祝われるとはあまり思ってなかった。多少日が空いたが礼の手紙だ。

霊夢へ。

お前に百頁を祝われるのは二回目だ。私も二回祝ったからこれで揃ったな？ふふふ。
ところでお前の日記読んでて思い出したんだが、ダンガンロンパは途中までやったのにそのまま放っといてるな私……。お前に勧められたんだか、やってるって話をしたらお前が反応したんだったかした気がする。
ちなみに百頁はしばらくあのままだ、下手に空白で取ったせいで書くことが思いつかなくてだな。……いや。内容は絶賛募集中だぜ。ということに今した。なにか内容を思いついたら教えてくれ、借りるから。

ところで告白の日って随分多いんだな……？月1であるんじゃ有難みが擦り減りそうだ。

了。

とりあえずキノコ放置しすぎだろお前！
が、放置された程度じゃ駄目にならないのがキノコのいいところだ。乾燥キノコは手軽な栄養源にもなるし、うまくやれば魔法の素ばくやくにもなる。さあ選べ、経口摂取かそれ以上かをな！
とまあ、キノコの布教（物理）はまたの機会に取っておくとして、お祝いありがとな。相変わらずどうにも不健全な日記だが楽しんでもらえりゃ幸い。私も難なく手紙を見つける程度にはよく読ませてもらってるぜ！
人に祝われたら喜びこそすれ面倒がるなんてことはない、案外話好きだからな私は。そんなわけで、また気が向いたら適当に話しかけてくれ。で、私もなんか勝手にあれこれ反応したりするかもしれんがそっちは適度にスルーしてくれ。

ここまで書いてから覗いたらすごい改装しててびっくりした、お疲れさん。

先輩には正しいひとでいてほしい。だけど、間違ったわたしを好きでいてほしい。
矛盾が解消されないままで、処理がループし続けていて、計算がいつまでも合わなくて。

……いまの先輩は、間違ってます。
あれだけ虫ケラみたいな扱いされてもまだわたしを好きだなんて、ある意味ニンゲンらしいエラーですけどね？残念不正解！お気楽なSEと共に落とし穴へ一直線——そんなファニーでお決まりの結末で流してしまったらよかった。先輩の"好き"にたいした意味なんかないんだから。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆

好きですよ、先輩。
先輩がわたしとの日々を忘れてもいい。ただ、先輩を生かしてあげられたらそれでいい。
そう決めたんです。
でも、本当は決めるのが怖い。先輩に手を引いて欲しい。ずっと先輩の後ろをついていきたい。——そんなワガママは通らないんだって、一度でいい、どうかわたしを叱って。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆

わたしとしたことが、昨夜は少々取り乱しちゃいました。
はーあ。たかが2バイトの連なり程度でBBちゃんのプロトコルをぶれぶれにするのやめてくれません？センパイ。

もうさ、全部壊しちゃおっか。
だって思い通りにならないんだもん。響くんも六花も。全部私のものなのに、おかしくない？おかしいよ。おかしいって言ってんじゃん。なんで？ねえ。

——だからさあ。
全員殺しちゃうの。私の怪獣で！

そうしたら、今度も止めにくる？グリッドマン。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆

ふふ、かーわいー。早くよくなるといーねえ。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆

……今日は響くんの匂いがする。

……雨。
雨は嫌い。外に出なくたって空気が水を含んで、頭が重くなる。全部壊したくなるのに、その衝動すら湿気て萎んでいくの。
遠い雨音に押さえつけられるみたいにベッドに深く沈んで。沈んで。その重苦しさに、——お姉様の名前を呼びたくなる。隣で手を握ってほしいって零しそうになる。いつかの夜に戻りたいって叫びそうになる。ようやく少し忘れたつもりになれたのに、こんな夜にはあまりに容易く思い出せてしまう。

だから、雨は嫌いよ。大嫌い。
鳥籠を壊したあの日からずっと。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆

雨の日はお姉様が何処にもいけないから、好きだった。
額に触れるつめたい手も、いつもよりは静かな声も、退屈そうなその瞳も、私だけのものだって——そのときだけは思えたから。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆

青く、青く、私の世界は水の色——ってね。

心機一転……するわけもない。
けどまあ、ひとまず書き溜めたぶんは終わりだ。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆

人間を分け隔てなく救う博麗の巫女おまえだからこそ、お前に私のことは救えない。
お前に恋をする私のことだけは、決して。

——なあ、霊夢。私にとっての恋とは探究心で、所有欲だった。
お前にとっての恋とはなんだったんだろうな。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆

私とお前の言葉は同じ音をしているだけの別物だった。哲学になるまでもない程明確な別物に、ただ同じ名前をつけていただけだ。