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┗2513.トウメイガラス(6-10/73)
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6 :
グリムジョー・ジャガージャック
2009/09/17(木)17:52:40
淡く儚い月光。
燦然と輝く月。
優しげな光を降らせているそれは、宵の刻に微笑む。
誰にも気取られぬよう、麗しく、温かく、聖母の如き仮面で俺達を見下す。
その下に隠されている醜悪で残忍な顔を見せまいと。
そして、割れた仮面は破片となり、荒野同然の地へ降り注ぐ。
本来の顔を曝け出した月は愉しげに哂う、嗤う。
鋭い破片を飲み下せ。と俺達に卑しく強請り、けたけたと舌を覗かせた。
飲み干した破片は闇に映える青白い喉を切り裂く。
裂けた喉元からは真っ赤な血が滴り。
やがて、凡てを焼き尽くす日が昇る。
>「仮面に騙された君は仮面で滅ぶ。」
>「そして何も遺らない」
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7 :
グリムジョー・ジャガージャック
2009/09/18(金)18:07:49
疑問を抱く。
例えば。
溢れる悲しみの原因(何故?)。
とある騒ぎの発端(誰?)。
宝物を喪った場所(何処?)。
どれだけ考えようが答えは出ねェ。
(本当にその感情は「悲しみ」か?)
(「騒ぎ」があったのは事実か?)
(「それ」を失くしたと証明出来るか?)
>疑問に(己に、)疑念を抱け(甘ったれた信頼をするんじゃねェ!)。
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8 :
グリムジョー・ジャガージャック
2009/09/18(金)18:27:10
>微グロ注意
俺達は虚。
俺達は虚ろの存在。
虚無と喪失。
命と言うにはあまりに無様なモノを授かり、軋む肺腑の奥へ何かを吸い込んだその瞬間。
喜劇の幕は上がった。
それが始まりとも知らず、
終わりさえ知らねェまま、
俺達は踊り続ける。
破かれた台本は何の役にも立たねェ。
文字化けしたタイトルは一体何と読めば良い?
何一つ理解出来ねェ舞台の上、俺達は愉しげな作り笑いを浮かべる。
只、唯、ひたすらに。
剣を振るい、
返り血を浴び、
苦痛に顔を歪め、
腹を裂かれ、
腕が腐り落ち、
足の骨が砕け、
目玉が潰れ、
頭蓋を抉られようとも、
俺達は進む。
自分が見ている方向を前だと思い込み(進む、)。
不協和音を奏でる喉元に鈍い銀を当てられながら(進む、)。
まるで、蝋の翼で太陽を目指した愚かな英雄のように(進む。)。
だが、一体どれだけの観客がその愚行を、
愚かだと嘲笑える?
>代わり映えしねェ日々なんて死んでも御免だぜ(何故なら?)。
後戻りして堕ちるのと、
突き進んで堕ちるのと、
より醜く這いずり廻れるのはどっちだ。
慎重に選べ。
しくじるな。
少しでも見誤れば。
>そこで幕は下り、もう、二度と上がらないのだから。
お前なら、どちらを選ぶ(精々足掻けよ?)。
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9 :
グリムジョー・ジャガージャック
2009/09/19(土)19:46:23
心なんてねェ筈なのに、偶に胸が疼く。
それは強さとかそういう類じゃねェ何かに翻弄されてんだ。
心じゃねェなら何なんだっつー疑問。
自問自答を繰り返そうが結局はぐるぐると同じ道を歩いてる。
>中途半端なモンちらつかせんな。
>それが優しさだと気付く前にやめろ。
心臓を食い千切られる覚悟で手を伸ばせ(苦しい、)。
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10 :
グリムジョー・ジャガージャック
2009/09/24(木)16:31:43
偶に現世へ赴いた時、いつも思う(一番最初は嗚呼面倒だと。)。
紛い物じゃねえ太陽の光に目がちかちか眩んで。
青々とした(鮮やかな、)空。
生きてんじゃねえかと思うような雲(無意識的に自身の髪に指を通すのは気付かぬ振り。知らねえと嘯く。)。
>そして、溺れそうだ。と、
深く思う。
命に溢れた世界に居ると、やけに息苦しい。
自由が行き交う交差点で人酔いしているような気分。
いくら水を飲んでも満たされない咽の渇き。
憧れ。寧ろ、崇拝している何かと初めて対峙する時に味わうモノ(歓喜、緊張、寒気、劣等感、高揚、孤独、つまりは震える程の確かな自分自身。)に似ている。
>何故こんなにもかけ離れているんだ。
>何故こんなにも魅せられるんだ。
>何故こんなにも腕が短いんだ。
>何故こんなにも満足しているんだ。
馬鹿みてえな事を考えながら、俺は俺の居るべき(居場所なんて小奇麗じゃねえ、)場所へと帰る。
歩調はあくまで淡々と。
やがて絶望が彩る世界に帰りついた時、よくよく辺りを見渡してみれば。
>持て余した掌(向かうのは空色の髪、)。
俺は憧れを自覚する。
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