アマゾン

綴一覧
┗1919.PETROUCHKA(5-9/168)

|||1-||||リロ
5 :グリムジョー・ジャガージャック
2008/09/27(土)04:12:40

>en croix.


………あの、手紙、

あの手紙を、
お前はどんな想いで綴り、
放つあの日まで、
───そして今、
どんな想いで過ごしているのか。

お前の事だ。
きっと酷く時間が掛かったんだろう。
書いては消し、
書いては、消し。
途中で泣いたりしなかったかァ?………なんつって。

愚かな俺は暫く読み返す事を止められずに、
そしてその度、
丁寧に丁寧に、熟考を重ねて選ばれたに違い無え繊細な言葉の中、散りばめられ・込められたお前の想いや誠実さ、そしてやるせなさとテメェの罪に胸が張り裂けそうになった。
……泣いて?───ハッ、柄にも……無え事。

共に過ごした時は期間にこそすりゃ短えものだったが、お前は禍々しく凶悪で、酷く、あァ……酷く清らかな男だった。
あんなヒデェ状況だったってのに如何してそう思ったのかはきっと永久の謎だ。……否、深ェ処じゃァ解ってるさ。

なァ、現世の海辺を覚えているか?
態とお前の後ろに廻って宙を仰ぎ見た。
お陰で俺の月の面影は白ェまんまだ。
何処ぞの生娘みてえにどうして良いか解らなかったなんざァ前代未聞。
振り返ったお前の顔が、繋いだ手が、波飛沫が。
冷たくて燃えちまいそうだったなんざァ嗤えていけねえ。
あァ……嗤っちまうぐれえ神聖なキスも。

眼球を持って行け・と。
共に散るんじゃァ無かったのか・と。
その可能性をお前ごと潰した罪は行き着く先をも失う結果を招いちまったが、お前の幸せを・安らぎを願いてえと、何時か本心からそう思える日が来る事を願っている。
それが失くした心に平穏が訪れるっつう事なのかも知れねえが、思い出に変わっちまう残酷さは、ヒトの醜さを知らしめられてるようで反吐が出そうな気分に陥る。
願わくばもっと話し合いたかった。
そしてこの両手の・脇腹の・そして彼方の傷も一生治らなければ良いと思っちまう。

綺麗言だと、口先だけだと言われようが、あァ、俺も手向けた言葉に一欠片の嘘も無え。
「お前とずっと一緒に居たかった。」
最後の蝶がお前にも届けられた事実、俺の方からもキチンと幕を引かせてくれたお前の誠意が堪らなかった。
あれもこれも書き残したと悔やんだりもしたが、あの時じゃねえときっと送れなかっただろう。
飲み込まざるを得なかっただろうに辛くは無かったか?



お前を俺の中に仕舞おう。
最奥へ。
序列に拘るお前にとっちゃァ不服だろうが、7番目の場所に。
そうだ、結局お前は俺にとって最後まで─────
一握りの  を託してな。
この十字架はお前の止まり木代わり。
帰還する事が有りゃァ利用すれば良い。
別段俺に告げる事は無え、ただ、還る場所のひとつぐれえは・な。
本当に縁が在りゃァ何度でも交わる筈だと。

俺の中での一区切り。

お前に捧げたモンも何もかも、後悔は無え。



馬鹿みてえに綺麗で愛しい、

───愛しい、日々だった。




>総てを、誇りに思う。-----11/9 19:00

Esperanza de la purpura grisacea.>>25
Tanque del mar.>>28
09170918:El sagrado beso.
10221023:La luz de la luna y dulces.>>29
08231102:La vie en rose.
Gracias、Gracias、amantes.

[返信][削除][編集]

6 :グリムジョー・ジャガージャック
2008/09/27(土)23:21:38

禍々しい闇の上に成り立つ微温さや甘さってのは時に、とんでもなく清らかだ。
餓えて渇いて仕方無かった孔に沁み入って来る。
じわり、っつぅ音がやたらと相応しい。
蕩みの有る波紋が深ぇ場所に広がって、中心からゆっくり温められる感覚。
控え目な波がどうにも優しい。
撫でる掌なんざ見えねぇってのに。


根底に昏ぇモンを抱えてるからこそ、とぐろを巻く腹の底に秘められた純情。

………ああ、すげぇ尊いなァ。




凡その在り方も裏付けとなる陰影が在ってこそなのかも知れねぇ。

[返信][削除][編集]

