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┗317.ポートレイト・レター(20-24/24)

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20 :リヴァイ
2014/10/22(水) 19:56

 思えば、改めて伝えた回数は至極少ないように思う。最早記憶にさえ残ってねえ程、遠い過去なのかも知れねえ。その点女は未だ利口だったのか。時折思い出したように綴られる感謝の言葉に、俺は慣れない侭此処迄歩んで来た。声を発する事も無く、唇の動かし方を忘れた日。あの時に、伝えられりゃあ良かったんだろう。紙面ではなく、直接届く言葉として、一言紡げりゃそれで良かった。

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 女は内地で生きている。内地に住む貴族として、生きている。それは今後も何一つ、変わる事は無い。内地には内地の世界があり、貴族には貴族の生き方がある。地下で育った俺と、調査兵団で巨人を削る俺と、どれだけ異なる視界が広がっているのか。どれだけの時間を積み重ねようと、俺が女の世界を理解する事も無ければ、女の視界を知る事もねえ。同時に、女が俺の世界を理解する事も無ければ、この視界を共有する事もねえと知っている。全ては交わらない。平行線を辿る。けれども愉しそうに内地での生活を語る女が、俺は嫌いじゃなかった。普段は何も灯ってねえその冷めた眼差しに、不似合いな熱を滲ませるその一瞬が、中々悪くねえと。そう、思っている。

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21 :リヴァイ
2014/10/28(火) 18:13

 それでも生きていく。

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22 :リヴァイ
2014/11/30(日) 22:06

 ハッピーバースデー。

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23 :リヴァイ
2015/11/29(日) 19:16

明日だけは穏やかな心地で過ごそう。煮え立った頭を急速に冷やしたのは、単なる数字だった。目出度い日じゃねえか、なあ、オイ。

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24 :リヴァイ
2016/03/30(水) 20:11

>「あたしは彼に、世界に繋ぎ止めてもらっているの」

 思考の片隅に引っ掛かったこの言葉を発したのは、さて誰だったか。この上なく愚かで、果てしなく幸福なんだろうと。そう思った事を、今でも覚えている。

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