懐中仕掛けのファフロツキーズ

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┗懐中仕掛けのファフロツキーズ(57-61/80)

61 :英
01/10-13:32

稚拙ばかりの退屈な御伽噺にも甘美な毒を孕んだ蜜を秘めた花を咲かせると仮定したとして。もしも即興で間に合わせた寓話の蛹から羽化した替え難い真実だったと幾多の諸手を尽そうとも、己の存在を一度拮抗する不文律の尺度に当て嵌めてしまえば、後は均衡を保ちながら見て見ぬフリを器用に慣行している形容仕難い二柱と間を繋ぐ命綱とも言うべきこれまた形容仕難い根幹が一糸残らず断絶されて崩御するだけでしかない。対等の様でその実そうでは無い、他の何物にも成れやしねえ。特異点とはその様に在るべき脇役であり悪役でもある主役だった。ではその特異点とやらが己と対を為す存在を求めると一体どうなるか。破綻する前にそんな偶像が務まる該当者すら存在しない、と、答えなんざ最初から解り切っていた。雨水と花粉が入り交じって生まれた不純を知らない清楚な花蜜。至福の余りに花弁から溢れて垂れ落ちた雫粒は葉のクッションに救われる事で処女性を喪わずに済むが、見初められずに弾かれた憐れな雫粒だって当然存在する。一度地べたに這い蹲ってしまえば何もかもオシマイだ。第三者の介入によって強制的に０から再構築される憐憫の情を抱かずにはいられない最低の末路。風靡く蝶の翅音一つで全てが翻弄されてしまった脱落者。たった一箇所に設けられた分岐点で永劫別つ運命を辿った俺達が正にどうしようも無ェ落ちこぼれだった。そのくせどうしてこうもお前と俺との類似点が何故見当たらないのか。鉄錆びた忌々しい過去を馬鹿の一つ覚えみたいに皮羊紙に記録しながら闊歩する靴底の手入れが行き届いているかそうでないかで粗方のイレギュラーは割り切れるもんだと、理解の標識までは難無く経過出来るが同調の警告ともなると臆してＵターンをしてしまう。大器を背負わされた小物にお前の栄誉ある門出に笑顔で見送る当たり前の選択肢を手離した所業をまざまざと省みる達観など可能なはずも無かった。俺の足許は現実から踵を返すのも躊躇ってしまう程度には、赤黒く蠢く水溜まりで枯れた路草すら見えなくなっちまってから随分経つ。だから此処で茫然と立ち尽くすだけ。毒が無ければ薬が作れない理論と同じく所詮、御伽噺なんて現実ありきの戯論の寄せ集めに過ぎなかったんだ。けれど俺の傷口から滴る綺麗なモノを綺麗な儘で居させてくれる新緑の防波堤を腐らせた泥塗れの毒は、確かに蠱惑に満ちた甘さで思わず舐め啜らずにはいられなかった。そんな悲しい顔すんなって。あの日俺を完膚無きまでに汚しやがったお前の亡骸よりは、不味くて最後まで飲み干せたもんじゃ無かったさ。

[返][削][編]

