方に打ち返した時に分かるかと思ったが、残念な事に分からず仕舞いだったから是非とも直接属性やら諸々聞いて二人仲良く晒してくれ。

#→相手をするなら相性良さそう?
いやいやだから俺なんて……。
ところでリープクネヒトの奴と壊刃の次席将軍のイメージ被り具合が半端無いんだが、それは俺だけじゃないだろうと振っておく。

#→まぁわからないよな(笑)じゃ最後に自分のイメージを知りたい人に回しなよ。
「顧問って友達居ませんよね」とド直球でガキどもに言われる俺に向かって言うなんざ、良い度胸をしてやがる……!……は?あんな白コート眼帯の中二煮込みなヤツが友人でいて堪るか。
>という訳で、打ち返しだ。
良いか、友人が居ない訳じゃないからな。地雷を踏みまくってる上からの更なる投下をしようと思っただけだ。だが、答えて貰わなくても構わない。そちらはそちらの事情を優先するように、という言葉と、筒を回して貰った事に対しての感謝を伝える。
……300と2周年の祝い、それから礼も随分と遅れて悪いな。

答えてみたが、見事にどうでも良い話が挟んでまともな回答になっていねぇな……。

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169 :宗像礼司(K)
2013/10/08(火) 22:38

此方の頁は私信に。私がペンを取りましょう。

>無理無理こんなの続く訳無い!(ヾノ・ω・`)ムリムリ 様宛
反応が遅れましてすみません。返礼と、200頁達成を……えぇ、横着は承知ですが祝辞を述べさせて頂きます。
……おや、このようなメモ書きに目を通して貰っていたとは嬉しいですが、少し気恥ずかしいですね。せめて時間潰し、の一つにでもなっていたのならば幸いですが。
それから、バトンの方も有難う御座います。……回答が遅れてしまって申し訳ありません。私信だけで、これ程時間が掛かっている事を鑑みて貰えると容易に察して貰えるかと思いますが。
君が綴る言葉はとても根が真面目で、大事な方に対して「力になりたい」と思う心が伝わって来るようです。無理はさせず、そして君自身も自分を大事に日々を重ねていって欲しく思いますよ。
では改めて……日記の200記事到達、おめでとう御座います。君と君の大切な方々の行く先が、幸多きものであるようささやかながら願っています。
#(200頁越えの祝辞を、此処に)

>ラストダンスは私と一緒に 様宛
私の方から私信を失礼しますよ。本の題名は変更、という形で良いでしょうか。返事が遅れてしまい、申し訳ありません。
ふふ……気になさらずに。メモもネタ帳も、書いている内容は大したものではありませんから。代わりに何やら目付きの悪い何処かの彼からは、筒ぶん投げておいた、そして惚気のターンなんざ来ないという事らしいですが。
残念ながら、私はその「優しい」人にはなれない性分のようで。ただ、君の過ごす日々が少しでも穏やかであるように、とは思っています。
さて、横合いから口を挟んでしまいますが……短時間、は遣り取りの文字数にも依る所もあるのでしょう。五分前後で直ぐに返事が来る頻度の遣り取りなら、君の言うように一時間程度までが短時間認識が妥当かもしれません。
私が茶室でよく綴る150~程度だと、二時間までが短時間、かとは勝手ながら思っていますが、相互の誤解が無いように予め何時落ちが目安、と書いた方が賢明かもしれませんね。

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168 :アンヘル・アールトネン(進撃の巨人/Before The Fall )
2013/10/07(月) 23:49

(進撃の巨人:Before The Fall ネタバレにつき、注意)
(回避)>>167


……これから先、人類はどうなるのだろうか。
光の明暗程度しか分からないぼやけた目で、未来を思う。

今、この手にある「装置」。出来はしたものの、未完成の代物だ。
まぁ、俺自身はもう武器やらの開発などは出来そうにないが、この「装置」の完成はゼノフォンがやってくれるだろう。そんな事を言ったら、当人は渋っていたが。

光明になり掛けた「装置」はまだ不出来。それを上手く使いこなせる人材も育っていない。希望と言うにはあまりにも弱過ぎる。
それでも少しでも、巨人どもに対する反撃の矢になれるのなら。……作った甲斐がある、と言えるのかもしれない。

巨人は不死の存在ではない。それを知るまでに、多くの人々が犠牲と知るには生易しい程死んでいった。これからもそうだろう。幾ら倒す術が見付かったからといって、脅威が無くなった訳ではない。寧ろ、増えていくかもしれない。今以上に、絶望的な状況を強いられる可能性もある。

