大阪城を踏破。最下層にて粟田口の長兄を発見、本丸へ帰還する。
なんてな。大阪城はとてもいいと思う、検非違使も出ない、練度をあげるいい場所だ。これを機会に俺も強くなりたい。……まだ、修行するには足りない。本歌に頼って貰えるようになれたら、きっと自信を持てるんだが…

#翌朝
寝れないまま、朝日を目にした。
暴力的な程に明るく、そして綺麗だった。この暴力的というのは比喩ではなく、一夜を寝ずに過した目にはよく刺さる。とてもじゃないが目を開けてられない。

とても退屈で、暇だ。俺はどうしたらいいんだろうか…内番を手伝いに行こうと思う。どうせ、写しなんかの手は要らないだろうがな。
そういえば、三日間の鍛刀結果どうだっただろうか。あんた達の本丸にも、鬼丸が居ればいいんだが……居なくても、まだ好機はある、諦めないで欲しい。主の友人はおそらきれいと言ってから、全く音沙汰がないそうだ。

！！本歌と、話せた。……喧嘩もせず、話せた。
すごく、すごく嬉しいな、兄弟。

覚えておこう、本歌との少しの時間を。

本丸に天下五剣が増えた。
あんた達の本丸には来ただろうか、鬼が来る予言は少し怖くもあるが……

寂しいなと、ふと思う。
本歌は確かに本歌で、俺の本歌。それは変わらない。
けど、本歌の心は唯一無二の恋刀に向けられていて、それはとても幸せな事だと思うし、本歌の恋路を祝福したい。……いや、している。幸せな話を聞くと、俺も、幸せな気持ちになる。

けど、それとこれとは別で、やはり寂しいものは寂しい。
だってどう足掻いても写しなんかが、本歌の、誰かの、一番にはなれやしないのだから。
きっとこれは寂しいんだと思う。

だからせめて、このどうしようも無いただの手記を見てるあんた達の幸せを、願ってる。写しには、それしかできない。

#こうして文字にすると、より寂しい