7 :黒崎一護
2008/09/30(火)01:33:56

雨が、───降ってる。
肌寒い夜とこの音は俺の胸にもしとしとと雨を降らす。
普段は自覚せずにいる柔な感覚が、
空気中に舞ってた埃みたいに雫と一緒に心の襞に流れ込む。

個体として生まれ落ちた時から始まる孤独。
肉体の檻に隔てられたあの時から。

見えない手は風が吹けば温もりを持たない。
酷く、沁みるんだ。


嘯いてみようか。
寂しいだけなら幸せだと。


孤独を知ってる奴が好きだ。

[返信][削除][編集]

8 :グリムジョー・ジャガージャック
2008/09/30(火)02:14:57

失くした在り処が痛ぇのか。
失くしちまったから痛ぇのか。

愛し、
愛される事への害悪、


───自己愛。




狂っちまう程愛せる悦びはきっと、
愛される事以上の幸せなのかも知れねぇと、
孔を撫でてった丘の魔物。

[返信][削除][編集]

9 :グリムジョー・ジャガージャック
2008/10/02(木)02:29:02

何時か無に還す俺達は酷く曖昧な存在だ。

繰り返す筈の輪廻の輪からも外れてる。

お前の舌を割ったガルーダ、

俺の背に陣取る女、

覚えてもねぇ業の起源を履かされて躍り続けるこの盤上。

刻み込まれるアカシックレコード、

もう彫る隙間なんざ無ぇってのに。



この靴を脱ぎ、

忘却と言う名の安らぎを。

[返信][削除][編集]

|||1-||||リロ

[戻る][設定][支配人の部屋]
WHOCARES.JP
25 :グリムジョー・ジャガージャック
2008/10/19(日)23:59:18

尖塔の天辺に腰を下ろして見渡す地平が好きだ。
この白い砂漠は、手向けた花が塵になったモノだったなら良いのにと密やかに思う。
地図すら無ェ此の場所は胸の深淵を紐解く旅路と似ている。
宛てなく彷徨う無様さはけれど、行く宛てと行き着く先を、存在する理由と場所を見付けんが為の砂の迷宮。
頭上に冴えた月が浮かぶ様は気が遠くなる程美しいのに、惑わされるばかりで道標すら容易に見付かりゃしねえと時の旅人が言っていた。

熱砂に焼かれて力尽きた事も有る。
獣の頃に夢見た幻想に。
傍観しているのが好きだった時期も有る。
二本脚で砂丘を歩くのは酷く疲れっから。
諦めていた時期も有る。
どうせ見付かるモン等たかが知れてると。
それでも餓えと渇きに耐え兼ねた近い過去。
求めているモノが何なのか解らなければ尚荒むループに、願望と言う名の蜃気楼が魅せた一時の罠でも良いと思って投じた一石だった。
だが、
だんだんと広がる波紋が空気を震わせて鳴り出すにつれ、
呼んでいたと、
待っていたと、
お前だったのかと、
ただ漠然としたそんな感覚が失くした在り処へ響いたのは俺だけか。


そして今、俺は自ら砂へと降りる。
否、気付いたら既に結構な砂塗れ。
そろそろ首まで埋まりそうだから高らかに宣誓してェとも。
公言しちまったらもう引き返せねえが良いのか?お前。


