久々に顔を出して言うことがこれなのかとは思うが、本歌は綺麗だな。よく思う。万屋にでもいいから一緒に並んで歩きたい、仕立て屋への金子は用意する。

同位体のあんた、その気持ちはわかるがあんたの満足いく程連ねてないと思う。その点に関しては申し訳ない、鍛錬を欠かしてしまえば本歌の関心が逸れると思って時間をあまり取れてない。…あぁ、好いた刀がいるんだったか。どうか幸せになってくれ。

相変わらず不安定な天気でどうしたものか…それに影響されて本丸も不安定でよく洗濯物が乾かないと兄弟が困っていた。どうにかなればいいが、難しいかもしれない。
本歌は相変わらず俺の事を警戒しているのか、それとも嫌いなのか、表情が硬いままだ。それでもいい、他の刀と仲良く出来れば、それで。あんたが楽しいならなんでもいいんだ。

梅雨、錆びてしまうような生暖かい空気が流れる中本歌は鍛錬をしていた。大きい飴玉のような汗が流れ落ちていて、汗で滑りそうだなと場違いのように思っていたが、俺はただ眺めるだけだ。頃合を見計らって水を差し出したら取ると言うより奪われるの方が合うような強さで水を取って飲んでいた。あんたが倒れなければ、何も言われなくても構わない。
小さな声でありがとうと聞こえて、渡してよかったと思う。

眠たい。
1度出会った刀とまた演練で出会ったり、万屋でばったり会ったりと少しある縁を辿る力が俺にはあるのかもしれない。自分でも驚くくらい出会うから、そろそろ何かあるのかと疑いはじめてしまうかもしれない。
…本歌ともまた再会する縁があるんだろうか。

久方振りに拾った声は相変わらず耳に通って、心地よかった。
皆息災の様で嬉しかった、本歌とはあまり話せてないというか、俺がすぐ寝てしまうから。これも俺が写しだからか…。
ひいふうみい、四振りほど良く話す友刃を持てた気がする。せめて、その友刃らの行先が穏やかなものであることを祈る。俺なんかに、願われても嬉しくないとは思うが、それでも。