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┗368.REBIRTH【R20/現パロ/特殊設定/捏造注意】(6-10/20)

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6 :Levi
2014/11/07(金) 01:42

アイツを忘れた事は1日たりとも無かった。
物心ついた時からあった残酷な記憶。……何故か俺にはそれが数千年前の確かな記憶だという確信があった。

部長という肩書きを与えられてから1ヶ月弱。底辺から随分這い上がって来たが、俺はまだ上を目指す。……誰も俺がΩだとは気付いてねえだろう。
良いタイミングでデカい仕事が入って来て、俺はとある取引先の専務の接待に行くから着いて来るようにと上から命令された。今後俺が担当となるらしい。
ここで上手くやればまた上を目指す足掛かりになるだろうと、色々頭ン中で策張り巡らせて指定の料亭へと赴く。

……そこで出逢ったのは、忘れもしねえ…『エルヴィン・スミス』…奴だった。

俺の顔を見た瞬間のエルヴィンの表情を見れば、俺の記憶があるのだというのはすぐにわかった。……そして、今生でも非の打ち所の無いαだという事も…見ればわかった。
上司の手前、相手の事はもちろん知らないフリで酌を続けた。仕事の話も抜かり無く行う。……取り繕うのがこれほど大変だと思った事は無かった。

食事が終わると、見送りに出た俺を『まだ飲みたい気分だから』とエルヴィンの方から誘って来た。
上司を巻く為に自然な態度でその誘いに乗る。しばらく車で走ってから昔の口調でエルヴィンに話かければ、思った通り、俺を覚えている様子で返事が返って来た。
そして、そのまま部屋に誘われた。

俺は今朝から発情期に入った様子で身体が酷く疼いていて、抑制剤を飲んでいた。そろそろまた飲まなければ時間的に危うい。今αの相手の傍にいるのは得策とは言えねえと、頭の中ではわかっていた。
……それでも離れられなかった。何度も夢に見た相手が、今目の前に…自分の手の届く場所に居る。この現実を噛み締めたかった。

今生でも、俺はΩだった。生まれながらのαであり、今後も輝かしい未来が用意されているであろう相手に、想いを告げられるはずもない。……それは前世と同じだ。変わらない。
あの巨人がいたクソみてぇな時代よりは随分マシになった。少なくとも巨人はもういない。毎日が死と隣り合わせだった頃とは違う。
こんな時代なら……こいつも良い女を嫁に貰って、αの子供を授かって、幸せな家庭なんてのを築けるだろう。
せめて俺は、エルヴィンの幸せを見届けたい。出来る事ならまた隣で…どんな形でも良い、相手の傍に居られるならと…そう思った。

だから、良いだろう…?多くを望んだりはしない。昔と同じように…そう…昔と同じで良いんだ。どうせαとΩだって事も変わらねえ、……また過去と同じ関係を繰り返すだけでも良い。

ーーーただ、傍に居るだけだ。

そう自分に言い訳をして、俺はエルヴィンの誘いに……乗った。



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7 :Erwin Smith
2014/11/09(日) 11:25

この世界に生まれてからは、他人を部屋に招く事などそうあることではなかった。むしろ招いた事などなかったかもしれない。丁度ハウスキーピングを入れたばかりで良かったと安堵しながら彼を招き入れる。少しでも長く彼と過ごしたかった。…彼の近況も確認しなくてはならない。大切な奴は居るのか、居るのならどんな奴なのか。

ゆっくりと話をしようと紅茶を淹れたが、彼は落ち着かない様子で座るように勧めてもなかなか腰を下ろさなかった。少し様子がおかしい。彼らしくないとは思ったがその後はまた何もなかったかの様に話し始めたので私もそれ以上気にかける事はしなかった。この時…事情を汲んで帰してやれば良かったのかもしれない。そうすれば彼はあんな目に遭わずに済んだのだろう。

