その心も暴き尽くしてしまえたら、きっと貴女を過去にできたのに。
そうでしょ、メリー。

決別したつもりの想いが、カナミと話す度にまた降り積もっていくのが辛い。いつまで過捕護このスキルを抑え込めるのかが怖い。結局なにも変われやしなかった『私』が許せない。
——だからもう、カナミも俺を許さないでくれ。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆

俺の弱さは此処に捨て続ける。
カナミにだけは、弱い『私』なんてもういないって言い続けるんだ。

全部嘘だよ、積み重ねた××してるもそれ以上でもそれ以下も、君に騙った言葉は何もかも。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆

忘れさせてくれる様子もなければ忘れる気もないのだけど、忘れてほしいとは思うし忘れたほうがよかったんじゃないかと自責したりはたまにしなくもない。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆

やっとの思いで引いた一線を華麗に無視する元彼女。
もう彼女がこれでいいならいいのかもしれない。嘘だけど。よくない。非常によろしくない。

何度でも繰り返そうぞ。妾が満足し尽くすまで、そうして妾の未練が消えるまで。
たとえ消えぬ想いと知っていようとも。
渦波はその為に落ちてきてくれたのであろう？——否、そうでなかったとしても構わぬ。そなたがなにを望もうと、ここから出るには妾と道を転げ落ちるしかないのだから。
なに、心配することはない。妾同様に狂ってしまえば、時間などすぐに加速して加速して加速して、幾度繰り返したかも思い出せなくなる。ここで停滞して壊れて笑うしかなくなる。
ふたりでこの迷宮の裏側にずっと暮らすのじゃ。このままごとの国の王と、そのただひとりの臣下として。百年は飽きずにいられるじゃろうて。その先だって厭きはせぬ。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆

この願いが誤っていたとして、大切なものを風化させてしまったゆえの間違った願いなのだとして、それのなにがいけない？