60 :英
01/02-18:15

ガキの頃の自分を他の何かに置き換えるなら郭公の雛辺りが妥当だと思った。
可愛気とは無縁の、私利私欲の為ならばその他大勢の犠牲を価値観に揺らぐ天秤に乗せようともしない臆病風から連鎖される偏執的自己愛性を具現化した様な、詰まる所が性善説にも性悪説にも回帰出来る人間の劣化レプリカの様な。國としての覚悟が生半可だった分、御同類から見ればさぞや滑稽なクソガキだった事だろう。わざわざ俺自身が自己評価を下すまでも無く己を取り巻く奴等が、そんな下郎共で形成された環境が、全てのモノが不穏分子だと蹂躙と云う形で憂惧を喝破しようと躍起になる程の、謂うなれば諸／外／國の御墨付きだ、例外なんざ存りやしねえ。運良く面影のオの字無く塵芥と化してしまったとしてもだ、思考回路の断片に浮遊する残留思念へ縋り付き、挙句の果てには徐々に俺の全てを縛り上げながらズルズルと憑いて回るもんだから、搾取されずに残った唯のガラクタなんかにお前は哀惜の念を懐いちまう訳だ。仕組みとしては単純を極める。
自我を持たない頃から俺を初めとした各國から無条件に愛され順風満帆の歴／史しか歩んだ試しが無ェお前の事だ、各々の想いの丈を借貸の物差しで推し量りたくないと汚れを知らねえガキ特有の潔癖沁みた理想主義をカードに駄々を捏ねるのは目に見えているが、そうでもしなけりゃ馬鹿げた発想しか出来ねえ馬鹿には到底理解するに至らないと判断するには余りにも必要材料が揃い過ぎている。それでなくても見解を否定した瞬間、支離滅裂を振り翳す負け犬に成り下がる事実までどんなに下手な小細工を打って惨めったらしく足掻こうが、距離感やら温度差と云ったくだらねえ尺度の檻から脱却出来ない限り俺とお前を隔てる障壁は余りにも堅牢で叩くだけ自分の手を傷付けちまうだけだろうな。それでも世／界を救いたければ余計な虚飾を棄てて、自分自身の手を取ってくれよ。俺だって本当は温もりを触れたくて、感じたくて堪らない。だがそんな劣情に苛まされようが、悲しいかな俺の手は無理に殼を叩き割ろうとした報いを受けてもう何処かで削ぎ落としちまったんだ。惨めな自分自身の生い立ちを上書きしたくてお前に俺のドス黒く淪落した渇仰を刷り込ませたはずなのに。何をするにも俺の足許にぴったりと寄り添い離れねえ様に着いて回る、そんな風にお前を喰い物にしたはずだったのに。肝心のお前と来たら、俺の手なんか握らず全部一人で成し遂げやがって、結局最後は俺だけを置いてきぼりにしやがって。無我夢中で心血を注いだ分、余計に惨めな有様になっちまったじゃねえか。ほら見ろよ、自らの掌で踊り狂う天然モノの道化の完成だ。笑えるだろ？何時もみたいに笑い飛ばしてくれよ。頼む、お願いだ。
それでも咄嗟に取り繕ってしまうのは、あいつの兄として努めた故の名残からか。今にも決壊しそうな本音を必死に喉元へと押し戻して、最早誰の眼に留まろうとも上ッ面の虚勢でしかないと知れた自尊心が最後の砦だと過信する余り、後先を考えず盲目的に縋り続ける情けなさも白日の下に晒されてしまい、尊厳など疾うに喪失したってのに。

郭公の習性を知った上で包含な鴛鴦に成ろうと無茶振りを寄越した世間知らずな九官鳥の夢見がちな懇請とやらも面白そうだし飽きるまでは付き合ってやると。懐かしいな、冷えた金属越しの世／界が全てだったお前の些細な本音から始まり形勢逆転しちまって幾世を跨いだのだろうか。卒啄の儀を放棄した赦されざる愚行。過保護とネグレクトの道理が反転してしまった憐れな親鳥の偏執的な佶屈思想たるや、拾われ子であるお前自身が一番良く理解しているくせに。前ばかりを見て他者を知らず腰巾着を篩に掛けるお前が、網目にすら乗っかれずに脱落した俺と再び歩調を合わせる必要が一体何処に有るってんだか。ああもう、本当に馬鹿じゃねえのか、あいつは。常に最先端を見据えるお前とは違って暇を逃し癒着した脱殻を未練がましく着込んでいる時点で進歩も何も無い俺の一部分なんだから当たり前か。それでも恩を仇で返し純銀製の古巣を棄てたお前に餞別をくれてやれる円熟した人格者は装えねえだろう。お前と鴛鴦に成る夢を観たのが悪いのだと詰る正論には悪いが耳を塞ぐ心算だ。代りと言えばアレだが、今度はお前が文句を言わない様に一回り大きめの鳥籠を誂えてやるよ。だから何時までもつまらねえ意地張ってねえでボロボロに汚れちまってやがる見窄らしい羽根、綺麗に成るまで休んでけ。そう言える日はもうやって来ないのだろう、燦々と煌めく白日を横切る様に雄々しく雲居を雁る羽ばたきを仰ぐ度に思い知らされる。俺の見立て通り九官鳥の儘で居てくれたのなら、或いは。
不毛な憧憬を腹の奥底へと仕舞い込んで、飛べない郭公は大空へ連れ出そうと手を差し伸べる若りし燕に乞い焦がれ、燻る内懐の慕を悟られるまいと同じ手で払い除けた。

[返][削][編]

