三月が枕を抱き締めて顔を隠していても、どんな顔をしているか分かってしまう。そして、分かったとしてもやはり実際に見たいとも思う。加えて、その顔を埋める先は…枕ではなく、俺の胸であればなお良い。

枕を奪うことは容易だったが、先日の反省を活かして強引なことをするのは止めた。大人しく腕を広げて待った結果、三月は機嫌良くこちらに飛び込んで来てくれた上、枕から目だけを見せてこちらを伺う可愛い姿も見られた。作戦は成功したと言えるだろう。

三月に”優しく”する……これまでも常にそうしているつもりだったが、より強く意識してみれば些細な所作ひとつとっても変わって来ると分かった。三月との関係が「仲間」だけではなくなって、もうすぐ一年が経つ。まだまだ、模索すべきことも学ぶことも多い。

…とは言え、全く意地悪をしないとは言いきれないが。
丹恒って真面目というか、真面目過ぎてたまに突拍子もないことをするっていうか…そういうとこも好きだけど、どきどきさせられててずるいって思っちゃう。意地悪な丹恒も優しい丹恒もどっちも好きだけどね！一年かぁ、あっという間だね。出会ってからの話は適任がいるからまたにするとして、六年目が後もう少しで来ちゃう。お祝いは何にする？なーんて、またそれも話そうね！




Dan Heng