「先輩尊い……」
「今すぐ私の視界から消えてもらえる？不愉快だから」
「はあ……なんで先輩のことを語り明かしたいこんな夜に限ってこんな反抗期限凸最終再臨娘しかいないんですかあ？」
「どうして白野の寝顔を好きに眺めていられる至福の時間を小煩くて面倒臭い母親気取りに邪魔されなくてはならないの？」
「ちょーっとコミュニケーションでも図ろうかなー？と思うとコレですからね。我がエゴながら嫌になっちゃいます、ぶーぶー。もういいですぅー。このPB級の想いを3時間超の豪華総集編に仕上げてセンパイの寝起きにドッキリ4D上映しますから！」

ケータイ壊れそうなんだけど名残惜しくて機種変できない……でも壊れそうだから新しいの買った……。
んでね、新しいほうだとここの鍵が開けられないんだよー！なんでよー！
というわけで鍵開けよっと。こっちが壊れたらヤバいもん！

トオル？いやあーバレないってー。こういうとこ見なさそう。でも見られたら流石にバレるかもしんない。

Alle Liebe rostet nicht.
私の中の姉様はまだしばらくは錆び付かない。だけど、姉様の中の私はきっとすぐに錆びて朽ちてくれる。
だって姉様は、私より先に沈まれるのだから。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆

あは。姉様に嘘ばかり吐いてるなあ。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆

好きって伝えるのも、好きって言ってもらえるのを望むのも、私の我儘。
姉様はこんな我儘も笑ってお許しになるから、甘えてしまうの。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆

姉様の背中が見えないことがこんなにも怖いのなら、やっぱりあのとき一緒に沈んでしまえたらよかった。
見渡す限り真っ黒な海。
姉様のご指示がほしい。あの自信に溢れた声で私を呼んでほしい。行くわよプ＿リン＿ツ、って。そうしたら幾らだって走っていられるのに。

ちっぽけな流星は流れ終えて、残すのは花束だけだなんて宣言してみせた。
あとはここで殺し切れないものを箒で殴るだけだ。死なぬなら死ぬまで撃つぜこの恋符。

——なんてな。どうせ殺せやしない。そういうもんなんだろ、お前は。