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794.寿司好きのシェパードとかき氷の森(保存)
 ┗177

177 :eたoいhちeょoうh(実/況)
2016/02/12(金) 22:22

>>169の続き。

「それがさ!き大っく将んが『たまには遊びに来いよ!』って言うからわざわざ理由作ってこっち来たんだよ!それなのに、部下のに稲ゃ野んちゃんのヘリに俺を押し込めてあの人どっか行っちゃったんだよ!」
そう言ったア虻ブさんはむくれていた。なんだろう。この人かなりの階級の筈なのにき大っく将んと同じくそんな雰囲気を感じさせない……良いことなのか悪いことなのか知らねえけど。
「ヘリに乗って何したんだ?」
意外にもあ軍ろ医まが乗ってきた。
「んー?救助訓練の真似事」
新型ヘリの使い心地とか部下の育成とか、そういう理由を付けてこっちに来たんだよね。そう言った彼の顔は思いの外ふざけておらず、きっとそれも大事な目的の一つだったんだろうと察せられた。
「俺は久しくヘリとか乗ってねえわ」
しみじみとあ軍ろ医まが言う。あ軍ろ医まが前線を離れてからそれなりの月日が流れている。き大っく将んもヘリコプターから降り、前線を離れて久しい。俺も新参兵だった頃が遠い昔のようだ。
「そう言えばア虻ブさん、ぺ眼ーぺ鏡ーのこと知ってます?」
話題を変えるためか、レ鼻トル声トさんが俺の同期の名前を出した。
「Pあ-しP?」
そう、Pあ-しPは俺の同期である。職種こそ別れたものの、新隊員教育時代はお互いに切磋琢磨し合った仲である。ア虻ブさんは心当たりがあったようで頷いた。
「あー彼ね。色々聞かれたからアドバイスしてあげたよ」
「そうですか」
「……どういうこと?」
あ軍ろ医まも俺と同じく二人の会話に着いていけなかったらしく、口を挟んだ。
「ぺ眼ーぺ鏡ーな、出撃中に足を怪我して手術するらしいんよ」
「……え」
「命に別状は無いみたいなんやけど、公務災害の申請がどうとか連絡が来てなあ」
「そうそう」
二人は顔を見合わせて頷いた。……全然知らなかった。いや、心配をかけまいとわざと連絡しなかったんだろう。Pあ-しPは足が速く、格闘でも綺麗な足技が得意だった。そんな取り柄の足を怪我して、平静で居られる訳が無かっただろう。俺は未だに五体満足だが、軍人なのだから怪我の後遺症や障害を持った人間は少なくない。そういう人間をあ軍ろ医まやア虻ブさんは俺以上に見てきて居るのだろう。レ鼻トル声トさんも死亡保険金の支払や遺族への手当やらで書類上で沢山見てきているに違いない。
「その、後遺症とかは」
「分かんない。詳しい話は聞いてないしー」
レ鼻トル声トさんがため息をついた。
「ぺ眼ーぺ鏡ーが治ったら、皆で飲みに行きましょうよ」
誰も返事をしなかったが、全員が同じ気持ちで頷いたのは言うまでもない。

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169 :eたoいhちeょoうh(実/況)
2016/02/01(月) 22:35

昼休み、駐屯地内をブラブラしてたら遠くで数人の人影があった。その内の一人があ軍ろ医まだと気が付いたが、面倒事に巻き込まれる予感がして俺は気付いてないフリをしようとした。が、それよりも早く相手は俺に気が付いたようで、こちらに手を振ってきた。俺は手を振り返してそっちに近付いた。
「おー、eたoいhちeょoうhさん」
「こんなすぐに皆と会えるって、この駐屯地狭すぎじゃなーい?」
居たのはレ鼻トル声トさんと、ア虻ブさんだった。ア虻ブさんはあ軍ろ医まと同時期に入った人間で、衛生科だ(だから俺とちょっと面識がある)。駐屯地内の医務室を拠点とするあ軍ろ医まと違って、ア虻ブさんは色んな駐屯地を転々とする派遣隊だった。と言いながらも、彼も幹部の中では相当偉い部類なので前線に出ることはほぼ無いだろうが。
「レ鼻トや声ん相変わらずなのー?」
「いや、まあ」
「ちょっと太ったんじゃない?」
「会計職種だからしょうがないんですよ」
二人はかなり親しげに話していた。話を聞くと、ア虻ブさんはレ鼻トル声トさんが新隊員の頃の教育隊長だったらしい。納得した。ぶっちゃけ、教育隊は滅茶苦茶厳しい(この話もいつかする)。その中で培われた絆とか尊敬の心は何年経っても忘れないものである。
「ア虻ブさんはこの駐屯地に何しに来たんですか?」
俺が聞くと、よくぞ聞いてくれたとばかりに彼は顔を近付けてきた。思わず一歩引いた。
「それがさ!き大っく将んが『たまには遊びに来いよ!』って言うからわざわざ理由作ってこっち来たんだよ!それなのに、部下のに稲ゃ野んちゃんのヘリに俺を押し込めてあの人どっか行っちゃったんだよ!」

ねむいので続きはまたこんど。