寝支度を終え、いつものように膝に寝かせた白珠の毛繕いに勤しみ、白珠が閃きのままに語る空想の世界に思いを馳せる。
曰く、余は巨大な組織の長であり、良く似た可愛げのない弟が居ると言う。情報を掠め取ろうと寝所に忍び込んだ白珠を余が手篭めにするくだりを幻戯仕立てで妄想し、余もそれに興じた。これが中々に面白い。
白珠は話し疲れたのか、最後は余の胸に擦り寄って甘え、尾を緩やかに揺らして眠りに落ちてしまった。口付けを、と強請る間もない、一瞬の出来事であった。
…足りぬ分は明日強請るとしよう。
時折動く狐耳が頬に当たり、擽ったい。
夢で続きを見ているのだろうか。
昨夜は気付いたら眠っていてあたしも驚きましたよ、あなたの傍で落ち着いたからかもしれませんね。埋め合わせは沢山してあげます。今夜もまた可愛がってくださいね?♡12/23 【ミニチュアサイズの絵本】
豆本と呼ぶらしい。とても小さいが、ちゃんと製本されていて勿論中身も読める。内容は…ある小さな星に暮らす王子さまが、新たな出逢いを求めて星々を旅する物語。まるで俺たちの開拓の旅路のようだろう?
Dan Feng