互いの近況を話し始めたのもそこそこに彼は急に立ち上がり帰り支度を始めた。『急用を思い出した』そう告げた彼の顔は赤らみ、まるで熱でもあるかの様だった。心配で伸ばした手を払われた瞬間、全ての意識を奪われてしまうかのようなその香りに私は理性を掻き乱された。
目眩さえ起こすほどの、Ωの匂い。彼は…今生でもΩであったようだ。
この抗い難い色香を纏わせたまま部屋を出す訳にはいかない。そうなればαどころかβにすら襲われてしまう事は目に見えていたのだから。
無理矢理寝室へと連れて行きベッドへと横たえた。
(私はリビングに居ればいい。アルコールが抜けたら彼を送って行こう。)
…そう考えていた事さえもしかしたら只の言い訳だったのかもしれない。
欲情した彼の姿に、その香りに、理性など始めからなかったのではないかと疑う程あっさりと、私は彼へと手を伸ばしていた。



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8 :Levi
2014/11/10(月) 02:16

エルヴィンの住んでいるマンションは、想像通りの高級そうな高層マンションだった。
女がいないかどうかなんてのをストレートに聞いてみたが、いないと言われて胸が凪いだ自分に嫌悪する。
……今生でも俺は奴の事を……。……殺したハズの慕情が頭を擡げる昏い感覚に、どんなに否定しても結局は……そういう事なんだと思った。

この時まだ俺は、もう少し抑制剤が保つと思っていた。……が、αに触発されているのか何なのかわからねえが…身体の感覚がいつもと違った。

Ωの発情期というのがどれだけ酷いものか…それは実際目の当たりにした奴…いや、Ωでなければわからないだろう。
身体の細胞の全てが雄を欲しがって全力で叫ぶのがわかる。そうなったら相手が犬でも豚でも猿でも関係無い、ただ突っ込んで欲しくてそれしか考えられなくなる。
そこにもう『俺』はいない。あるのはただ本能だけだ。この身体の疼きを満たしてくれるなら…疼く身体を犯してくれるなら、それがどんなものでも構わない。
どんなに強靭な理性でも抑えられない。それがΩの発情期だ。……その期間、Ωはただの雌犬になり下がる。抑制剤が無ければどんなものにでも足を開いて、突っ込んでくれと懇願するだろう。
………そんな姿を、こいつにだけは見られたくない。

下半身が濡れてしまったら……そう思うと促されたソファに座る事も躊躇われた。汚す訳にはいかない、バレる訳にはいかない。
だが訝し気な相手に気付くと覚悟を決めてソファに座り、早々に立ち去ろうと決めた。……どんなに傍にいたくても、俺がΩで発情期だとバレたら…、いや…恐らく間違いなくαであろう相手には、薬が切れればわかってしまう。

そう思った矢先、自分の明らかな異変に気付いた。薬がほとんど切れて来ていると。
急いで帰る旨を伝えたが、遅かった。……エルヴィンはΩの発情期の匂いで俺の状況に気付いたようだった。
タクシーを呼んでくれと言っても、聞き入れられなかった。そのまま寝室へ運ばれるも、シーツを汚す事が気になって仕方ない。

それでも、身体は辛くて次第に頭がぼうっとして来る。
エルヴィンが用意してくれた替えのシャツを手元に引き寄せると、微かに香る相手の匂いにぶるりと身体が震えた。
半ば無意識に相手の名前を呼んで、シャツを抱き締める。下肢が疼いて何も考えられなくなって来る。

―――その瞬間、αを誘うフェロモンが一際強く香り立つのがわかった。



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9 :Erwin Smith
2014/11/13(木) 18:57

震える手でシャツのボタンを外す。昔に比べるといくらか細く、傷跡の残っていない綺麗な身体。その肌に触れたらもう引き返す事など出来なかった。
Ωのフェロモンがこんなにも抗い難いものだとは思っていなかった。あるいは、そう思い込んで相手に触れる言い訳にしているのかもしれない。…………言い訳をしてまで、彼が欲しいのだ。
先刻までゆっくり心を向けてもらおうと考えていた筈なのに、相手が発情期なのをいい事に全てを奪ってしまいたいと、それしか考えられなくなっていく。
理性と欲望がせめぎ合っておかしくなりそうだ。

彼は拒否しなかった。発情期とはそういうものだと理解していたが嫌悪されていない事に安堵しつつ、それが私の欲望に拍車をかけた。
はだけたシャツの合間から覗く突起へと舌を這わせると切なげな声が降ってくる。早く全てを暴いてしまいたくて、下肢に纏った衣服を纏めて取り去った。「見るな」と、その言葉すら上手く紡ぐ事の出来ない彼のそこはまるで漏らしたかのように濡れて、腿までもを汚していた。
そんな姿すら愛しくて堪らずに吸い寄せられるように濡れた下肢へと舌を這わす。

