>>125これは飲月が「珍しく記念日について認めようと筆をとったものの、よくよく日付を見れば違っていたことに時差で気付くもまあいいかとそのまま祝うことにした」頁。
最早頓着の無さを自虐の種にして遊んでいる節がある……奴は昔からそうだ。しかし、後にこの日はこの日で記念と呼んで差し支えない日付であった事を思い出す事となる。……飲月とあの少女が初めて顔を合わせ言葉を交わした日であったと。
ならば、今日とて何かの日だろうと、途中で頁の途切れた手記を手に取り記録を辿ってみた。十四日は、曰く──或る男二人が初夜を迎えた日とのこと。
…………。
下らん。
「お前の男が初めて筆をとった日」
に上書きしてやろう。どうだ、カフカ。
お前にばかり無理を強いる訳にもいくまい。我儘一つ叶えてやらず、強請ってばかりと思われでもしたら癪だ。
俺は叶えたぞ、カフカ。お前も早くここまで来い。
ハーイ、刃ちゃん。どれだけ呼んでも応えてくれないからどうしようかと思っていたのだけれど、随分と熱烈じゃない。等価交換を持ちかけるならもっと魅力的なものも添えてくれなきゃだめよ。この文字だけで私を動かせるだなんて安く見られたものね?ねえ、刃ちゃん、私が何を欲しがっているか、わかるでしょう。答え合わせはいつもの場所で。待ってるわ。…………?(分からない)
Blade