Esperanza、
Esperanza de la purpura grisacea.
俺にとっちゃそうなんだ。


今更、っつう声が聞こえて来そうだがなァ。

28 :グリムジョー・ジャガージャック
2008/10/23(木)00:00:04

深い場所で、恋をしている。

俺達は深海魚のようだ。



穏やかな水面からは想像も出来ねえ程逆巻く激流の中で、誰に知られる事も無く昏え命を燃やしてる。

退化と進化を繰り返した俺達。

凍て付く水に耐えられるように纏った鱗は厚く、触れ合う事を忘れたからこの身体が燃えるように熱い事を知らねえ。

水圧に耐えられるように真実の姿も失くした。

暗闇で生き抜けるように焦がれる光を映す瞳すら捨てた。

そして、何時からかその総ての事実に麻痺した。



俺達は深海魚のようだ。

それでも恋をしている。

深い場所で。

深いところで。

静かに、



激しい恋を。




>La segunda luna.
お前と廻り逢えた奇跡に感謝を。
──だろ馬鹿がっつって嗤う顔が見えるようだぜ。

29 :グリムジョー・ジャガージャック
2008/10/25(土)01:06:11

珍しく日記調。
記録、しときてえから。
お前にとっちゃァあまり人目に晒されたくねェ内容かも知れねえんで漆黒に塗り潰しておく。
ンじゃ綴んじゃねェよッつー突っ込みが聞こえて来そうだが、そりゃァ難しいなァ。なんつぅんだァ?……こう、抑制し辛ェ部類の衝動、みてえな?
宮に戻ったお前が気付いたら、俺の馨が残った寝台ン中で嗤ってくれりゃ良いが。


------------------------


眼が覚めたら拷問器具が家具代わりに並んでる生臭ェ匂いのする部屋で、一瞬訳が解らなかったが飛び起きる事の叶わなかったテメェの体躯で何が有ったかを思い出した。
窓は無えし、薄暗えし、澱んだ空気が蔓延って相変わらず腐った子宮みてえな宮だが深く眠るには最適だ。
寒いのはあまり得意じゃねえから眠ってるのを確かめて身を寄せた気はするが、鋼みてえな腕と長身に絡まって眠った昼日中、俺もそう体温が高ェ方じゃねえが彼奴は更に低かった気がする。寝相が良い?ヘーェ……自分独りじゃ気付く事すら無かったが、そりゃお前唯単に動けなかっただけじゃねえのかコラ、とも。

そう言や最初にこの巣へ連れ込まれた時に虚閃で吹っ飛ばしたソファーや床はどうなったんだ。
流石にあの量だ。血溜まりもドス黒ェ染みになってんじゃねえのか、と。
まァ、優秀な従属官が居るから其処等辺の抜かりは無えんだろうが。
つってもまだ其の場で格闘してる訳だが、馴れ初めって奴を思い返すと白え世界に反響する金属音、血飛沫やら骨の軋む音やらで臓物こそ飛び散ってねえが甘さの欠片も無かったよなァ?……現行もだが精神をも削り合うみてえな。
が、どうにも、酷く"合った"。
彼奴曰く似て非なる間逆の性質らしいが、波長の輪っかみてえなモンが幾重にも広がって共鳴し、胸ん中へ響いて来る感覚に背筋が震えた。
それは日に日に輪を掛けて今も、だが。

其処から二つの月を経た"丁度"のこの間、普段の傾向からあまり気乗りしねえんじゃねェかとの懸念は有ったが、虚圏へ戻る前に現世の祭りにあやかって菓子を貰いに寄ってみてえと我が儘を吐いてみた。
二体して挙動不審だっただろうがフレンドリーに接しようと努めてる彼奴の姿が新鮮で、思っていたより愉しそうにも見えて安堵した。何時もとは違う一面を見る事が出来たのは何より嬉しい収穫だ。
普段見る事の出来無えだろう姿が妙に微笑ましくてよォ……否、可愛いとか感じちまった俺のアタマは相当イッてんだろうなァ……。で、彼奴は今スゲー渋い顔してやがんだろうなァ。愉快、愉快。

───が、大事な奴を連れてるっつう状況だったからか、何を話したのかがさっぱりだっつったら笑われる通り越して失礼過ぎる始末。
やたら人が多くて溺れてたのも有るが運悪く居合わせた奴等、申し訳無え。
そんな訳で孔まで持ったDer mitternachtliche Mond、折角見付けて足運んでくれたってのに、お前の話も若干理解が不足してやがんの。
店と不能隊長って単語辺りは覚えてんだがよォ、悪ィ。こないだの姿で殴んじゃねえぞ?部が悪ィから。



オレンジゼリー

パンプキンパイ
パンプキンプリン



どうやら南瓜に惚れられた。
薀蓄臭ェゾマリを連想しちまうから南瓜本体の見た目はあまり好きじゃねえが、美味かっ、……美味かった?──あァ、なんてこった、"ひとくち"以外ちゃんと喰ってねえ。
砂丘に散らばった儘の菓子も自宮へ戻る前に回収して来るか。
甘味が苦手そうな彼奴の口に突っ込んでみてえ。


>オレンジゼリーをもうひとくち、
うつし。