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┗1422.一度だけの逢瀬じゃなくて。(21-25/200)

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21 :檜佐木修兵
2008/01/31(木)01:03:22



ふわり。
目の前に立ち昇り空気に溶けていった紫煙。
独特の香りのするソレに、瞼の裏に鮮やかに蘇ったアンタの姿。
もう随分と久しく、名を読んでいない気がする。


名前は、そのモノを縛る。


オレは『檜佐木修兵』と、この名に縛られているけれど。
どうせなら。
骨の髄まで『阿近』
これで縛られたい。
他の何にも、侵入なんてされないくらい。
深く、ふかく、フカク。

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22 :檜佐木修兵
2008/02/01(金)00:31:45



昨日は、31日。
一昨年の8月31日、オレはアンタに会った。
一回きり。
そう思ってたはず、オレもアンタも。
けれどそれから逢瀬を重ねて、蝶も交して。
出会ってからちょうど1年を過ぎたあたり。
相変わらず多忙なアンタと、久しく逢っていなくて。


『逢いたい』


そう載せて窓から飛ばした蝶は、10秒もしないうちにオレの手の中に返ってきた。
一気に、速度を増した鼓動。


『どうして?』


ただそれだけが、交錯する。
何かの間違いだと、何度も飛ばした。
それは何度だって返ってきた。
一瞬で、モノクロになってしまった世界。
ただ、悲しかった。
所在が分からないまま月日は流れて。
別れ、を決意した。
別れの言葉を残して、この場所も封印するつもりでいた。
それなのに。
なぜかその日は久しぶりに脚を運んでいた、無意識に。
覗いて、あるはずのない名前が目に飛び込んできた。


『一度だけの逢瀬じゃなくて』


オレとアンタを繋ぐ、言葉。
震える指先。
綴られていたのは、紛れもなくアンタの言葉で。
蝶が戻ってきてから、半年くらい経っていた。


オレを覚えてくれていたこと。
泣きたくなるくらい、嬉しかった。


早く、逢いたい。

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23 :阿近
2008/02/01(金)01:17:06

すまねぇ
まるで手枷に繋がれたみてぇにあれから身動きがとれなかった

最低だと一瞥してくれりゃあまだ気が楽なのに
お前は昔と変わらず


今日逢いたい といいたい所だが、悪いがそれも今はままならねぇ
頼む
もう少し
今少し待っててくれ

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24 :檜佐木修兵
2008/02/01(金)23:29:02




そう、相変わらず。
自分でもそう思う。
忘れらんなくて、好きで、逢いたくて。
想ってるんです、前と同じ様に。


最低なんて思ったことがないから、そんなこと言える訳がない。
でも、オレが何も言わないことが余計負担にさせてたりすんのかな。
でも、思ってもいないことは言えないから。


むしろ、最低なのはオレの方。
一度、だけ。
待っているのがどうしようもなく不安で、1人でいるのが耐えきれなくて。
他の奴と、逢った。
待ってると誓ったはずなのに。
表に出てきた、自分の弱さ。
寂しさを埋めたかった。
けど、埋まらないで、むしろ余計に寂しくなった。
相手には申し訳ないけど、その人はオレの中でアンタに置き換えられてたんだ。


ごめんなさい。


待ってることができなかったんだ。
どうしても、1人でいれなかった、から。
やっぱりオレにはアンタじゃなきゃ駄目なんだって、再確認した。


でも、こんなオレが。
待っててもいいんですかね。

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25 :檜佐木修兵
2008/02/03(日)01:55:02


暦では春に近づいているはずなのに。
頬に触れる風はまだ冷たい。
腕に抱かれて眠りたい、なんて。
そんな風に考えている自分がいて、女々しく思えて笑った。


前回書いたことは、ここでは言わない方がいいかもしれないと思った。
けど、黙っていることができなくて。
オレが弱かっただけで、アンタは何も悪くないから。
何を言われても、オレがそれに反抗したりはできません。


ただ、アンタからの言葉を素直に受け止めるよ。

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