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┗お前には教えない。(52-56/111)

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56 :
01/24-23:31


アイツを待つ時間。
実はあんまり得意じゃない。








どうしてか悪い方にばっかり行く俺の思考。
嫌われてないかとか、何か気に障っちまったんじゃないかとか。
そんな気持ちでそわそわと待つ俺の元に、アイツはふらりと現れる。

一声。たった一声聞いただけで溶ける心の不安に、俺は本気でアイツが好きなんだと毎回実感させられてるんだよね。

困ったもんで、この気持ちは簡単に鎮まりそうにない。
だから、今日もお前の帰りを待ちながら時間を弄ぶ。


(何時に会いに来てくれるか、こっそり賭けてみようか)








0:51追記

…夜のテンションって本当恐いっつーか、なんでかアイツには想いが隠せないっつーか……!!凄いこと口走った気がするわ。
あー、引かれそう。

[][][]

55 :
01/23-19:31

日記は消さない、破かないっていうのはここが見付かったときにアイツに宣言した言葉。

なんだけどさ!!
冷静になって日記読み返して思ったんだけど、俺ってばアイツに調教されてない…?
お兄さんってば見事にほだされて受け入れてたけど……!!
思わず消しかけちまった。…なんでって恥ずかしかったんだよ。




でも。






昨日と同じ展開。
ああ、なんなんだよ。なんて胃に溜まり出す不快感に髪を耳へとかけた。
と、不意に走る痛み。

その痛みの元は今朝のアイツの残した‘傷’
痛みと共に広がるのはアイツの言葉とその表情。

アーサー、まんまと俺はお前のまじないにかかっちまったみたいだよ。


不快感は消えて、残るのはアイツへの愛しさ。

確かに見事なまじないだけど、1つだけ副作用があるのをお前は気付いてる?


お前に会いたい気持ちが、はち切れそうな程膨らんじまった。



(俺の心を、お前は見事に掴んでる)

[][][]

54 :
01/23-05:53


落ち込んでた
…お前の声を聞くまでは。





                  
弱ってるなと、言いながらアイツが胸を貸してくれるもんだからそこに身を任せて、アイツの香りを堪能した。
殴るでもなく拒絶するでもなく腕に収まるアイツに甘い時を感じたのも束の間、おまじないをしてやると笑顔と共に耳へと寄せられた唇に俺は動きを止めてしまって

甘く、甘く唇の感触を耳朶に感じた刹那
酷く噛まれた。

それこそ痛みに声を上げるほどで、どこがおまじないなんだと文句を言いかけた俺へのアイツの返答に、また俺は言葉を失ってしまった。


#痛みは、痛みでしか上書き出来ないだろ?心の痛みがあるなら、この身体の痛みで消してやる。…俺の付けた傷なら、良いだろ?


全ての感情を、アイツに持っていかれた。
辛さも悲しみも、困惑も痛みさえも。

当然否定なんか出来る訳もなくて。それでも幸せだと認めるのが癪だった俺への、追い討ち。

#弱ってるのも嫌いじゃねーけど…それが俺以外の誰かのせいなのは嫌だ。…って…思った。


体の芯から、炭酸の泡みたいに沸き上がる愛しいと言う感情。
なんで、なんでこんなにもお前は俺の心を掴んで離さないんだろうね。


忠犬みたいに待つのは柄じゃないけど、ご褒美も貰った俺は、今日こそアイツの帰りを大人しく待つよ。


…とっくに俺は、いつでもお前の事で頭が一杯なんだけどね?
(それだけ秘密にしたのは、小さなプライド故)

[][][]

53 :
01/22-17:08

確実に俺に当てての言葉じゃないの!?そうじゃないの!?って思ったんだけど。お兄さんも誰とは言わないけどね!
……俺は絶対Mには目覚めないからな!

どこぞの仙人にあてて、こっそりと。





昨日、米が遊びに来たんだよね。
なんでも素直になれないアイツの代わりとかいって。

事の発端は昨日の夕方。
待っていてくれ、といったアイツが深夜まで会いに来ないもんだから業を煮やして声をかけたら不安にさせちまったらしくて。
それ以前にもアイツが何か含んだ言い方をするから、それを問い詰めた結果の米登場。

俺の代わりに、西を出迎えに出したんだけど、その中で交わされた言葉は新しいアイツを教えてくれた。

これからも、色々なアイツを知っていきたい。今度はアイツの口から、アイツの言葉で。



(やっぱり米は、アイツに似てたけど!)










22:35追記

胃にどんよりと溜まる不快感。
拭うのは簡単じゃなくて、吐き出すのは叶わなくて。

唯一、アイツの声がそれを拭ってくれる。
ああ。早く会いたい。早く、早く。

そんな我が儘、面と向かって言えるわけないけど。

だから、瞳を閉じてアイツを待つ。
少しでも気が紛れるように、脳裏にはアイツの姿を描いて。




(会いたい、)

[][][]

52 :
01/21-19:11


初めてアイツが言葉を残してくれた事に、嬉しさが隠せない。
不思議なもんで、自分の日記なのにアイツの言葉が残ると、そこはもう大切な1ページになっちまう。



昨日、この日記帳に言葉を残して良いのかと尋ねたアイツに遠慮なんかするなと返したら

#…乱入するにはお前、惚気すぎなんだよ恥ずかしい…!

なんて言われちまった。俺としては素直な気持ちを書いてるだけなんだけどね。
でも、恥ずかしがるアイツを見れたのはかなりのお得感。

今までこの日記帳についてアイツが何か感想を言ったことは無かったし、昨日の話の中でのアイツの言葉は俺の気持ちを浮き足立たせた。

それに、もうひとつ。
少しアイツが打ち明けてくれた話が、俺は凄く嬉しくて。

自分を好きになった事は無いとアイツは言っていたけど、それならアイツが嫌いなアイツ自身さえも俺が愛しちまおう。
少なくとも、俺はアイツの口の悪さだって、少し乱暴な所でさえも愛しくてたまらない。





俺を正面から見つめてくるあの瞳が、本当言うと好き。

意思を宿した様に強く、偽り無くこちらを見るその瞳も。
人になんか関心が無さそうに見えて、体を寄せる素振りも。
他に関心を寄せた俺に不満げに言葉を投げ掛ける様も。
どれもこれも、お前を愛しく思う一因になってる。

お前が昨日言ってたけど、俺だって恋に恋してる訳でも恋に盲目になってる訳でも無い。


それでも。



お前の何処が好きか?
そんなの答えられるわけ無い。だって俺はこんなに、お前の全てを愛しく想ってるんだからさ。




(お前が、好きだよ)

[][][]

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