Liebe ≠ Vollen Magen
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私は君を愛していた。 君と共にした時間は決して短いものでは無かったし、傾いていた気持ちは嘘では無かった。 なのに、もう全ては過去の事となっているのだ。私の心はいつからか君から少しずつ遠ざかり、気が付いた時には何もかも手遅れ。向けられている好意に罪悪を感じだしたのは、それとほぼ同時だった。 間違いなく君を好きだった、間違いない。 それなのにいつから私の心は離れていってしまったのか、今となっては思い返す事も出来ないのだ。 手を離した私はきっと怖かったのだ、ただただ無償に注がれる好意に。君の目を真正面から見られなくなったのは、いつからだっただろう。君の幸せを願うなんて私には権利すらないだろうけど、それでも願わずにはいられない。 目を閉じると未だ新しく鮮明に、涙と共に震える声が耳に残っている。 それすらもいつかは、遠い遠い彼方の出来事になってしまうのだろうけど。 |
髪を切った。 元からそう長い訳でも無かったけれど、いつもより短めに。短くする理由を尋ねられて、過ったのはあなたの横顔だった。 伸び過ぎた爪も切り、真っ青な空を見上げる。 エレン、あなたならきっと。 |
昼間はあんなにも喧しかったセミが引っ込んで、代わりにリンリンと鈴虫が鳴いている。 漂う空気や気配が、少しずつ秋へと近付いているのだと伝えてくるようで、まぁ正直なところ…早く涼しくなれと切に願ってんだ。 冬のあの澄んだ空気が好きだ、空を目一杯に埋め尽くす星も大好きだ。吐息が白く霞んで消えていく様もピリと耳を刺す寒さも全て。 まさに今のオレは冬に恋しちまってる状態と言っても過言じゃねぇ。 (──まぁ、ミカサへの想いには到底及びはしないがな。) |
たくさんたくさん食べて、お腹が満たされる。けれどいつかはまた空腹に襲われて、やっぱり芋がとんでもなく恋しくなる。 はち切れるまでに愛を食べつくしても、また減ってしまうのはそういうことなのかな。 いっそのことこの腹を突き破ってくれれば飢えを感じることもなくなると思うのに。 ……ああ、お腹が空いてたまらない。 |