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Ringwanderung
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368 :
独◇
03/03-23:46
#20160303 23:46 - Leben -
先日の手記は、結局、後に手を付けることなく今日に至ってしまった。此処のところ、有言実行という言葉とは無縁な俺だが…らしくない、と皆は言うのだろうな。俺もそう思うところだ。やると決めたことは、きっちりと計画を立て、実行してきた筈だったが、気が付けば59務に追われ、其れを理由にして怠けていた。此れは紛れもなく、ただの自分への言い訳だ。
>こんな反省文など誰も望んではいないだろう。
#ただいま戻ったぞ。
そういったところで、どれくらいの奴が俺に気付いてくれるかは多少なりとも疑問に思ってしまう。久しく眺めた此処の本棚に連なる手記たちの背表紙…大分、見慣れない名が目立つ。体感時間というものは、実に当てにならんということか。俺からしてみれば、この数か月の時間などまるで数週間の出来事のような気がしている。
>実際はもう何か月も前らしい。
菊のところの童話に似たような話があったな…嗚呼、なんて言っただろうか。そうは言ったものの変わらぬ顔が、変わらぬ言葉で手記を綴っていることも事実。大したことではないのかもしれんが、俺は何故かそれが堪らなく嬉しい。完全復帰、とまでは言い切れんが…少しは顔を出せたらと思っている。
#そして、最愛へ
此れはもう一頁に筆を走らせることにしよう。
#Geteiltes Leid ist halbes Leid.
初心に還り、今此処にあの頃の言葉を記す。
此処からまた歩き出そうと思う。
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369 :
独
03/03-23:46
#20170303 23:59 - Leben -
俺が此の頁を確保したまま時が過ぎて、今日で1年が経ってしまった。最愛とはずっと連絡を取っていない。なかなか連絡が出来ない日々が続き、思えば声の掛け方が分からなくなってしまった。全くもって自分勝手で不甲斐ない男だと俺自身、一番情けなく思う。そして、一番情けないのは謝罪する事もせず、此処に言葉を書き連ねているという現状だろう。愛せども、最愛と呼ぶ資格すら、きっと今の俺にはないのだろうな。お前ももう此処へは足を運んでは居ないのだろう。浮かぶのは憶測ばかりだ。
今更、お前に連絡を取ったところで困らせるだけなのではないか、そう考えて時間だけが流れていく。
如何するべきか。
今もまだ考えている。
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370 :
独◇
06/07-20:58
#20180607 20:58 -Leben-
久しくこの本棚へ足を踏み入れてはいなかった。昔から馴染みの本も有れば新しいものも見受けられる。どちらにせよ、いつの日も恋人たちで溢れているように思うな。俺と空腹英の関係はといえば長らく俺の留守が続いたせいで、今ではもうどう表現すべきかよく分からなくなってしまった。
彼奴をどう思うかと言われれば、俺は出逢った頃と変わらぬ感情を抱いている。しかし、年明けから今日まで連絡の一つも入れなかった手前、戯言のように思われるだろうがな。
>彼奴から離れていた間の話をしよう。
少しばかり時間が出来たと思った束の間、結局俺は再び忙しない日々に引き戻され59務に明け暮れていた。そんな日々の中にも彼奴の名残は凡ゆる場所に散らばっていて、彼奴の好きな紅茶も音楽も花もいつか見た風景までもが突然呼び起こされるんだ。
#まるで何かの呪いにかかったようだった。
彼奴に縋るこの手を離せたのなら、
どんなに楽だろうかとさえ考えるが、
今の俺には到底出来そうにない。
>深みへと嵌った代償か
彼奴と出逢い年を重ねる毎に俺は面倒な男へと成り下がっていったように思う。恐らく其れは前の手記を遡れば一目瞭然だ。いつ何時も優しく迎えてくれる彼奴への甘え以外の何者でもないこの事実に、俺自身、それが反吐が出そうな程嫌になる。
>そして、
お前と出逢った季節がまたやって来た。この季節が巡るとき、お前は俺を思い出してくれるのだろうか。お前の心にまだ俺の帰る場所はあるのだろうか。
#それを実際にお前に問えぬ俺は弱い。
思えば最近の俺はいつも自分の事ばかりだった。
本当に彼奴に伝えたいことはこんなことではないというのに、上手く此処へすら書き記すことができない。それでも俺は、性懲りもなくまた此処に想いを綴り続けるだろう。
