☆☆ 手のひらの上で、溶ける 🐾

意外と繊細な心を持ってたりする。誰の話かって？

――俺だ。


まあ、半分は冗談なんだが。時々、返事に困る事がある。拗ねてる時のちょっと素っ気ない雰囲気の時とか、誘惑されて乗ってみれば途端に手のひら返しされた時とか、えっちなことを言わされる時とか、他にも細々とある。嫌だと思った事はないし、結局全部受け止めてるんだが、たまに形容出来ない気持ちになってここに書き連ねながら眠って、朝になってページを破って証拠隠滅。

無理に合わせてるとかでもない。頭ではわかってるんだ、ちゃんと俺のこと好きで居てくれてるのも。だから時間さえ経てば元通りになる。この間は何だっけか、忘れたけど何か一晩くらい悩んだな。今は変態だねって言われたことをどう受け止めるべきか、少し悩んでいる。散々俺を自分専用にカスタマイズしておいて今更っていうか、あんだけ抱かれてればエロくもなるだろうに。

恥じらったりした方がいいんだろうけど、裸になるのなんて別に恥ずかしくはねーしな。お尻を叩かれるのにも慣れてきたし、適応能力は高いんじゃないかと自分では思ってる。あれな話、そもそも俺達は萌えとか萎えとか全然話してないからどういう事を相手がしたいのかお互い知りたいような気配？はあると思う。基本的に今までやってないことは全部初めての事しかないから、最初は驚きもする。でも結局――何をされても気持ちがいいのも、好きな人にだからなんだろうなって思ってる。

いつだって、誘惑されているのは俺の方だ。甘く甘く溶かされて、ぐずぐずになったら『どうしたいの？』って俺に選ばせる。選択肢なんて一つしかないのに、それでも俺に自分で選ばせる、わるい大人で。そんな大人に乱されて、溺れて……その結果が、変態である。

褒めてんのか？褒めたんだよな？うん？



お似合いだろ、

☆☆ 泡沫 🐾

それなりに上手くやれていたと思っていたのは俺だけだったのかもしれない。俺の何がダメでした？最近はずっと仲良く出来てたのに。何で俺だけ連絡が取れなくても平気って思うんですか、そういう素振り見せました？非番が重なった時に連絡を大人しく待ってたから平気って思うんですか？話したいって思うのも当たり前で、でも俺は待つ事も出来る。だから信用されてない？

時々こうして突き放されたように感じて、繋いだ手を離されたような心細い気持ちになる。気分の問題なのか、急にそうなって、知らない内に元に戻って。だから、俺は何ともないって顔で隣に居るしかない。

好きだから。傍に居たいから。


平気だよ、何をされたって。俺は変わらない、ずっとずっと――あなただけを愛しているから。

だから、大丈夫。

☆☆ 真綿で包む 🐾

漠然と不安になる。自分の中ではそんなに大事ではない事も、恋人からしたらそんな事もなくて。俺は自分がなくなるなんてよくわからないし、有り得るとも思ってない。俺達は別の人間で、ひとつになんてなれやしないのだから。不意に困らせてるんだろうかと考えて、それなら自分が変わるしかないって思って。でも、それが正しいのかもわからない。わからないのに困らせたくなくて、好きでいたくて……幸せなのに、なんでだろう。

繋がってるだけじゃ足りないって、それこそ面倒臭いですよね。抱き締めて欲しいとか、近付いたからって心に触れられる訳でもないのに、それでもやっぱり傍に居たくて。もっと知りたいって思う。

そこそこ精神的に自立してる方だと思っていたが、違ったのかもな。気を付けますね。


気持ちも切り替えていこう。

★★ ずっしり、おもい 🐾

傍に居られるだけで幸せなのだから、不安になる必要もない。確かに、恋人の寂しさに比べたら俺の寂しさなんて本当の寂しさではないのかもしれない。
平気なんだって思われるのも心外ではあれど、精神的に安定はしてる方だから仕方がないのかもしれないな。いくら好きだと思っていても、何度伝えても、全然足りない。自分では同じくらい想い合えてると思ってはいても、実際にはそうではないのかもしれない。

不安や苦しい思いもさせたくない、だから自分なりに向き合ってきたつもりだ。それでもふとした瞬間に、自分ではダメなんじゃないかって思わされる。心の迷いというか、瞬間的に弱気になっているだけなのも理解しているから堪えて堪えて、そこから動かなければまたいつも通りの自分に戻れるとわかっている。こういう時、苦しかった時期のことを思い出して懐かしくなる。情けない話だが、あの頃は毎日こっそり泣いていた。好きで好きで、でも嫌われてしまっている（と思っていた）から離れなきゃいけないのか考えて、笑顔一つ見れただけで涙が出るくらい嬉しくて、会いに来てくれる内は好きでいても許されるかもしれないって。もしかしたら好きでいて貰えてるのかもって、でもやっぱり自分ではだめで。

一緒に居る時にそういうネガティブな部分は極力出さないようにしてるからふてぶてしく生きてはいるものの、時々上手く消化出来ない。この前何気なく１CP派なのがバレてしまったが、冷静に考えると俺という存在が重たいのも重々承知している。それなのに聞かれたことに直ぐに答えてしまって、どんどん重たいことを言ってしまう。最初に比べたら俺の重たい所とかも理解されているし、受け止めて貰えていると思う。まあ、まだ怖がられてる部分はありそうだけど。

ずっと好きでいたいんです。



本当はもっと、好きって言いたい。

★★ パンダトーク 🐾

貰い物のパンダグッズをパンダ先輩に献上しようと思って持ち寄った時、渡す直前で気付いてしまった――これはパンダではない、と。差し出した形で静止した俺を不審に思ったパンダ先輩が手元を覗き込んで、『あっ』と一言。つまり、その瞬間にパンダ先輩にも伝わった。
そのパンダもどきは尻尾が黒かった、俺はその違和感を許せなくて、先輩こそそれは許せないんだと思うけど……まあ、そっからパンダトークになった。

自分ではそこまで詳しくないと思ってはいたものの、意外と話せて驚いたな。先輩にパンダトークってちょっと面白い状況になってたけど、久しぶりに話せてよかった。相変わらずパンダ先輩がいい匂いしてて眠くなる、あの匂いはずるい。寝ちまう。


あの眠気を乗り切ったことを褒めて欲しい。