いつもあなたは僕を喜ばせる事ばかり。

本気で僕が世界一可愛いとでも思っているの？擽ったくなる。可愛くなんかない僕だけど、あなたにそう言われる度に本当にそうなのかも知れない。少なくともあなたから見たら。そんな事を考えてしまう。

あなたが嘗て想っていたあの子は僕なんかよりずっと可愛かった。己の可愛さを知っていて、適切に使える子だった。僕はそう認識していた。だから、そんな筈無いのにね。あなたは馬鹿だな。

情けない事を言って甘えても、応えてくれる腕。
我ながら馬鹿だなあと思っているんだよ、これでもね。
恋に頭が遣られて仕舞ったのかも知れない、なんて、創作でしか知らない言葉が頭に浮かぶ。僕はそんな創作は知らないけれど、事件は愛する者同士で起きる事も多いのだからね。

何度情けない事を言っても受け入れてくれる。
それを当たり前と思った事はなくて何度でも泣きたくなる。

だって甘え方なんて知らないんだもの。

甘えるのと其れそのままに振る舞うのは違う。
眼鏡を掛けなくても分かる、福沢さんの本音に背が凍えて仕舞うかと思ったよ。

僕がもっと上手く胸元に縋って抱っこをせがめたら良かったのだけどねえ。

「お前に愛されていると云う事は良く理解している」

そんな言葉一つに舞い上がった僕が単純にもこんな処に居る理由を誰か知りたいと思うかい？
いや。どんな阿保にでも絶対に分かる筈さ。福沢さんにも、きっと。
こうして、僕の気持ちを嫌でも知れば良いんだ、あの人は。

唯一求める真実は


(気分で書いていく場所)