どうなるのか分からない先。
だが、いつか。俺が生きている内ではなくとも、いつか完成した「装置」を使って巨人に立ち向かう者達が必ず出て来るだろう。
そしてこの壁の外の世界を、俺の知らない誰かが見る事になるのだろうか。



(回避)>>167

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167 :天貴史(天 天和通りの快男児)
2013/09/26(木) 23:27

都内、某所。
嫁達に持たされた献花を手に、その場所へ訪れる。
あの和尚の性格の割に手入れはしっかりしてしてんだな、と月一には来ている場所を見回す。いつ来ても、そこに荒れたような様子は無かった。
立ち並ぶ墓石の横を擦り抜け、目的の所へ辿り着く。そこは幾年経ったというのに、墓前には今も備え物が絶えない。花や線香は勿論の事、酒や煙草も隣の墓にまでお邪魔よろしくとしていきそうな塩梅だ。今日も恐らく、参拝者やらが来ていたんだろう。今でもこうして、慕ってくれる人達が居るのが自分のことでもないってのにこそばゆい。
そうして何とか空いているスペースに花を供え、煙草のライターで線香に火を付ける。それが終わった後、墓前に向かって手を合わせた。

あの時から――看取った時から、早く年月は過ぎた。それでも目を閉じれば、変わらず色褪せない光景が瞼の裏に甦る。回顧に浸るのは柄じゃないと自分でも分かっているが、こういうしみったれた気分になってしまうのは仕方の無いことだ。こんな姿を見られたら、何を湿気た顔しているのだと笑われちまう。特に、この墓の前じゃ――と思い掛けて、緩く首を左右に振る。

きっと、こんな所にあの人は居座っていてくれやしない。
気付けば、何処かにふらりと行ってしまうような人だった。まさに風のような、と言うに相応しかった。掴み所が無く、それでも自分を貫き続けた人だった。俺もそんな風によく言われるけれども、それ以上だったと言える自信がある。あんな風には生きられない。立ち位置が違うのだとしても、確かに思ったことだった。

あの最後の勝負。いや、勝負というにはもう少し違っただろうが、それはこの際置いておこう。ともかく、その勝負の結果。
「初めて土を付けた」と言われた。勝ったと言われたけれど、本当は違う。
勝ったんじゃねぇ。「勝たされた」のだ。勝ちを、譲って貰ったに過ぎなかった。そうでなければその後、あの決意を捻じ曲げられただろう。真実の所は、本人は決して言ってくれなどしてくれなかったけれど。

#「あんた、卑怯だよ」

茜色に染まり行く空に向かい、そう呟く。
だってそうだろう、最後の最期まで――あの世へ勝ち逃げしていったんだから。



>(命日)

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166 :里/見・義/康(境界線上のホライゾン)
2013/09/24(火) 23:58

笑え、とあの男は言った。そうして、先にいった。
何故、と思った。いかないで、とも叫んだ。それは私が、理解していなかったのだと気付いたから。

私は未熟だろう。事あるごとに諭したあの男が居ない今、まず何よりも私自身がそう思う。
里見の事どころか、ただひとつの事に固執して何も気付いていなかった。姉の事、あの男の事。自らの事のみを思うなど、襲名者として、里見の生徒会長として、……いや、「私」がそう在ろうと思った「私」自身にも失格を認めざるを得ない。

それに比べて、あいつらときたら。
自らの事だけに留まらず、世界に――末世にすら立ち向かおうとしている。
誰しもが出来る事ではない。そして、思える事でもない。本当に何をするのか分からない馬鹿共でも、そんな者達は私のずっと上を見据え、目指している。私はまだ、その位置まで辿り着いていないのだ。

全てを理解するには、私は未熟過ぎる。自らの駆る“義”はおろか、里見を背負う者として不備の無いようにと設計された“八房”や“村雨丸”など認められていない始末だ。
けれども未熟なのだと理解しているからこそ、不備が無いようにと志して目指す事も出来る。
並び立ちたい、と思った。仲間ではなく、今はまだ並ぶには及び付かない者達へ。

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165 :伊佐那社(K)
2013/09/20(金) 23:52

誰かが呼んでいる。誰の名前で、誰からの言葉からだろう。
深く暗闇に沈んだ記憶を手繰るように、意識を引き寄せて瞼を持ち上げる。するとそこには、ネコとクロが揃って「僕」の顔を覗き込んでいた。

