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┗3223.徒然鋸草(6-10/17)

|||1-||||リロ
6 :更木剣八
2013/04/14(日)22:13:29

肩に乗っていた桃色頭がまた拗ねていた。俺は表情を変えずに其奴の頬で遊ぶ。痛くねぇ程度に摘まむと肉が餅のように伸びる。
「もう!剣ちゃん!」怒ると膨らむので更に餅らしくなる。

「どないしたん?」ひょこりと狐が姿を現す。

「あ!ギンくん!」桃色頭はその姿を見るや否や一目散に俺の肩を飛び降り、狐の肩に飛び乗る。

「あのね、剣ちゃんが酷いの!」
「へー、そら酷いなぁ」
「まだ何も言ってねぇだろうが」
「剣ちゃんが意地悪するの!」
「意地悪なんてそないなこと許されへんわぁ」
「お前が其れ言えんのか?」

先程まで少女が乗っていた肩の温もりが消え、妙な寂しさを覚える。
狐と少女はクスクスけらけらと俺を見て笑う。

「剣やん顔怖いしなぁ?」
「剣ちゃんお顔怖ーい」
「顔関係無ぇだろうが!」

怒気を籠めて言ってみても狐は柳のようにゆらゆらと飄々としまるで堪えていないし、桃色頭はきゃっきゃと高く歓声を上げる。そのうちひそひそと内緒話をしては可笑しそうに喉を鳴らす。



ーーーなんだこりゃ?
今俺は此奴らに馬鹿にされて、怒るところだろ?なのに何でだ?
胸の中心が、よく判らん、何だ此りゃ?暖かい綿みたいなもんが詰まっている感じだ。
初めて知る感覚に違和感を覚える。内臓の代わりに胸や腹に全部その暖かい綿を詰め込まれているみてぇだ。よく判らねぇ。

「剣ちゃん?」
「ん?怒ったん?」

唐突に押し黙った俺を訝しげに見遣るその2匹が、どうやら俺の中に詰まった綿の正体だと気付いた直後、
(じゃあ今ぎゅうぎゅうに詰め込まれた此の綿が無くなっちまったら、俺は)
其処まで至って、続きを続きを考えるのを止めた。

(そうだ、無くならないようにすりゃ善い。)
ウダウダ考えんのは苦手だし、答えは単純明快だ。

「……別に怒っちゃいねぇよ」

2匹は顔を見合わせて変なの、と言って笑った。



要するに此奴らが笑ってたら善いんだろ。ーーーなんだ、其れだけだ。簡単なことじゃねえか。

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7 :更木剣八
2013/04/14(日)22:14:22

煙管。

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8 :更木剣八
2013/04/14(日)22:15:07

後程

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9 :更木剣八
2013/04/14(日)22:15:41

後程

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10 :更木剣八
2013/04/14(日)22:16:15

後程

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