（文字が消された跡）
忘れた時に、見返した時にそういえばそうだったなと言えるように

消したのに忘れたも何も無いだろうに……当時の俺は何をしているんだか…

相談出来る刀はちゃんと信頼出来る刀を選んで相談できる、写しにはできない事だ。多くを語らないのが長く話すコツだと言われた、確かにそうだと思う。誰も写しのことに興味はないんだろう、言わない方がいいに決まってる。言えないことが沢山あって素直だと本歌に言われる度、なんとも言えない気持ちになる。

「なんか暗くなったね、山姥切」
「そうか、特になにもないんだが…」
「何もないならいいけど」
「強いて言うなら大阪城を見飽きたことぐらいだろうか」

眠れないまま本を探しにここに来たら、俺の本が一振りの本棚に収まっていた。
驚いて何度見もしたし初めて検索をして間違えてないかと調べたが、本当に俺のだった。写しの本を入れて何がいいのやら…とは思うが本棚に入れているのもまた俺と同じ写し。せっかくだからと読んで、読み終えたのが今。
ありがとう、あんたは息災だろうか？何も無い写しの一冊だがあんたが読んで何かを思ったのなら幸いだ。
……嬉しさでこんなことを書くなんて、やめた方がいいのだろうか…いや、いい。書き直しはしないと作る時に決めただろう。ともかく、それだけなんだ。今ならなんだか寝れるような気がする

#しゃっくりが止まらない、俺が写しだからか？

湯浴み中に転んでしまった、何かと思えば床に見たことも無い透明の滑る何かが置いてあった、床に固定されている訳でもないし、かと言って滑りにくいようにされてる訳でもない。完全に悪戯だろう。……おかげで、心配して風呂を見に来た刀達に笑われてしまった。俺が写しだからか…？今日はもういい、寝よう

#気分を変えて上げてみる。次は床に気をつけよう

朝、髪が跳ねに跳ねていて本歌に山姥切の写しとしてもう少ししっかりしろと怒られてしまった。起きてすぐなのだから多少崩れててもいいだろうに……本歌は自分にも、俺にも厳しい。写しになんか期待しても無駄だと言うのに、あんたは自分と同じくらいを求める。嬉しいのやらめんどくさいのやら分からないな。