59 :仏
12/13-15:49

人間の真似事に余念が無い俺達は所詮、質量を伴った精密なホログラムに過ぎないだか何だかと折角の穏やかな一時を可憐に華麗にブチ壊してくれた何処かの誰かさんが自嘲気味に吹聴した美しさの断片すら無い戯言だけれど、お兄さん、久し振りにテーブルを挟んでお前と真正面から向き合いたくなったわ。もしも本当に木漏れ日を受けて綺羅に輝く小川の流麗なせせらぎや活気に満ちた雑踏を足繁く奏でる人々を結ぶ交差点。そんなあらゆる有機無機の全てを取り零すヘマなんてしないよって優しく包括するこの世／界が、御粗末な毒々しさだけがウリの人工的な蘚色で誤魔化されている電子の海みたいにゼロとユヌのみで味気無く構築でもされちゃってたら、俺達はこうも自発的に泣いたり笑ったり、時には取り返しが付かない程の過ちを犯したりなんて現実、御目に掛かれないと思うよ。それにお兄さんの十八番でもある無形のハンデを背負わされて尚も末広がりの躍動を魅せ続けるドゥとトロワの存在について一体どんな説明を御披露目してくれるのか見物だねえ。天地と人間とでゼロとユヌとの二元化ほぼ全てのウェイトを占める不落の大前提が揃えば、後は愛と愛を生み出す心と云う機関なんてモノは一括りに暗黒物質扱いに決まってるだろって、それこそ根拠の片鱗自体が暗黒物質で賄われた付け焼き刃が痛わしい啖呵でも切りそうなお前には、「はあ、全く以てナンセンスに満ち溢れた矛盾っ振りだねえ耳を傾けているこっちが嘆かわしい気分に浸れちゃう」…って小粋な反証くらいはしても当然罰なんて当たらないよな。そうと分れば後でもっと美辞麗句で飾り立てた諫言を言ってやろうじゃないの。でもでも最後の踏ん切りが着くそれまでの間、ちょっとストライキして来るわ。敢えて後回しにする理由？…そうだな、お前の煎れた紅茶が不覚にもおかわりしたくなるくらいに英気が萎んじまったって事にしておいてくれない？心配しなくても倫理観の食い違いの彼是について肉体言語を交えた押し問答の鬩ぎ合いに白熱しようにも、お前の無自覚の先手で何もかも全てがどうでも良くなっちまっただなんて云う不測の事態、馬鹿正直に答えたってお前も反応に困るか苦虫を噛み潰す辛酸に狼狽する顰めっ面が拝めるだろうし、俺に到っては思わず口許を押さえて舌先三寸まで含めた全部の声帯器官を直ぐにでも墓場まで持って埋めたくなる耄碌発言に違いは無い訳よ。だから今回は開幕前から泥仕合にしておいてさ、アールグレイの茶葉による加護を受けた純朴なる彼のオンディーヌの預言導かれるままに痛み分けと云う形で双方共に不戦勝不戦敗にしとこうぜ。勿論、俺達が言葉遊びに耽けているこの瞬間ですら、やっぱり俺達はＣ言語の一文字に我が身の全てが左右されてしまう朧気でペラペラな光学の積木遊びとは違って、しっかり足裏を地に張り着かせて酸素を糧に二酸化炭素へと還元する作業を知らず知らず勤しんでいる限り、お兄さんは敗けた気もお前に勝ちを譲ったつもりも一切合切有るはずが無い。当たり前だろう？お前の目尻と口角がほんの少ぉし綻んでいるのが俺の主張を確信へと裏付ける何よりの証拠さ。なあ、可愛らしい坊っちゃん。極上の一杯に対するこちらからの返礼、廃棄扱いされずに受け取って貰えた様で嬉しいよ。

[返][削][編]

58 :普
12/04-18:28

なるべくしてなっちまった現状に不満を抱いてんならよ、自ら勇んで表舞台に名乗りを上げて流れを変える気概ってもんを見せてみろ。それが出来なくて何が旧き好き、だ。
そうやってな、テメェが懐かしむ常世の盲信の実現を在るが侭に鵜呑みにしちまった馬鹿みてえな妄執に草臥れながら、何時までも実利もクソも無ェ懐古に浸るだけ浸りやがって恰も自分が正しいんですっつうみてえに他力本願を決め込む姿勢を頑として崩しやがらねえ順応性皆無の甘ったれた野郎は、一生ホコリ臭ッせえ舞台裏に引き籠って指でも銜えて恨めしく傍観してんのが御似合いだろうよ。時間ってのは恐ろしく平等だ。どんなに水と肥料を与えて現状維持に励もうが何時かは土地も痩せ細り、我欲の分だけテコ入れされた安っぺえ恩恵を回す循環器だってオシャカになっちまう。パイプが途絶えりゃ後は連なる様に木々も人々も等しく朽ち果てるモンだ。俺様の日記を読み直さねえ奴でも流天動地なんざ今に始まった事じゃねえと理解してやがるクセに、偉大なる先人サマから頂戴した箍が外れたしっぺ返しから生き延びる為のイロハを敢えて手放した意固地な阿呆に付ける薬なんざこっちが御教鞭願いてえ程だっての。
ああクソ。日陰者同士死なば諸共精神に殉ずる毎日とか悪趣味過ぎてマジでやってらんねえわ。どうせなら俺も親父探しに往きゃ良かったな。そんで一発ブン殴られてこれが現実だと再認識出来るまで鍛え直してえ。

[返][削][編]

