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477.【妄想の】二つ名キャラで小説を書こうぜ【暴走】
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56 :◆Nq5PNg/rCw
投稿日:11/02/24 06:54:55 o+50USATO

「……一つ確認したいんだが……その『新しい彼女』ってのは、ウェーブのかかった茶髪で、俺よりやや背の低い女のことか?」
「ええ、結界を張る前にあなたと一緒にいた、子供ではない方の女性です」
「……………………」
  ……ああ。
  つまりこいつも、バカな勘違いをしてるってわけか。
  こいつにはもう、彼女じゃなくて同僚だと説明しようか……いや、同じ制服を着ているのを見たわけだから、組織内恋愛だと思っているのか。
  もう勝手にしてくれ。
「全く、あの子のことは遊びだったと言わんばかりの手の早さですね。堅そうに見えて、存外遊び人なんですか?」
「……あんたの目的はなんなんだ」
  いわれのない非難を浴びている気分になって、俺も次第に苛立たしくなってくる。
「あんたは俺に何をしろというんだ? あいつとよりを戻せと? それとも悪かったと土下座すればいいのか」
「まあできれば、両方して頂ければ文句なしなんですがね」
  深淵検死官は、妖しく笑う。というか、おまえはおまえらが破局してもいいのか。
「今あなたにして頂こうと思っているのは、一つだけですよ──検死対象になってください」
  彼の言葉が終わるか終わらないかのうちに、机に長方形の白い光が四つ、現れた。一瞬の後にそれらは、白い面を表にしたカードとなる。
「……なんだ、これは」
  俺の質問に、深淵検死官はあっさりと答えた。
「あなたの死因を決定するカードですよ。どれかひいて頂いて、そのカードに記されている死因通りに死んで頂くということで」
「……あぁ、そう」
  そんな悪趣味なカード、誰がひくか!
  ……と言いたくなったのをこらえて、俺はカードに手を伸ばした。その動作を見て、深淵検死官が目を丸くする。
「おや、意外ですね。すんなり受け入れてもらえるとは思いませんでしたよ──正直な所、私も逆恨み気味な言いがかりだと思っていたので」
  自覚していてくれたか。そりゃありがたい。
「どうせこれをひかない限り、事態は進展しないだろ。いつまでもあんたとここに居座り続けるわけにもいかないしな」
「とはいえ、普通はどんな人間でも、死に対する恐怖でなかなか手を出せないものなんですけどね……その恐怖におののく姿を見るのも、また格別なのですが」
  最後の一言は聞かなかったことにしてやる。
  俺は右端から二番目のカードに手を触れる。どうせどれを選んでも結果は同じだ。
  ぱたん、とカードは、あっけなく裏返った。

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