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┗V.I.P ロマン(388-392/451)

|||1-|||書込
392 :北‐伊
12/12-05:27

あなたの宇宙に居座る俺をどうか許して
広がり続けるあなたの世界がどうか俺の一言で崩壊しますように

#かわいくないあなたが好きだよ。
>Spero che la tua felicita
>Buon compleanno!

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391 :
12/04-03:27

昔、散歩がてら少し逸れた獣道で穴を見付けた。覗き込んでみたらぽっかりと空いたその中は深いらしく底は見えなかった、けど、真っ暗ではなくてキラキラとあちこちに輝く光の粒が見えた。その日は、何だろうって思いながら帰った。でも家に着くとその穴が気になって気になって、それから毎日そこに通っては帰り、思いを馳せるようになった。
#魔が差した。
まさにそんな感じ。別段天気がいい日ではなかったけど、ついに穴に飛び込んでみた。硬そうに見えた壁は当たる度ふわふわと肌を撫でた。意外とあっさり足をつけた地面も同じようにふわふわしていて、でも、まだ沈むみたいだった。周りを見渡した。いかにも凶暴で、怖そうな獣がいた。どうしよう、こいつらにきっと殺されるんだ…。そう身構えたけど、そいつらはどうやら俺を殺す気はないようで、まるで新しい仲間を見付けたみたいに小さく鳴いてみせた。次に見たのは、今まで知りもしなかった美しい花々。辺りを飛び交う蝶々の模様だって、その時初めて見るものばかりですっかり魅了された。近くを流れる小川のせせらぎを聞いてそこに駆け寄る。そういえば喉が渇いていたから、掌で透明な水を掬って飲んだ。甘かった、何かの蜜みたいに。
穴の中は暗いはずなのに、そこにある全てが自らキラキラ輝いていたから不思議と暗いとは感じなかった。居心地の良いこの場所は生まれて初めて触れるものばかりでたのしくて、家に帰ることなんてすぐに忘れてしまった。これだけ明るければ太陽だっていらないと思った。飽きたら帰ればいいやなんて考えて目の前に広がる甘い優美さに文字通り溺れた。
それから随分遊んだ。足に少し力を入れると柔らかく沈む地面のもっと奥底まで行けることにも気付いた。そこには深い所為か蝶々こそいないけれど、広くて豪華な城があった。中には上等なベッドに高級な食事が用意されてた。夢中になった。でも、胸がチクリと痛んだ。肌触りのいい柔らかな毛布に包まる度、家を思った。
>もう帰ろうか、でもここの暮らしは楽しい。帰りたいけど、それは今じゃなくていい。いつかは帰ろう。帰ろうと思えばすぐにでも帰れるんだから。
そんな葛藤が心に積もった。
いい加減帰らなきゃ。
そう思った頃には帰り道なんてなかった。来た道は確かにそこにある。沈み方は知っている。だけど、じゃあ、登り方は?飛び方は?
分からなかった。そういえば今まで都合の良いことばかりを見て来た。小さく輝く光の粒、優雅に飛び回る蝶々、煌びやかに咲く花々、甘く透き通る小川、甘えて擦り寄ってくる獣達。豪勢な城、柔らかい毛布、美味い食事。どれも美しくて、楽しくて、何より楽だった。
本当は気付いてた。落ちて来た穴にまた登る術がないこと。一見優雅に羽を広げる蝶の脚には足枷が付いていたこと。視界の端で獣が共食いしていたこと。どこか城の外、遠くで何かの断末魔が絶えず響いていたこと。そもそも帰る為の道なんて用意されていないこと。全部気付いてた。でも、もう遅い。どれだけの時間が経ったかも分からない。帰れないからまた城に戻って毛布を被りながらナイフとフォークを手に取るしかない。美味しい、ここは暖かい。戻れないなら馴染むしかないんだ。

足元が沈んだ気がした。


※(2014.8.11 7:57 再利用)

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390 :
11/20-06:27

寒い。寒いのは好きだ、確かに。
外が寒いのは好きだが屋内が寒いのは嫌いだ。特に風呂。浴室。
朝シャワーを浴びる時が恐怖だ。億劫過ぎる、寒すぎる。湯を出した途端立ち込める湯気があっという間に浴室を白く占領するのは見ていて若干爽快だが、如何せん寒い。寒さには耐えられない。冷たいタイルを伝って排水溝に引き込まれていく頃には既にぬるくなっている水は畏怖でしかねえ。幾分か浴室が暖まっても寒いもんは寒い。いくらシャワーで身体を温めても洗おうと湯を離した瞬間ああもう寒い既に寒い早速寒い、何だこれ耐えられねえ。
やっとの思いで浴室から戻るとまだベッドでぬくぬくと寝てるアルフレッドの姿。テメェ…。起きたら起きたらで俺の苦労なんかサラっと流して「まぁ俺の場合はアーサーが使った直後だから全然寒くないけどねHAHAHA!」テメェ…。たまには俺より先に起きて先に風呂使えよクソ。
もう菊に頼んで浴室床暖房とかつけてもらいたいマジで。泣きの初冬、朝。

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389 :北‐伊
11/20-00:47

煌めいては消える星の数だけ
俺は泣きわめいて君を求めるよ
とおい何光年先のそれも見落とさないくらいの鋭さでいこう
きっと流れ星みたいに一瞬だけど、それでも確かに俺たちはここにいる
こんなんじゃダメかなあ

>指先から唇へこんぺいとうざらざら甘い余韻にひたってさよなら

嘘だよ

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388 :北‐伊
11/14-04:27

やさしく傷つきたい
かすり傷を刔ってほしい
軽い音で足の骨を折って
あふれた涙を舐めてよ
そうしたら俺は救われるから

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