――――甘い
フェロモンのせいなのだろうか、それとも別の理由があるのか。彼の体液はとても甘く私の思考を更に痺れさせた。早く、早く。すぐにでも繋いでしまいたいのを堪えて顔を上げると今まで見たことのない表情をしたリヴァイが切なげにこちらへ目を向けていた。「前戯などいらない」「ヤりたいならさっさと突っ込め」そう告げられると胸の奥が痛むのを感じ、思わず身体を起こして唇を塞いだ。こんな事で気持ちが伝わる筈もない、結局は彼を抱きたいと疚しい気持ちを膨らませているのに…彼にそう思われるのはやはり悲しいと感じてしまう。だが唇が触れ合った瞬間、何かを感じたらしい事は悟ることが出来た。それが多少良い意味が含まれているのか、嫌悪なのかは分からないが。
夢にまで見た柔らかな感触を味わいながら、これ以上我慢はすることが出来ずに彼の入り口へと指を潜らせた。


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10 :Levi
2014/11/14(金) 19:39

αである相手がΩのフェロモンに引き寄せられ、次第に理性を呑み込まれて行くのがわかった。……そうでなければ、目の前の男が俺に触れる理由など無いのだから。
俺の身体を貪るように指や舌で触れて来る相手を、熱に潤んだ視界の中ぼんやりと見上げる。


―――エルヴィン・スミス。この世でたった一人、俺の魂を揺さぶる男。……美しく、魅力的で……、…………哀れな男。


あの時、俺を自宅に誘ったりしなければ。お前はαとして、今までと同じように『お前』でいられたのに。
本当は薄々気付いてたんだろ?お前程の男なら。俺がΩだって…数千年も前だって、誰より傍にいたんだ…例え肉体関係が無くても。
なのに何故、近付いて来たんだ?……まあ何にしても関係ないか…俺は今から、自分の意思とは無関係に『俺』もろとも『お前』を壊すのだから。残るのは2人共、ただ本能だけだ。

お前は、大型の蜘蛛が鳥を喰らう所を見た事があるだろうか。
大きく強い糸で巨大な罠を張り、鮮やかな野鳥を生け捕りにし…抵抗する翼を力で抑え込める程の個体もいる。
だが一度に食う事はしない。蜘蛛はその毒でゆっくり…ゆっくりと、相手の力を奪い、喰らう。最後に残るのは羽毛だけだ。
……エルヴィン、お前は罠にかかった哀れな野鳥だ。その強い光を宿す碧眼も、美しい翼も全て……俺の毒で力を失う。
地を這う俺をいつも魅了して離さない……自由の翼。何千年の時を超えても、その魂は変わらねえ。

胸の突起を執拗に舌で刺激されるむず痒いような初めての快感に、思わず力の入らない手で相手の金髪を握った。退かそうにも手先は震えるばかりで言う事をきかない。
抗い難い快感への期待にそれでも、何とか「やめろ」と口にしたが……エルヴィンは止めるつもりは無い様子で俺の下肢から衣服を取り払った。腿まですっかり潮や白濁に濡れて粗相でもしたかのような下肢を曝された事に思わず青ざめ、必死に衣服を戻そうとする。……だが、それも阻まれ……それだけならまだしも、そのまま濡れた下肢に舌が這う感触を覚えた時には息を飲んだ喉から掠れた空気音が洩れた。

体液に汚れた自身の腿へ美味そうに舌を這わせる相手を見て込み上げたのは、ゾッとするような背徳感だ。この美しい男を汚しているのは自分だという、昏い悦び。
そしてその背徳感よりも、羞恥心よりも、肉体的快楽よりも……何よりも強く俺を満たしたのは、紛れもない独占欲だった。
今この瞬間、例え本能に踊らされているだけだとしても……エルヴィンは俺だけを見ている。俺の事しか考えられない。
……どうせ壊す事でしか手に入れられない。それならいっそ……―――美しいその翼の欠片も残さず、喰らい尽くしてしまおうか。

だがそんな思考が働いたのも、胎内を刺激する快楽に犯されるまでだった。
ほんの少し指を挿れられただけだ。……それだけで俺は簡単に爆ぜてしまい、その瞬間また……αの理性をブチ壊す、甘い毒が立ち上った。


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