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┗1762.愛し金糸雀(1-5/165)
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1 :
市丸ギン
2008/05/15(木)19:50:15
金糸雀は美しく鳴く。
それを嗄れた声の鴉は羨み、
金糸雀に恋をした。
鴉は自由奔放に飛び回る。
それを籠の中の金糸雀は羨み、
鴉に恋をした。
金糸雀は己の自由を縛る籠を恨み、
籠から見える景色を瞳に焼付け、今宵も美しく啼く。
鴉は己の非力な濡羽色の翼を恨み、
心に鍵かけて、今宵も嗄れた声で泣く。
……怖い怖い、そんなお話。
20080805改題。
金糸雀と鴉のお話は終い。
金糸雀と鴉は幸せに暮らしてます。
ほら、裏庭で綺麗な声で鳴いてはる。
ボクの愛しい金糸雀も大層綺麗な声で鳴かはります。
次は、愛しい愛しいボクの金糸雀の話。
悪戯の記録。>>49
干し柿日記。>>61 二頁目。>>62
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2 :
市丸ギン
2008/05/16(金)12:31:44
<鴉が心に鍵をかける理由>
鴉は思いました。
「美しい金糸雀に自分は似合わない」
「穢れた翼の自分では金糸雀を救えない」
だから心に鍵かけて、自分の気持ち封じました。
それから毎晩毎晩、鴉は金糸雀を想って自分の翼と似た真っ暗な夜空眺めて泣くのです。
金糸雀が同じ空を眺めとる事も知らずに。
さて。叶わぬと思てた恋、金糸雀の気持ちに気ィ付いたら鴉はどないしはるでしょうか。
一、金糸雀の気持ちを受け入れて、自分の気持ちも伝えて二羽仲良く幸せに
二、金糸雀の気持ちに気ィ付かんふりして、わざと金糸雀に意地悪を
三、金糸雀の気持ちを知りながら、姿を消す
もし、ボクが鴉やったら…
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3 :
市丸ギン
2008/05/17(土)21:10:07
<金糸雀の瞳に映る空>
格子越しに見える世界には、必ず縦線と横線が在ります。
金糸雀はそれが当たり前やと思てました。
そやけど、空を自由に飛ぶ鴉の瞳には縦線も、横線もありませんでした。
鴉の漆黒の瞳に映るんは、真っ青な空と、真っ白な雲。
金糸雀は羨ましゅうなりました。
夕方になると、金糸雀は餌を貰います。
下卑た飼い主の手から貰うモノでも、それは金糸雀が生きる為には必要なモノ。
美しい声で啼いて、餌を強請ります。
視界の端に映った空には、鴉。
金糸雀は笑いました。
『ワタシを、 て。』
夜の闇に金糸雀色が舞うンは、もう少し先のお話。
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4 :
市丸ギン
2008/05/18(日)21:11:55
<鴉の眼、金糸雀の眼>
鴉の眼に映るンは薄汚れた鉛色と、金色。
金糸雀の眼に映るンは輝く蒼と、揺れる漆黒。
まだ色が在るだけええと思うボクは可笑しいンやろか。
だって、ボクの眼には色褪せた世界しか…
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5 :
市丸ギン
2008/05/22(木)19:41:00
<濡羽色の理由>
鴉が何であんなに黒いンか御存知?
一つ、闇に紛れる為。
闇に紛れて飛んで、大きな木の枝に泊まって葉っぱのお布団でお寝んね。
夢には必ず金糸雀が出て来ます。
二つ、真っ青な空に己の存在示す為。
いつもお空を眺めとる金糸雀に、自分は此処に居るよ、って知らせる為。
そやから鴉のお散歩はいつも決まった道順。
キミに気付いて欲しい。
そう願って、鴉は濡羽色になりました。
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49 :
市丸ギン
2008/10/02(木)07:23:49
悪戯の記録。
神無月二日 (無意識の悪戯。一緒に寝とる間、腕枕しとった。きっと接吻もしたんやろなァ。)
神無月三日 お仕事出る前に、あの子のお部屋に侵入(ごめんなさい)。
兎さんのおうちにちっちゃな表札付けたった。名字は勿論…
神無月七日 早起き合戦、今日は負けてしもた。残念。
そやけど、ちょっと悪戯。ボクの腕輪とあの子の腕輪、変えっこしてみた。
石の温度は、あの子の温度。
神無月十五 あの子もお仕事出てしもて暇やったさかいに、隊舎の中お散歩。
厠に「清掃中」の貼り紙勝手にしたった。誰か気付くやろか?
61 :
市丸ギン
2008/10/22(水)09:23:49
>干し柿日記
昨日、干し柿を作り始めました。
今年は愛しいあの子と二人で作ったから、記念に観察日記をつけよう思います。
一日目
渋柿の収穫から始める。今年は五十個。
起き抜けでぼやぼやしとるボクは収穫をあの子に任して、下処理。
茎切り揃えて、皮剥いたら紐に括って湯通し。(消毒の為、な。)
綺麗にしたら、早速軒下に干す。
すっかり秋の風景。
二日目
柿の表面もだいぶ乾いてきた。澄んだ秋空のお蔭か。
このまま雨が降らん事を祈る。
三日目
何や朝から雲行き怪しいな、て思てたら午後から雨。
慌てて雨除け準備した。
てるてる坊主さんでも吊したろか…
四日目
今日も朝から見事に大雨。
柿さんにかかってへんかったらええけど。
早う晴れてくれへんかな…
五日目
今日は雨こそ降らんものの、ずっと曇り空。
あの子にも手伝うてもろて柿さんを揉む作業に入る。こうすると柔らかくて甘なるんよ。
六日目
朝、少しぱらついた雨も午後には止んだ。
でも相変わらずの曇り空。気分まで鬱ぐわ。
それでも柿さんには愛情込めて一個一個揉んでいった。
七日目
やっと晴れた。雨除け取ってあげたら柿さんも嬉しそう。
色もだいぶええ感じ。
そやけど、ここ数日の雨が心配やから今年は少し長めに様子見で干してみよう。
62 :
市丸ギン
2008/10/26(日)05:59:09
>干し柿日記二頁目
八日目
今日もあの子と柿さんを揉んで柔らかくしてく。
まだまだ硬いけど、表面乾いて色も変わってきた。折り返しやな。
九日目
てるてる坊主のお蔭か、雨は降らん日が続いとる。今日はええ天気。
時々腹空かした小鳥さんが柿さんつつきに来よる。
嗚呼、ホンマやめたって…
十日目
今日は二人でお出かけの日やさかいに、柿さんのお世話は少しお休み。
ちょっと様子見てからお出かけ。堪忍な。
十一日目
朝から少し曇り空。雨は降らへんと思うけど…念の為雨除けを用意。
だいぶ寒いなってきたさかい柿さんの身も締まってきたみたい。