ステイルメイト

最近どうにも調子が悪い。
最近、がどの程度の期間だかもこんなところで暮らしているせいでよくわからなかったけど。お姉様が言うには半年くらいはだるそうにしているそうだ。それは私からすればたいした時間じゃなくても、咲夜からすれば大病を患ったように思えるらしく、お姉様からすればそもそも吸血鬼がこうも調子を崩すこと自体が異常事態に思えるらしい。後者は確かにそうかもしれない。咲夜はとりあえず、何回断っても毎夜おかゆを持って「食べさせて差し上げましょう」とか宣うのをやめてほしい。紅茶をブラッド薄めで淹れてくれるのは少しありがたいけど。

以前にも増してこの部屋から出てこなくなった私に、お姉様は色んな話をしてくれる。雲の隙間から見える青空が悔しい程に綺麗だったとか。吹き荒ぶ雪が視界を塞いで面倒だったとか。冬の夜空に咲く弾幕の華は格別だとか。
手土産のつもりか、時折持ってくる両手いっぱいの雪はすぐに溶けてしまう。
咲夜に時間を止めてもらえば永遠にそこにあるんだろうけど、私はそうしたくない。私は雪の、すぐになくなってしまうところが特に好きだから。
お姉様はせいぜい、毎日雪を持ってここに来て、そうして聞き飽きた土産話をしたら良い。

うーん。行間が詰まりすぎかな。後で調節しよう。