>お前の手記が俺にそうしてくれたように、
しかし今日は長く書き過ぎてしまった。
#本日の手記はこれまでとする。
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371 :
独◇
06/08-22:15
#20180608 22:15 -Leben-
>はじめに連日の更新失礼する。
此処も昔ほど日記が上がらないせいか少し躊躇はしたが他が上がった上にまた乗ってしまうよりはまだ良いだろうと勝手に判断し、更新に至ったことを明記しておこう。
#以下は手記本文だ#
今日は休息日だ。朝から家事諸々を済ませ、午後はゆっくりと今まで最愛と交わしてきた手紙や互いの手記を読んでいた。思えば先に手記を書き出したのは最愛だった。気が付けば俺の手記の方が分厚くなってしまったようだが、少しは最愛へこの想いを届ける事が出来たのだろうか。
>俺が手記を綴るきっかけも最愛だった。
最愛と出逢った頃は感情表現の乏しさと口下手さが非常に目立つ男だった俺が、少しでもお前に素直な気持ちを送るために始めたのがこの手記だった。今はどうだろうか…言い訳や謝罪の数々、これではただの反省文を見ているようだ。他者や彼奴が見ていて気分の良いものでは決してないだろう。
いつからかこんな風になってしまった。
昔はもっと活気があったはずだが、全ては不在にした俺のせいだと言えるだろう。今日、久々に本棚の整理もしたんだがなくなっている本も多かったように思う。皆に感謝を伝えられなかったことが悔やまれる。
>今日、最愛から手紙の返事がきた。
#長い空白の時を経ても、
#最愛は何一つ変わってなかった。
>だからこそ考えるんだ。
お前を待たせ続けた分、俺はお前に何が返せるだろうか。たくさん甘やかすだけではきっと足りない。
#自分勝手だと罵ってくれて構わない。
俺が此処に戻った今。
俺はあの日の誓いを立てた意志の強さを示し、
お前との約束を重んじて生きたい。
それが例え独り善がりだとしても、
簡単に忘れてしまえる程、俺にとって最愛であるお前の存在は小さくない。お前の中に残る俺という存在は、今どんな形をしているんだろうな。
>腹の探り合いからで構わない。
>また俺と共に歩んではくれないだろうか。
# Arthur.
# Ich liebe dich.
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372 :
独◇
06/09-23:02
#20180609 23:02 -Leben-
>特異なこともない平穏な1日だった。
強いて何か日常を話すなら昨晩酷かった雨が上がり、今日は少々蒸し暑く感じたことぐらいだ。
そんな1日を過ごした俺が今日何を綴るかといえば、59務で多忙であろう最愛に伝えられていないことを少しだが書き記しておこうと思う。いつかこの手記がまだ存続していることに最愛が気付く日が来たなら読んでもらいたい。
#以下は最愛へ贈る#
実を言うと新年を迎え会話をしたあの日、既に59外での仕事が八割方決定していた。敢えてお前に其れを言わなかったのは、近隣59のお前であっても59務上、詳細を話すことも出来なかった、というのもあるんだが…これ以上はあまり余計な心配を掛けたくなかったという想いが一番強かった。こうして無事に帰ったのだから、その点はあまり怒らないでくれ、と言いたいところだが、それは身勝手極りないので、お前の怒りはしっかり受け留めるつもりでいる。
>側に居なかった約2年間。
お前が贈ってくれた腕時計は常に俺の左腕と共に時を刻んでくれた。これが有ったからこそ、俺は此処まで乗り切ってこれたと言っても過言ではないだろう。
>お前も昔から忙しい奴だった。
きっと今も相変わらず部下を守りながら、忙しなく場を取り仕切っていることだろう。お前にほんの少しでも時間と余裕が出来たのなら、また昔のように話しをしよう。
この長かった歳月を経て俺は多くの後悔した。
数あるお前との約束も破ってしまった。
#もっと直接自分の気持ちを伝えるべきだった
#もっとお前に触れておけばよかった
#もっとお前の気持ちに気付いてやれればよかった
この後悔を後悔のままで片付けるわけにはいかない。
>愛してるでは足りない程だが、
>言わなければ伝わらないこともある。
#言葉と態度で、
お前への想いを示すことが出来たのなら、
俺たちはまた並んで歩くことができるだろうか。
アーサー。
やはり俺はお前が好きで仕方がないんだ。
細胞まで余すことなく喰らってしまいたい程に。
お前の過ごす日々が、
平穏であることを今夜も願っている。
# Gute Nacht, Arthur.
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