スレ一覧
┗317.ポートレイト・レター(1-5/24)

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1 :リヴァイ
2014/08/22(金) 18:47

 手紙を綴ろうとして取り出した紙達は、結局少量の黒さえ紙面に刻まれる事なく真っ白の侭>>>317枚になった。渦巻く感情を綺麗な言葉で飾り立てようなんざ、それこそ似合わねえクソッタレな行動だったんだろう。一つ溜息を零す。飲み干した紅茶、ポットに残る僅かな分は渋みを増して、時間を置いた>>0,2杯目ほど不快な後味はねえなと後悔した。それでも俺は繰り返すに違いねえ。白紙は何枚在れば良い?

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2 :リヴァイ
2014/08/22(金) 18:57

 !閲覧注意
 半完混在/交流歓迎

>女(そのページ次第で変わる)
 内地に住む貴族の女。
 こんな人間が存在するのかと、そう他者に思い知らせる程の個性と異常性。そして欠落。
>エルヴィン
 何処ぞのクソ野郎。女を交えて三人で連んでた。俺に女を紹介した奴。
 アホ。女と俺が居れば世界は回る。やっぱり救いようのねえクソ野郎。
>彼女(ページ次第では別人の場合もある)
 調査兵団から駐屯兵団に移った友人。女と面識有り。
 基本的に中立主義。護るべきものを護れる。此奴は中々悪くねえ。

 随時編集。
 先に言っておく。この紙面は単なる俺の回想であり、記憶の保管所だ。

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3 :リヴァイ
2014/08/22(金) 19:04

 その女は内地に住んでいる。決して豪奢に飾り立てていた訳でも、決して優美に振る舞っていた訳でもねえが、其奴が貴族だと一目で分かった。明らかに異質な空気を漂わせていた。一般人はそんな空気を出さねえ、地下の奴等はそんな空気を出さねえ。勿論兵団の滲ませるそれとも異なる。単なる女だ。それでも圧倒的に、狂っていると感じた。頭が? 心が? さァ、其処迄はその時点で分からなかったが、兎に角狂っていると感じた。否応無く其奴を視線で追っちまう、一度言葉を交わせばもう終いだ。なあ、教えてくれよ。お前みたいな存在は、一体どうすりゃ出来るのか。冷たい眼差しに、凍えそうな声色。恐らくあの瞬間、俺は情けねえ事に魅了された。

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4 :リヴァイ
2014/08/22(金) 19:19

 時折手紙が届くようになった。簡素な手紙で、内容は至極少ない。けれどその言葉一つ一つが、嗚呼やはり此奴は狂っていると思わせる。一切表情を変える事なくこれを書いているんだろうと思うだけで、少なからず笑える程度には可笑しかった。彼奴はきっと、場所を間違えた。この世界に生きるべき存在ではねえし、それこそ人間で在る事自体が壮大な間違いだったんじゃねえかと思う。神とやらが本当に居るならば、犯した最大の失敗はそれだ。

 手紙の数は三桁に届いた。それだけの年月を経た。その間に俺は壁外へ赴き、巨人を削り、血に染まり、壁内では女を作った。彼奴も彼奴で新しい趣味に夢中になり、其処に俺を引き摺り込んだ挙げ句放置し、男を作った。女は面倒な生き物だ。自然と多少は愚痴も出る。毎回のようにそれを聞きながら、彼奴は笑った。手紙の文字越しでも分かる程、明確に。
>「ええ、ええ、そうね、貴方は頑張ってるわ。成長したわね、それは認めてあげる」
 彼奴は何一つ変わらず、男と別れた。俺も女と別れた。調査兵団以外に構う余裕はなくなり、行かないでと泣き喚かれる現実も御免だった。未練は驚く程無かった。

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5 :リヴァイ
2014/08/22(金) 19:27

 余りに赤裸々に綴り過ぎて、知ってる奴が見れば一発で俺だと分かるんじゃねえだろうか。まあ、それも構わない。元々俺は友人も知人も少ねえ、その少人数にバレようと問題はねえだろう。嗚呼、そうだ。友人募集中だと此処でひっそり書いておくか。この歳になると自発的に動く気がしなくて困りモンだ。

>>>

 人類に心臓を捧げたら、後は何が残る? 残ったそれを彼奴にでも捧げてみようかと一瞬思案して、有り得ねえなと笑えた。そんな関係じゃねえんだ。何か一つをくれてやったところで、彼奴は蔑むように俺を見た後、迷いなくゴミ箱へ棄てるだろう。それこそ生ゴミ扱いだ。綺麗だと思わねえか。

>>>

 表紙で俺は手紙一つ書けねえヘタレ野郎のようになっているが、事実は違う。俺からも手紙は送っている。ただ、送れなかった方が多いッつうだけで。
 送られる事なく眠った手紙達で、そろそろ森のひとつでも出来そうだ。

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