スレ一覧
┗
609.暇だから小説でも書いてみる
┗5
5 :nipper774さん
投稿日:11/12/19 21:13:00 grWiCaODO
「そっか。味は、“決める”んじゃなくて“滲みでる”んだね。今泉くんって、かっこいい。いかにも職人って感じだね」
「いや、職人ではないけど……」
少し黙った。
「ところで、他には好きなところないの?」
「他に? そうだなあ」
彼女は上目づかいに夜空を見あげた。そして、いった。
「香りも好き」
「香り?」
そういえば、きょうは少し香水をつけている。
「そうか。わかった。じゃあ、今度から、かならず、この香水をつけるよ」
「ダメだよ!」
彼女は俺の腕を両手でつかんで、大声をだした。
「なんで? だって好きなんだろ?」
「たしかに、いい香りだけど、香水なんかつけちゃダメだよ! 絶対ダメ! お腹こわしたらどうするの?」
「お腹? お腹なんか壊れないよ。実際、今までにも、なん回か香水をつけてみたことはあるし」
「今までも、つけてたの!?」
ぜんぜん気づかなかった、と彼女はヒトリ言のようにいい、俺の腕をつかんでいた手をはなした。
――つづく
(59.135.38.161)
[
削除][
編集][
コピー]
[
設定]
TOTAL:2389272 TODAY:251 YESTE:1193 ROM:1