内面
伝えるのは難しい。思ったように伝わらない。もどかしく、切ない。
寂しさも名残惜しさも。
でも今回は引き留められなかった。だから潮時なんだろう。
教祖に戻ったら、どうしよう。
何も思いつかない。
まるで溺れているみたいだ。
内面
伝えるのは難しい。思ったように伝わらない。もどかしく、切ない。
寂しさも名残惜しさも。
でも今回は引き留められなかった。だから潮時なんだろう。
教祖に戻ったら、どうしよう。
何も思いつかない。
まるで溺れているみたいだ。
考え事
考えることが多くて、最近は脳が疲れている。教団のことや家族のことも含めてひとつひとつ解決していくしかないのだけどね。悟に話すべきこと、黙っておくこと、それらの振り分けにも悩んだりしている。
記念日と反省点
今日は二年と三カ月の記念日。悟とは土日を利用して旅行でもしようと話していたんだが、諸事情でそれは延期になった。万全の状態で旅行を楽しみたいからね。またいつか行けるだろう。
記念日を祝うのとは別に反省しなきゃいけないことも多く出てきた。それらをまとめてみようかな。こういうのって忘れてしまうから。反省点
・端的すぎること
私は時々端的になりすぎる。元々言葉を尽くして話すのはあまり得意じゃないこともあって、一番聞きたいことや気になっていることだけをピックアップして聞いてしまう。それが悟から見れば気分を害しているように見えるらしい。そういえば昔、だれかに「時々怖い」と言われたことを思い出した。時々言い方がすごく冷たくなってしまうようだ。自覚はあまりないけど改善したいところ。
・優先順位を決めてしまうこと
これもさっきの話に通じる部分でもあるんだが、話している内容の中で優先順位を決めてしまう。先にこれを話して、先にこれをやって、と自分の中で決めていても、超能力者ではないんだから相手に伝わるわけもないのにね。
・その場から離れてしまうこと
以前にも書いた気はするけど頭を冷やすのに外に出る癖がある。熱く煮えたぎった頭じゃ喧嘩にしかならないと思ってね。悟は昔からそれを嫌がってきたのに、この癖はなかなか抜けない。けどきっと我慢してでもそこにいるべきなんだ。
・感情的なところ
どうにも私は感情に左右される部分が大きい。努力しているけど改善には時間がかかっている。楽しい、楽しくない、悲しい、つらい、そういう感情が私を衝き動かす原動力になっていて、楽しくないのに楽しい振りはできないし、楽しくないから楽しくなるように努めてもうまくいかない。悟から怒らせたくないと言われてしまう始末。それくらい怒ってるってことだからね。悟に委縮してほしくないと言いながら萎縮させているのは私なんだ。
悟が傑の好きにしてって言う時はだいたい、もうなんとでもなれと思っていたり何を言っても無駄と思っているとき。
どうして私の傍にいるんだろう。時々不思議になる。
好きだからって悟は言うが、どうして私の事好きなんだろう。
好きという感情に理屈の入る余地はないが、時々、私以外を好きになれば悟はもっと幸せだろう、と思う。
そんなことを思いながらも、手放す気はないんだけどね。
好きという感情は厄介だね。まさに理屈じゃないんだから。
変化
悟は以前に比べて変わった。無邪気さが減って自信を無くした。その様子を私は切なく思いながら、でもどうすることもできないでいる。それらが私と過ごす中で蓄積された小さな澱みの結果だと分かっているから。澱みをもたらした人がどぶ攫いをしたところで一時しのぎで悟は私の傍にいる限り、付き合いたてのころのような無邪気な輝きを取り戻すことはない。分かっていながら私は悟の傍にいる。離れることは互いに望んでいないし、愛し合っているからね。
変化はかならず訪れる。変わらないものなんてないというのはこの世の真理だから。悟が変わったように、私もきっとあの頃に比べたら変わっている。
悟はよく頑張る、というけど私はこれが好きじゃない。ネガティブな「頑張る」だから。頑張らなきゃ維持できない関係は自然ではないとも思うし少なくとも私と悟の間で頑張らなければならないことがあってほしくない。悟はとても自己肯定感が低い。基本値が地面につくんじゃないかと思うほど自分に対しては否定的だ。そのわりに私についての評価はびっくりするくらい甘い。だから私を幸せにしようとして自分を追い込み、少しでも私の感触が悪いとひどく落ち込む。……たまにそこは楽観的なんだ?と思う時もあるし悟のことは分からないといった方が正解。私がいるだけで幸せと言ってる言葉は本当だろう。悟由来じゃない落ち込みで私が凹んでるときは悟はせっせと世話を焼き、なんの苦でもなさそうだからね。
悟が自信を無くして「なにもうまくできない」と言うと切ない気持ちになる。なんとなく今までの時間を否定された気持にもなる。そしてそれを言わせているのは私だと断罪されているとも分かっている。
もっと可愛げのある人が君の恋人だったら君は苦悩しなかったのにね、と、私はたまにいう。悟は傑がいいから、と答える。
いつか、「そうだね」と返ってくるのかもしれない。そのときは送り出す覚悟はできている。
いずれ来る、かならず訪れる、エンドロールの日まで。それまでは幸せに暮らそう。▽
「いつかそのときが来るとして、ふられるのは私の方だと思う」
大切な日
この日は私と悟にとって特別な日なんだ。いい意味でも悪い意味でもね。私が過去に呪いをかけられた日であり悟がその呪いの解呪に懸命になってくれている日。そして再会して二年以上の月日が経ってまたその日がやってきた。これがある十月は不安定になってしまうのが常だったんだけど、今年は不思議なくらい忘れてることが多くてね。別件で追い詰められたりまた離反しかけたりと修羅場な月ではあったんだが、こと呪いに関してはそこまで思い出すこともなかった。そして迎えた当日。悟は懸命になってくれて、私は言われるまで呪いの存在を忘れていたんだ。……つまり悟は解呪に成功したということさ。まさか解呪できるとは思ってなかったから私もびっくりしてるんだけどね。これも悟の愛の力ってやつだねぇ。フフッ。
昨日の夜はそれが嬉しかったのか悟が私が溺れるくらいの愛情をくれてね。ずっと大好きだと言ってくれていた。二年を超えても大好きだと言い続けてくれる恋人に感謝しかないよ。悟のおかげで呪われた日は、楽しい日に生まれ変わった。それもこれも悟にしかできないことだよ。私は恵まれているなァ。こんなに可愛くてかっこいい恋人と一緒なんだから。
大好きだよ。悟。愛してる。