そんなに変な顔をしていたのだろうか。二人の顔は、何処か心配そうで。そんなネコとクロの顔を交互に見る。「僕」にとっては、たった一週間しか御互いを知らない者達だ。
そんな二人と、何故だか誰かが――「僕」の知らない、けれども知っている気がする誰かと、御互いよく知っているであろう誰かと重なった。

一体誰なのだろう。「僕」にとって……いや、「僕」ではない僕にとって、どんな人達だったのだろう。
そう思って、胸の奥が何故だか痛む。小さな、だけど何時までも残る痛み。
……忘れちゃいけなかったのだろうか。きっと、そうだったのだろう。忘れられなかった、そうしてはならなかったのだろう。今の「僕」の事ではないのに、僕であるから胸に残る引っ掛かりが取れる事は無い。

もしも、それが分かったら、この蟠りは無くなるのだろうか。そう思って、また胸が小さく痛む。
……分からない。今の「僕」で在る事にも、この胸の痛みは関係しているのだろうか。そうだとしたら、僕はどうしたら良いのだろう。自問して、答えに躊躇う。

#「シロ!」
>「――シロ」

そんな時、二人が「僕」の名前を呼ぶ。シロ、と。
この名前は偽りのものだけど、それでも今の「僕」の名だ。
……そうだね。「僕」は僕自身の事を、知りたいと思ったんだ。一人じゃそんな事は思わなかったし、逃げていたけれど、そうじゃないから。
「僕」じゃない僕を知ろう。そうしたらきっと、知らない誰かの事を知っていた事にも出来るから。痛みは取れないかもしれないけど、その原因を――ああ、違う。意味を、知る事が出来ると思うから。

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164 :ガンマル(風水街都香港)
2013/09/18(水) 23:51

消失の危機にあるこの香港で、久し振りに会う人物と向き合う。
久し振りだな、という言葉はあまりにも白々しい。避けていたのは、他ならない俺の方だったからだ。

なぁ、兄貴。何で兄貴は、此処に居るんだ?そして、何でこうしようと思った?
アキラの兄貴の思惑に賛同したのか、それとも惚れた女の為か。何もなけりゃ、深淵帰りは成功しないのだから。
問いを投げ掛け、答えが返らぬ様子は嘗ての俺達のようだ。それも、立場が逆だった。

お前は俺のようになるな、と言った兄貴の言葉を思い出す。
それに対して、俺は兄貴のようにはなれない。そう思った。
兄貴のように、割り切る事は出来ない。五行も風水も、それを携える為の神形具も、傷付ける為にしかない。そうにしか思えなかった。だから問い掛けに対してまともに答えられず、逃げていた。

けれども、今は答えられる。あの時の兄貴の言葉に、確かな意志を以って言葉を返せる。
だから久しく動いた感情に従い、香港や全ての者達を救う為に、惚れた女の為に、兄貴達に向き合う。

今度は、自分の力を否定しない。俺の惚れた女が、そうであったように。

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163 :ハウプトマン・ニールセン(軍靴のバルツァー)
2013/09/16(月) 23:37

最初は何が起こった、と思ったのが正しい。
こんなものは初めてだった。見た事なんざなかった。
そして、ただ眼前の敵を蹴散らすのみの圧倒的な有利である筈の形勢は一瞬で逆転した。
俺が望んだのは、純粋にただ命をやり取りする戦い。精神を昂らせ、信念のままに突っ込んだ果てに散るのならば何も言う事は無い。

それなのに、「今」は一体何だ。こんなのは、俺が望んだ戦いなんかじゃねえ。
慈悲も信念も無く、ただ敵という名の的に当てて殺す為だけの凶器。
馬の足は止まり、刃が届く前に銃弾に倒れ伏す。人と人とがぶつかり合う事も無く、殺す側と殺される側が明確に分かれる。

冗談にしても、クソ過ぎるに程がある。
戦いを共にした味方の屍を踏み越え、ただ一人生き恥を晒して逃げ走る。
このままで居られる訳がねぇ。屈辱と激情を燻らせ、馬の手綱を握り締める。
折り重なった同士の無念と骸を踏み付けて、滾らせる雪辱の決意を無駄にはさせねえ。

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162 :リヴァイ(進撃の巨人)
2013/09/13(金) 23:52

中央のやつらを交えた兵団全体での会議。
この日、団員は早く会議室に集まり、掃除は勿論だが事前の内容確認をする。……そう、調査兵団全員、が……だが。
会議が行われる少し前になっても、兵団の一人がいつまで経っても来ねぇ。
特に差し障りがあったわけでもねぇし、放っておきゃ良いだろうと思ったが万が一の事があっちゃいけねぇとの意見もある。他とも相談した結果、取り敢えずぎりぎりまで待って、呼び出しを掛ける。