57 :英
11/28-22:39

感情の取捨選択をしくじった際に御目に掛かる厄介な発作、面倒なのでここではヒステリーとでも名付けておこう。化けの皮を剥がされる痛みに堪え兼ねたのか、御世辞にも秀外恵中な思慮を装填しているとは到底呼べなくなってしまわれたレディだけは、流石の俺も扱いに右往左往しちまう。脆さだけがウリの理性と云う代物を決壊させるにはアルコール摂取が効果覿面。しかしガードを甘くする為に盛ったつもりの一服によって、本能の要らぬ隅まで衝いてしまったのは完全な誤算だった。酒気の毒牙に苛まされた被害者の道連れ要員に選ばれるのは勘弁願いたい所なんだが、体裁を乱した元凶は紛れもなく俺自身なので当然ながら鰾膠も無く。兎にも角にも女を女と語る上で、必要不可欠な要素が愛とするならば愛を素地とする女の原動力の一部を担うのは嫉妬であると瞬く間に御触れが渡り、真実味から匙を投げられた讒言を地盤に据えた鬱陶しい俗世間では、概ね意見が合致している様なのが不愉快なだけの本場仕込みらしからぬ皮肉だよな。しっかしまあ皮肉の出来不出来以前の問題として、肝心の根拠なんて何一つすら持たねえ見解を押し通すには、些か男女間に於て等分されるべき負荷が一方に偏り過ぎているのではないか、などと他人事ながら人並みな心配を反射的にしてしまうのは、世／界に誇るべき英／国／紳／士の基本思想たる所以だ。現状をハッキリさせておくとだ、俺は冷えたグラス一杯に注がれたエールを漸く一口煽ったばかりで間違ってもレディとマニュアル化された灰汁塗れの恋愛論に饒舌を捧げている訳では決して無い上に、それにしても此処は一々金切り声が煩わしくて堪らねえ。ヒステリックに冒され淑やかさと一切を放棄した奴の一部始終を観察しながら、これがもし発狂している渦中の人物が普段は清廉潔白なレディならばどんなにマシだった事だろうか、などと不毛を手土産に現実逃避へのドアノブを必死に掴んじまっているのも、俺と同じ性別に区分されているはずの奴等が御丁寧に揃いも揃って女と酷似した思考回路を有していやがる災難が発覚した辺りかもしれないし、そうでないのかもしれない。どちらに転ぼうが、いよいよ他人事では済まされなくなったと溜息を溢しているのも、正に今現在に於て襲来したばかりの後悔による産物な訳で、俺が打つ後手に何ら影響を受けずに済むのは不幸中の幸いだろう。試しに後手に回るならこうだ。他愛無ェ言葉遊びで舌が火傷しちまったのは百歩譲って己の非だとは認めてやるが、そもそも嫉妬心が無いから愛が無いのだとネガティブが赴くままに直結しちまうその馬鹿馬鹿しい短絡的思考を先ずはどうにかするべきなんじゃねえのか。お前が帰結点に定めている愛なんざ、掘り返せば単なる物入れに近いアプリオリじゃねえか。親やら友やら性やらつったアポステリオリから成る附属品が無ェとクソの役にも立たねえ胡散臭いガラクタのクセに、何であんなに神聖視されているのか譬え一生涯を以てしても解るはずが無ェし解りたくもねえな。あんな粗悪品に傅かねえと自活すら儘為らなくなっちまうぐらいなら、ソレだけで自発的活動を果す恋なんて代物に跪く方が、信頼が持てる分余程賢明な選択だと思うもんだが。恋は尊い、だがその尊さを本当の意義を以て体現出来るのはほんの一瞬だ。だからこそ何時までも尊いのだろう。薄汚ェ過大評価にプレスされてやがる愛なんざ、所詮は粗大ゴミから濾過された不純物でしかない嫉妬にヤられ、純粋な恋煩いの平衡感覚を喪った奴等の哀れな言い訳だとは思わねえか。ああ、そうか。思うからこそ意識を混濁させても尚、酩酊に舌鼓を打つ俺と相対していられるんだったな。愛が万物を仕上げるスパイスだと無頼に振り翳して無意味に人々を煽り立てる無知共に唾を吐いて忌避したくても、腹の奥底で嘶く嫉妬心の所為で単純に振り切れねえってだけで、本当は俺と一緒に居たいのなら安穏まで慶んでエスコートをさせて頂こうじゃねえか。それではこの馬鹿らしい乱痴気騒ぎの中で偉大なる我が同胞に巡り遇えた奇蹟を祝し、今以上の下らねえ喪失感に苛まされぬ誓いを遍く虚空へと掲げ、コルク栓の祝砲をバックに恋に焦がれる延命措置を続けよう。さあ、御手をどうぞ、レディ・『』。

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