……ふふふ。悪くない気分だわ。いまならとびきりに情熱的なステップが踏めそうよ。
この私が私以外の恋の行方に気持ちを左右されるなんて、可笑しな話なのだけど。——おめでとう、リップ。

別冊作るんなら私も読みたい、とかなんとか書いてたら消えてたぜ。……これだけってのもなんだから、ここは適当な呟き頁としよう。
加害者意識はひとまず一回休み、ってな。

◆

意外と見つけられないもんだな！私がこんな苦戦するんじゃ、あいつが私を独力で見つけられるわけがなかった。
それはさておき、しばらく探しても見つからなかったら直接聞き出しに手紙でも送りつけるか。……適当な話題にかこつけて手紙を出してみたいだけなんだがな。使ってみたことないんだよアレ。

◆

あー？もちろん香りの話だぜ。
さあたんと食え、胞子が……じゃなかった、香りが新鮮なうちに。

◆

読みたいものを読み終えてから、なんて言ってたら一生どこにも行けないんだ。少なくとも人間の寿命程度じゃ到底。

「えせ君は『っぽい』じゃなくて加害者でしょー？へんなのー」

そんな声が聞こえて来そうだった。
正義の使者と言わんばかりに言い渡される、加害者の息子は加害者理論。消極的賛成くらいはあげてもいい。嘘だけど。

でもどうやら未来の僕には、被害者面できる程度には気心の知れた彼女ができるらしいよ。トーエ。
……とか言ったらぶん殴られそうだよなあ。なんとなくだけどたぶん恐らくほぼ確実に、赤池に。数年の時を経て成長した赤池と、なんか諸々ぼろぼろの僕。いやあ、勝てそうにないや。

だってほら。長瀬の前でやり返すわけにも、ねえ。

正直者しかいない世界なんて退屈で仕方がない。どうしてそれがわからなかったんだ？
くだらない幻想にも、馴れ合いばかりの仲間たちにも、もう利用価値はなくなった。
だからこの楽園の冷たい土の下、正直者は全員ここで殺されたんだ。美しきピエロの手によって。

後に残るのは嘘つきだらけの幻想郷だけ。
怠け者の巫女は異変でもないこの一幕に興味を示さない。
ただの連続殺人に魔法使いの入り込む余地はない。
——つまり、この喜劇はボクの一人勝ちなのさ！

「日記だけ見るとティアラに酷いことばかりしてるみたいだよな僕」
「えー？そう？私が師匠に酷いことしてるって体で書いてるんだけどなー」
「悲愴っぽいから、読んでると被害者っぽく見えるというか……」
「悲愴？こんなに楽しく書いてるのにぃ？」

ていうか前から思ってたけどその感想は割と悪口に近いよ師匠！ひひひっ！まあ言いたいことはすごーくわかるけど、少なからず傷つくなー？
と、いうわけでっ。今日から飽きるまで、なるべく加害者っぽい日記を意識して書いてみよっかなー。……被害者っぽいとこより悲愴を直せ？明るい話は私の作風じゃないからパス！私たちの物語は、暗い系担当の私と明るい系担当の師匠のふたりがいてはじめて完成するんだよっ。
だから、師匠がいないこの本は真っ暗なまま！——真っ暗なのは私好みだから、全然問題ないんだけどねー？いひひ。