スレ一覧
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1972.Corpse Reviver【〆】
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47 :
黒沼アラヒト
2021/01/30(土) 18:00
たまには本編軸の話でもしてみるか。
- ep.01 『王子のキッチン』-──これは物語の開始前。(…なんて書くと些かメタだが。)
そう、酒場で待ち合わせたあの街に入る前日譚だ。ヨルクちゃんが、あのダッセェ初期装備着てた頃のな。
こいつ、お坊ちゃんのくせになんだってはじまりの勇者みたいなコーデなの?腰に下げた紋章入りの剣と、背負った弓だけが存在感を放っていた。旅装にしたって他にもっとこう、それらしいのがあっただろうに。そんなdisを胸に街道を下る。
途中、襲ってきた盗賊パーティ。術士の女にちょっかいを出しながら戦ってたら、あの恐ろしい魔法──チャームを食らった。ちなみに2度目。
ヨルクちゃんやイルメラの術に比べりゃ可愛らしいもんだとはいえ、当時の俺には脅威だったね。
ま、すぐさま解呪したけどな。ヨルクちゃんが。
その日は夜営で、いつものようにあいつが飯を作ってくれた。鶏(だと思いたい肉)とキノコの入ったチーズリゾット。
実のところ、料理なら俺もそこそこ得意だ。が、あいつの飯が食いたいがため、専ら任せきりである。
ヨルクちゃんの飯は全般的にうまい。中でも俺が好きなメニュー、3位はこのリゾット。2位、兎肉のシチュー。1位をたまごサンドとするのに論議の余地はないだろう。
それからもうひとつ。二日酔いの朝に、どーーーしても味噌汁が食いたいって駄々こねたら作ってくれた、アサリの味噌汁ウィリディス風。
つっても味噌がなかったから、似たようなペースト状の調味料使ったスープだったけど。
あれは審査員特別賞で決まりだな。
あいつが料理してる姿を眺めるのが好きだ。
俺よりも少しばかり小さい手が、こなれた様子で食材を刻んで、おたまを回して、皿に盛って。できたぞ、って渡してくれる。
うまい、って伝えると、満足げに。ちょっと嬉しそうに弧を描く唇。
伏し目がちで食事をするあいつを見るのも存外、退屈しない。普段は品よく食べるくせ、機嫌損ねてる時は荒っぽくなったりさ。
残念ながら、最近は店で食うことが多い。
…そーだなあ。あいつの飯が食えるなら。また夜営するのも吝かじゃねぇ…かも?
#戦場における衣類はこと消耗品であるからして、いかに王族といえど質素倹約に努めるべきである。そもそも王は飾りではな(略)#料理できたのか…。いや、知ってるぞ?女性にキャーキャー言われる目的で会得したそれだということを。ハッ!まさか筋トレも…#鶏はおおかたアレで、海老はだいたいソレだ。(聞き流し)…ふんふん、なるほどなあ。ま、とにかくさ。もうちょっと王子様っぽい服着なよ。アンタの衣装が汚れないように頑張って守るから、な?