そして結局来たのは掃除が終わった後でも、内容確認をした時でもない。会議の最中――流石にその時は何も無かったが、滞りなく終わった直後のエルヴィンが放った第一声は。

>「何故来なかったんだ?」

――場が、凍った。
顔は笑みを浮かべていた。普段とそう変わらねぇ面だ。……だが、他に前置きも何も無い。続ける言葉も無く答えを待つまで他は無かった。
何故かクソ楽しそうな笑顔で眺めてるハンジのやつは当然として、明らかに固まっているやつらも敢えて見ない振りをする。そう判断したのは恐らく間違っていなかっただろう。余った書類を片付けに行った間、何があったか分からんし、分かろうとも思わなかった。

後から、遅れて来たやつは居心地悪そうにしていたってぇ話だが、居心地悪く思うのはともかく……いや、事を知らねぇ俺はただ……口を噤んでおこう。

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161 :エレン・イェーガー(進撃の巨人)
2013/09/09(月) 23:52

>無理無理こんなの続く訳無い!(ヾノ・ω・`)ムリムリ 様宛
顔文字可愛いな、クソ……。何か和む、こう……小せぇ子犬が尻尾振りながら主人待ってるような。
――って、そうじゃねぇ!用件忘れる所だった……!
愛読に入れて貰って、有難うな。気付くのが遅れちまった。犬だと思われねぇし思う事もねぇ、どちらかといえば爬虫類系じゃねぇかな、と思うオレが兵長の命に従って感謝を伝えさせて貰う。
こうやってタイトルを書くと、あれ、何だろうこの分かり易いツンデレ……と思ったのはともかく、お前はすっげぇ真面目なヤツなんだな、と思う。
……好いたヤツとは、笑い合ってる方が良いとは思うけど……本心を曝け出すのも、好いたヤツだからこそだと思う。オレはどっちも大事にして欲しいと思うぜ。
それじゃ、改めて有難うな!
#(愛読感謝、と共に)

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WHOCARES.JP
167 :天貴史(天 天和通りの快男児)
2013/09/26(木) 23:27

都内、某所。
嫁達に持たされた献花を手に、その場所へ訪れる。
あの和尚の性格の割に手入れはしっかりしてしてんだな、と月一には来ている場所を見回す。いつ来ても、そこに荒れたような様子は無かった。
立ち並ぶ墓石の横を擦り抜け、目的の所へ辿り着く。そこは幾年経ったというのに、墓前には今も備え物が絶えない。花や線香は勿論の事、酒や煙草も隣の墓にまでお邪魔よろしくとしていきそうな塩梅だ。今日も恐らく、参拝者やらが来ていたんだろう。今でもこうして、慕ってくれる人達が居るのが自分のことでもないってのにこそばゆい。
そうして何とか空いているスペースに花を供え、煙草のライターで線香に火を付ける。それが終わった後、墓前に向かって手を合わせた。

あの時から――看取った時から、早く年月は過ぎた。それでも目を閉じれば、変わらず色褪せない光景が瞼の裏に甦る。回顧に浸るのは柄じゃないと自分でも分かっているが、こういうしみったれた気分になってしまうのは仕方の無いことだ。こんな姿を見られたら、何を湿気た顔しているのだと笑われちまう。特に、この墓の前じゃ――と思い掛けて、緩く首を左右に振る。

きっと、こんな所にあの人は居座っていてくれやしない。
気付けば、何処かにふらりと行ってしまうような人だった。まさに風のような、と言うに相応しかった。掴み所が無く、それでも自分を貫き続けた人だった。俺もそんな風によく言われるけれども、それ以上だったと言える自信がある。あんな風には生きられない。立ち位置が違うのだとしても、確かに思ったことだった。

あの最後の勝負。いや、勝負というにはもう少し違っただろうが、それはこの際置いておこう。ともかく、その勝負の結果。
「初めて土を付けた」と言われた。勝ったと言われたけれど、本当は違う。
勝ったんじゃねぇ。「勝たされた」のだ。勝ちを、譲って貰ったに過ぎなかった。そうでなければその後、あの決意を捻じ曲げられただろう。真実の所は、本人は決して言ってくれなどしてくれなかったけれど。

#「あんた、卑怯だよ」

茜色に染まり行く空に向かい、そう呟く。
だってそうだろう、最後の最期まで――あの世へ勝ち逃げしていったんだから。



>(命日)