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Ringwanderung
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193 :
02/06-18:59

#20150206 18:59 - Leben -
彼奴を見送って仮眠から目を覚ませば、外はすっかり暗闇に包まれていた。突発的だが、明日は休みになった。与えられた束の間の休息とやらに何をしようかと考えれば、大してやる事もないのに気付く。読書でもしよう。ならば、クーヘンを用意して…うむ、また紅茶でも淹れよう。好きな音楽をかけて、先日貰ったアロ_マキャンドルというものも使ってみるとしよう。

>此処の所、
ずっと彼奴にはいつもに増して心配を掛けているのではないか、と思ってならない。此れが単なる俺の自惚れに過ぎんのならばそれで良いに越した事はないが、時々分からなくなるんだ。お前が一体何を想っているのか。感情をまた溜め込んだりはしていないか。気を遣ってまた飲み込んでいるんじゃないだろうか。59務を終えて帰宅しても、考えるのはこんな事ばかりだ。
#お前だって大変なんだろう、アーサー。

  - Ich mache mir Sorgen um dich. -
      (  I'm worried about you. )

[][][]

195 :
02/07-23:30

#20150207 23:30 - Leben -
突発的に与えられた休日の始まりはいつもとさして変わり映えしなかった。洗濯と簡単に掃除を済ませ、朝食は余っていたバケットでチーズトースト。実に代わり映えのない時間。彼奴の帰りを待つ間、久方振りにゲー/ムをやってみたのだが、流石に手首から親指やら人差し指を固定された状態ではやりにくいものだな。早々に諦めて読書をしようかと思い始めた所で、彼奴が帰ってきた。

>彼奴が休んでいる間は、
やはりやることもなく、ただ読書をしていた。フランシスの所の奴が綴った「幸/福/論」についての93の断章からなる本を読んでいた。彼の綴る言葉が素直に脳に響くのは、おそらく今の俺が精神的に安定しているからだろうな。

>見舞いのつもりだろうか。
玄関のドアノブに紙袋に入れられた菓子と本が届いていた。ローデリヒに違いない。声を掛けてくれればいいものを、変な奴だ。因みに本は「幸/福な王/子」を含む幾つかの物語からなる短編集だった。兼ねてより貸して欲しいと言っていたものだ。有難く読ませてもらった。

>彼奴が仮眠から目覚めてから、
#彼奴が明かした数ヶ月先に訪れる未来の事。
未来は案外と足早に近付いてくる、いや…俺たちが駆け足で向かっているのかもしれん。通るべき道があるのなら、其れに準ずる他ない。だが、それは終着点では無いのだから、俺は更に先のお前との約束の為に、前に進もう。笑って共にあの薔/薇園に行ける日を待ち侘びて、明日からの59務に励むとしよう。

それから約束は守るから安心してくれ。
何より約束とは守る為に交わすことだからな。
お前を悲しませたりはしない。

Sowohl Morgen, als auch Übermorgen.
Ich möchte dein Lächeln sehen.
Lachen mal.
#お前がいつでも笑って過ごせる事を願う。
>Du fehlst mir, Arthur.
>Gute Nacht.

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196 :
02/08-23:41

#20150208 23:40 - Leben -
始まってしまえば59務の時間などあっという間で、帰宅すれば彼奴が出迎えてくれる。幸せな日常、いつの間にか当たり前になっていた。手離したくはない。簡単に手放せるものではない。寒い時ほど寄り添っていたいと思うんだ。お前にずっと触れていたい、アーサー。馬鹿と笑われるだろうか。其れでも構わん、お前の熱を感じて眠りたい気分だ。もう眠ってしまったが、寄り添って眠るぐらいは許されるだろう。どの道、俺の目覚めの方が早い。きっとキスをしたってお前は気付かないかもしれんな。寝顔さえ愛おしい。不思議なものだな、こんなにも執着してしまうとは…愛とは本当に予測不可能だ。自分自身の感情さえ、もうとっくに想定の範囲を超えてしまったのだからな。


>少しばかりの独り言を残す。
お前がもし立ち止まりたくなったのなら、其処で少し休めばいい。その時は、遠慮無く俺の肩を使ってくれ。その代わりと言っては何だが…もしも俺が前へ進めなくなってしまった時は、お前の肩を貸して欲しい。俺たちは少しずつ肩を預け合って歩んで行こう。

>話しは変わってしまうが今朝は変な夢を見た。
夢の中の俺は酷く喉が渇き、酷く血に飢えていた。其れはまるで伝承の吸/血/鬼の如く。渇ききった体は時折俺の視界にチカチカと光が弾けるような幻覚を見せ、耐え切れなくなった俺は傍らの女性の血を喰らい…と言うところで目が覚めた。夢に理由があるのならば、一体どんな理由があるのだろう。いつかまた尋ねてみよう。
#考察は其れからだ。

[][][]

197 :
02/10-06:41

#02150211 1:35  - Leben -
只今、帰宅した。お前はきっと夢の中だろう。流石にこの時間の冷え込みはいつもに増して厳しいようだ。吐く息が白く煙り、吸った空気は肺を刺すように酷く冷たい。
>お前の体温が恋しくなるな。

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198 :
02/13-06:44

#02150213 23:35  - Leben -
彼奴はちゃんと眠れただろうか。
人の心配の前に自分の心配を…と言ったところで、聞く様な奴では無いのは百も承知だが、何時だって優先的に考えてしまうのは自己よりもお前なんだ。きっとお前もそうなんだろうな。過去にお前に、
” お前は俺の心配より自分の心配をしろ ”
と俺の言葉と同じことを言われたのだからな。

>今日は特に静かな夜だ。
そう思うのは、ただ俺が音を意識したからなのか、其れとも本当に何時もよりも静かなだけなのか。きっと此れは前者だろう。そんな夜はまた、何時ものように音で紡がれた檻に閉じ籠る。

>愛の喜/び と 愛の哀/しみ
( Liebesfre/ud und Lie/besleid )
ヴァイオリンのための曲であるが、ピアノのために編曲が成された曲だ。前者は名の通り、とても軽やかで分かりやすい…真っ直ぐに恋する能天気な姿を容易に想像出来る曲だが、対照的に後者は決して前者の様な分かりやすさは無い。Liebesleid…つまりは「苦悩」。単純に誰かを愛するわけではなく、その愛の中にも苦悩がある事を良く表している。題名からすれば失った愛の曲の様にも思うが、俺には別の情景が浮かぶ。
#愛しているが上手く届かず、ただ胸が苦しい。
そう思えて仕方が無い。相対する曲だが、何方も素晴らしい名曲だ。何方かと言えば…俺は後者が好きだ。

何故馴染みの無いこの曲の名を知っているのか、と聞かれれば其れは、間違い無くローデリヒの奏でるピアノを聴いていた影響だろうな。俺は兄貴の様にあまり音楽は詳しくはない。だが、興味はある。

#何時の時代も人の手が作り上げたモノは美しい

だからだろうか。
俺はその音に、その文に、その情景に、
強く惹かれるんだ。

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