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31 :
朽木ルキア
2011/03/05(土)19:29:55
浅い眠りから醒めた時。
ずっと欲して止まなかった筈の何かが、私の中で形を無くし忽然と消え失せていた。
在った筈の場所に、其の痕跡すら遺さず消えてしまった何か。
私が今感じている空虚さだけが、其れが存在した事の証明。
然れど其れを打ち消す様な相反する感覚もまた、胸に広がり、不思議と心は穏やかで。
胸を満たす此の新たな感情の名は、「安堵」だと知る。
──…そう、か。
私はきっと失くした「何か」を、ずっと捨てたかったのだ。
捨てて、楽になりたかった。
消えてしまった今となっては其れが何なのか、知る事は叶わぬ。
漠然とではあるが、此れで良かったのだと感じている事も確かだ。
唯、失くすまいと必死で求め護っていた様な…そんな気がして、少し胸が痛んだ。
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32 :
黒崎一護
2011/03/06(日)19:04:03
偶に通り掛かる道に在る、古びたガレージ。其の前に無造作に置かれた、錆びた金網の籠。
雨避けも無え寒々しい其の籠に住まうは、一羽の鳥。
漆黒の羽を持つ、鴉。
どう言う経緯で其処に居るのかなんざ、俺は知らねえし知る機会も無えだろう。
唯、何と無く気になった。
鴉は賢い鳥だと聞く。
なら囚われの身となった今、其の濡れた黒い瞳であんたは何を見て、何を思うんだろう。
人を呪い、己の無力を呪いながら、自由と命懸けの生活が待つ空を羨望の眼差しを以てじっと見上げ続けるのか?
其れとも安全で安定した生活に満足し、金網越しに外界を眺めつつ何時迄も籠の中にと願うのか?
どうせ逃げらんねえなら、後者の思想で生きるのが正解。
さァ、あんたはどう生きる。
今や羽撃く為に存在する羽根を広げる事さえ出来ない、あんたは。
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33 :
朽木ルキア
2011/03/08(火)00:56:33
こう成りたい、こう在りたいと言う、確固たる理想は有る。
其の一方で、今の儘で良いと受け入れてくれる存在もまた、心から欲して居る。
向上心が無い訳では無い。
かと言って今の私では駄目だと、卑屈になっている訳でも無い。
相反する感情の根本は、
結局の処、他者から認められたいと言う欲求で繋がっている様だ。
浅ましかろうが卑しかろうが、必要とされ、肯定される事で、「私」の居場所を確立したい。
そう思う事は、愚かだろうか。
> 夢見て初めて、孤独だと知る。
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34 :
朽木ルキア
2011/03/09(水)23:47:29
不意に、今迄大切に積み重ねて来た物が崩れて行く様な感覚に襲われた。
受け止めようと必死で手を伸ばしてみても、
掌に落ちた其れは指の隙間から虚しく零れ行く。
──…今度は、一体何を失くしたと言うのだろう。
為す術も無い私が抱く、
此の口惜しさから、
此の無力感から、
解放される時は、何時の日か訪れるのだろうか。
……暗闇の中、静かに目を開けば其処に在るのは見慣れた風景。
然れど何かが違う気がした。
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35 :
朽木ルキア
2011/03/21(月)08:25:30
> 歩む先に、必ずや光は在る。
そうである事を切に願う。
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