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609.暇だから小説でも書いてみる
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4 :nipper774さん
投稿日:11/12/19 21:12:12 grWiCaODO
人さし指であごをつつきながら、彼女はぽつりといった。
「たとえば……甘いところかな」
「甘いところ?」
「そう!」
彼女は、その笑みを俺の顔すれすれまで近づけてきた。
「甘くて、とっても優しい味が大好き」
興奮したようにいった。
「そうなの?」
甘くて優しい味。
そんな味を、俺は持っているんだろうか?
俺はどちらかといえば無愛想で、甘い雰囲気などないと自分では思っていたが、彼女はそう感じていたのだろうか?
「わかった。それなら、これからもっと甘い感じにしてみるよ! 努力する」
「え? 今泉くんが?」
「もちろん。俺が努力しなくて、誰が甘い味を出すんだよ」
「え!?」
彼女は顔を遠ざけ、ひらいた口に両手をあてた。
「もしかして、今泉くんが味を決めてるの!?」
「いや、決めてるっていうか、そういうのって、自然に滲みでるものじゃないの?」
「滲みでる……」
へえ、と彼女は、何かに納得したかのように、深く、なん度も、なん度もうなづいた。
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