御名答。料理ができる男はモテるし、鍛えてる男も然り、だろ?今度、いつもの礼にヨルクちゃんの好きなもん作ってやるよ。
アレかあ……。勘弁してくれ。目に見えたものを信じるにも限界ってやつがある。
あ、でも。アンタが蛙捕まえてる姿はかわいい。
#……、…ああ。早く俺より強くなれよ。#(やや不服そうな顔をして)じゃあ、次の機会には日本っぽいものを振舞ってくれ。#兎とガマとなにが違うってんだ。腹に入れば同じだろう。#(戦場での士気向上および体作りが目的で習得した料理だが、やはり覚えておいて損はなかった。疲労に満ちたこいつの顔が、俺の飯を口にした瞬間、幸せそうに解けていく。それに途方もなく満たされるんだ。……こんど蛙捕らせよう)[
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48 :
ヨルク・ビス・アエタス
2021/01/31(日) 11:16
本編を思い出歩きするのもいいだろう。
- ep.02 『異邦者が戦う術』-武術しかり、魔術しかり。何かしら戦う術を持っていなければ、こちらの世界を練り歩いて賢者を探すなど不可能だ。
各地に魔物が蔓延っている。ドラ○エやファイナルなんとかと言えば、おおよそ雰囲気は伝わるだろうか。
さて当のアラヒトはといえば、予め剣を使うことを知っていた。聞けば爺様が剣術道場を営んでおり、学童の時分、それなりに仕込まれた賜らしい。試しに木剣を持たせてみると、なるほど。構えは様になっている。一足詰めて打ち込み。これも問題なく受けて見せた。
そんなこんなで、真剣を握らせるまでさして時間は要らなかった。
アラヒトの前に幾多の剣がからりと並ぶ。兵士が持つ数打ちから、身幅の広いカトラスまで。自分の身を守るものは自分で選ぶべきだと、親父と俺が武器庫から選びとった品々だ。
榛色の瞳が敷物の上の得物を撫で、ほどなく、少し癖を帯びた黒髪が所作のためにふわりと揺れる。指の長い骨ばった手に握られたのは、シンプルななりをした、しかし珍しい片刃の一振りだった。(故郷の刀に似て目を引いた、とは後日談。使いやすさも上々らしい)
スライムと対峙して、「本当にグミみたいだな」等とはしゃいでいたのを思い出す。今では無言で斬り捨てるのだ、あまりの差異に笑ってしまう。
女性型の敵相手にはすぐに鼻の下を伸ばす。危なっかしくて見ていられない。こちらも早く慣れて欲しい。
魔狼戦ではあいつの太刀に救われた。荒削りの銀が輝き、俺の腕を喰らおうとはかる獰猛な口を貫いた。
怪鳥のときは…冷静に立ち回る姿を眺め、成長と一抹の寂しさを感じたものだ。
強く、一人でもこの世界を生き抜く術を身につけて欲しいと願っている。残り50年たらずの命が、決して戦場で半端に散ることの無いように。
けれども裏腹、いつまでも庇護を出ないでくれと冀う俺もいる。
あいつは子供ではないし、することも居る場所も、勝手に選ぶと頭では分かっているのにな。
俺の想いは、想いでしかないということも。
滑るように鞘を抜けた片刃が、荒々しく肉を裂き、貫通して敵を討つ。長い手足が間髪いれずにまた踊り、銀色が閃くたび辺りに紅い花が咲く。生を求め必死に振られる剣筋に、冷めた俺のものとは異なるそれに、ひどく心を奪われる。
#ヒューマンスライム(女性型)に触ろうとして体内に取り込まれた時は焦った。…それはそうと、見てらんねぇのはこっちのほうだ。強いくせに危なっかしいっつーか、思いきった戦い方するからなあ、アンタ。簡単に腕くれてやろうとするわ、MP使い切って倒れちまうわ、赤毛の時だって諦めが早(略)#また稽古つけてくれよ。一本取ったらご褒美くれるって約束、忘れてねぇよな?そんなこともあったなあ。人が丸々取り込まれるのを見るのは初めてだったから、つい暫く観察してしまった。
(静聴)……いずれも被害を最小に留める立ち回りだった。(そっぽを向き)
(妙な間)もちろん覚えているぞ?次の夜営にやるか、適当な棒きれを見繕って。それからお前の手料理を味わう。我ながら素晴らしいプランだ。
#(ゼリー越しに見たあいつの泰然たる表情…自力でどうにかしてみろ的な意図じゃなかったのか…。)#(顎先掴み向き直らせて)……。ま、アンタが無事でよかった。(もうちっと俺を使え…ってのは傲慢か)#そうこなきゃなあ。あっと驚かせてやる。料理も期待してろよ。(──かかったな。そんな約束はそもそもしてない。さて、ご褒美になにを貰うか…今夜もEXP溜めに出かけねぇと)[
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