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┗2673.揺籃(50-54/118)
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リロ
50 :
阿近
2011/09/13(火)05:41:40
同じ布団に入ったはいいが不思議と寝付けねえ、流石に気息の正しい寝姿には噛みつけねえなと軽い接吻で我慢。
自室に移動して贈られた音盤を探す、埃塗れの蓄音機を引っ張り出して密かに回してみりゃ華美な女の歌声が聞こえてくる。
洋琴の音色は安穏を従えてくるが、後奏の手風琴の旋律が徐々に乱れていく様相は狂気を孕んでいるのか否か…思わず肌に粟が生じる。
>月光の明るい夜に似合いの歌、黎明の空に映える歌
御勝手仕事は全て任せているが、今日の朝飯の用意は俺にさせろ。
林檎を兎に出来たら賛辞の代わりに撫で撫でを希望する。
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51 :
阿近
2011/09/15(木)06:24:18
終日勤務を終えて時刻を確かめる、疾うに寝ているだろうと判断。
久方振りに酒場目当てで紅灯の巷を闊歩、相も変わらず盛り場の灯りは紅を越えた極彩色。
人が行き交う区画で目を引く姿、すれ違いざまには合わせ薫物の香り。
絹織物を身に纏い洗練された着こなしは懐の豊かさを物語っているのか、見栄を張っているのか。
餓鬼の頃から思ってはいたが、女ってのは絹を殊の外尊重する。
御蚕包みに育ってねえ貧者の俺には縁のない物、製造工程に手間がかかるのは解るが価値は解らねえ。
しかし、あの人は興味があるのだろうかと立ち止まって一考。
…のはずが気付けば明け方、結局店には寄らず家路を辿る。
目下の目標
貯金
襟巻のひとつでも贈りてえ。
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52 :
阿近
2011/09/15(木)13:13:29
不帰の客を野辺送り
埋葬終われば醜やか
形見分けの諍いは見るに堪えず、響く慟哭は既に権謀術数か。
傍観者を偽善者と罵るような噴飯物に混じる心組みは端から無い。
地に還った命への蕭然に満ちた心には、肺を侵す嗜好品も今は効かず不味いだけで直ぐに飽いた。
ただ、只管に安息を。
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53 :
阿近
2011/09/16(金)08:12:37
提琴を巧みに奏でる奴は言う
ままごと遊びはたかが子供の遊びだ、と。
いくら音楽の才に長けていても、他の物事を蔑視するような偏見があれば音楽家として一人前になれるだろうか。
人として実力を得たいのなら、自分が一番無意味だと思うことをやるべきだ。
たかが、と思っていることを真剣に出来ないなら、それが言った本人の限界なんだろう。
自分が取るに足りないと思うことが出来ない奴の実力なんて、それこそたかが知れている。
誰かを責める言葉じゃねえ、様々な事象の研究に就く手前が我褒めて驕らねえためにと。
熱中してみると思っているほど満足に出来ないもんだと痛感、自分の実力を知るいい機会だ。
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54 :
志波海燕
2011/09/20(火)15:34:29
緑の黒髪、鈴の張ったような目、傍らの解語の花に毎日が目の正月だ。
美人は三日で飽きるなんざ流言飛語だろ?何年経とうと尽きない欲と焦がれる想いが真実。
あー…今夜は抱きてえ、出来ればいかがわしい方向で。
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