ご主人様のことは、私の『目』には捉え切れない。見えるせいで故郷を、友人を、■■を失ったのに。いまは、見えないせいでご主人様を失おうとしている。——だからもう、いいんです。見えないのなら焼き払って、炭にしてからゆっくりと照らし出します。かつて愛したその残骸を、いつかこの炎で。
……そんな顔をしないでください。悲しそうで、私と他のなにかを天秤にかけて、天秤にかけてしまう自分を嫌っている顔。私にだってその程度ならわかります。
私と、ラスティアラさん。そして、もっと遠くの誰か。ご主人様の天秤は、いつだって私以外の誰かに傾いていく。それが辛くて、憎くて、寂しくて。いつか置いて行かれてしまうのが、本当に怖かった。

だからもう、全部燃やして忘れましょう。
ご主人様を形作るなにもかも、その魂以外のなにもかも——燃えて、朽ちて、灰になれ。なにも要らない。全部を失って、迷子みたいな顔をした、あの日のご主人様がいれば。
私はもう、それだけでいい。

どんなによく似たおままごとを続けたって、時計は過去を刻まないのよ。わかってる。……わかってるけど。

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明るい闇の射す方へ。
私の夜はもう明けない。

ことあるごとにキノコを送りつけることでお馴染み、霧雨魔理沙だぜ！
送りつけすぎて若干一名キノコの魅力に取り憑かれたやつがいる気がするが、布教（物理）成功ってことでいいか？……ああ、もちろんその上のやつにもいずれ布教するつもりだ。なあに、キノコは空気感染するからな、本当に危ないやつは近くにいただけで中毒になるもんだ。
と、いうわけで……ちらちらと覗いちゃいたが挨拶するのは初めてか。すぐバレるとは思ってなかったのもあって反応が遅れたが、私も普段は勝手にぽろっと反応するタイプだ、いちいち拾うときりがないだろうから雑なくらいで丁度いい。
赤いやつのついでで気軽に仲良くしてくれると嬉しいぜ。そして赤いやつは益々よろしくな！今度私ともキノコ鍋しようぜ。

ここのところらしくもなく外交的なので反動で三年くらい引き篭りかねない。嘘だけど。……本当に嘘か？

2302.高校生探偵へ。

僕は人殺ししか殺してないので逮捕はやめてください。
改めて見返すと傷害やら殺人やら恐喝やら、犯罪と犯罪予告のオンパレードと化している気がする僕の日記だけど、その八割方は嘘でできている。残り二割は貴重な長瀬ラブ成分ということでひとつ。嘘だけど。二割もない。
その点八割以上はきっちりと惚気ている様子のそっちの日記に感嘆を禁じ得ないぜ。是非惚気方を教えてほしい。それなりに本気で。これからよろしく。ただし刑務所への招待は積極的に遠慮します。

——冒頭の発言が嘘かどうか？さあね。