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┗368.REBIRTH【R20/現パロ/特殊設定/捏造注意】(16-20/20)

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16 :Levi
2015/02/28(土) 00:38

期待をしてはいけない。欲してはいけない。……こんな事は、αにとってはままごとみてぇなもんだ。ただの気紛れで言った言葉でしかない。……しっかりしろ。

自分に必死にそう言い聞かせた。αと真っ向から向き合ってはいけない。生まれ落ちたその瞬間から、αとΩは既に対等な生き物ではないのだから。



薬の手配をしたらしいエルヴィンが戻ると、シャワーを浴びるかと尋ねられ、浴びたいと答えた。身体中ドロドロだったからな。
しかし、驚くほど身体が思うようにいかなかった。やむなく相手の手を借りてバスルームへ向かうも、どこかまた頭の芯が溶けて行くような感覚に陥り、甘い匂いが香り始める。

これまで抑制剤を欠かせた事は無かったが、こんなに酷いものなのかと他人事のように『Ω』を感じる。当然一人でシャワーを浴びるつもりだったが、脱衣所でエルヴィンに羽織っていたシャツを脱がされてももう抵抗する気力も湧かない。同じく全裸になった相手とバスルームに入ると、されるがままに身体を洗われた。

だが、中に出されたものを掻き出すのはやはり相手にさせる訳にはいかない。『後は1人でやるから出てろ』。……これで察しろ、という意味を込めてそう言ったが、エルヴィンはあろう事か自ら俺の後処理をするつもりだったようだ。突然挿入って来た指に、発情期の身体は笑えるほど簡単に堕ちた。
甘く匂いが立ち込め始めたそこは、エルヴィンの指を咥え込んだだけでろくに掻き回されもせずに達してしまった。俺はそのまま力が入らず崩れ落ちて、床に小さく身体を丸める。

暴力的なほど強い快感。正に気が狂いそうだ。これがΩの身体、Ωの発情期。……しかも、目の前にはαの雄が、……いや…それよりもっとタチの悪いもんがいる。その、この世で一番…俺にとって唯一のタチの悪いもんが、自分の身体に触れている…これで気が狂わない奴などいるのだろうか?

―――欲しい。欲しくて欲しくてしょうがない。目の前の男が欲しい。……もう頭が回らない。全てがグチャグチャに、どんどん溶けちまって行くような感覚だ。ただエルヴィンが欲しいという事しか考えられない。



その時どこかで玄関のチャイムが鳴ったような気がしたが、既に意識が朦朧としていた俺は、エルヴィンが『少し待っていろ』と声を掛けてくれた事も頭で処理出来なかった。


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17 :Erwin Smith
2015/06/30(火) 22:13

避妊薬と抑制剤を受け取ってリヴァイの元へと戻ると、バスルームは先程よりもフェロモンが濃く充満していた。必死に理性を保ちながら声を掛けるがもう彼には聞こえていないようだった。

熱の抜けない身体をどうすることも出来ずに浅く喘ぐその扇情的な姿に思わず唾液を飲み込む。『駄目だ』頭ではそう思っているのに…いや、その思考さえも飲み込まれていくようで。まるでグラスいっぱいに注がれた水が溢れて零れる直前のような、ギリギリに踏みとどまっていた最後の理性は私の名を呼ぶその声に再び溶けてしまう。
私がαだから、そう分かっていてももう止めることは出来なかった。

欲しがり喘ぐリヴァイを本能のままに貪る。いつの間に達したのか身体を跳ねさせてそれでも『もっと』とねだる声。全てを奪ってしまいたい。彼を自分だけの物に…。
どす黒い感情が再び渦巻く。リヴァイ、リヴァイ、リヴァイ、リヴァイ、リヴァイ…お前が欲しい。何度も名前を呼び、求める。それが口に出ていたのか、全て頭の中で叫んでいたことなのか、それすら分からない。思考がぐちゃぐちゃに乱れ何も考えられない。ただ、リヴァイが欲しいとそればかりに支配される。

昂る熱を吐き出す瞬間、理性がほんの欠片だけ残っていたのか私は彼の肩へと噛みついていた。


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18 :Levi
2015/07/03(金) 20:53

バスルームで1人になってから後処理をしようとすると、また恐ろしく煮え滾る熱が俺を支配し始めた。……なまじ極上の味を知ってしまったからだろうか、これまでで一番酷い発情期のような気がする。
中身を搔き出す為に挿れたはずの自身の指は、気付けばただの自慰行為として動いていた。ほぼ無意識に…惨めな呻き声を上げ、いつの間にか新たな白濁で床を汚している。……自分は…Ωという性は、何て汚らわしく滑稽な生き物なのだろう。

密閉された浴室にΩの濃厚なフェロモンが充満して行く。そこへ戻って来たエルヴィンの存在を、俺のイカレた脳ミソは上手く処理出来なかった。


―――『エルヴィン相手に言ってはいけないこと』……そんなものも考えられねえ程、俺の理性はどろどろになっちまっていたんだ。


アイツの名前を呼んで縋る事。弱音を吐く事。……欲しがる事。
自分の気持ちを曝け出す事をしてはいけない。理性があれば、死んでもそんな事はしない。そう、理性があれば……―――
この時の俺には、まともな思考は残っちゃいなかった。その後は、もう……正に雌犬だ。切羽詰まった声で相手に縋り、フェロモンを垂れ流して腰を揺らした。再度エルヴィンの熱を胎内に感じた瞬間また爆ぜて、それでも足りずに泣きながら腰を揺すった……この俺が、だ。………おぞましい。考えただけで鳥肌が立って、吐き気がした。
エルヴィンが俺に何かを言っていたが、全て水の中で聞いているような感覚だった。きっと俺を蔑む言葉だったんだろうとぼんやりした頭で思いながら快楽だけを享受する。
……ふと、相手が胎内で爆ぜたのを感じると同時に……意識が最も混濁し落ちる間際に……都合の良い幻聴が聞こえた気がした。


『お前が欲しい、お前だけだ』
『愛してる、リヴァイ』


―――あるはずのない言葉とわかっていても……涙が出る程の心地好さに、酔えただけでも……俺には過ぎた幸せだった。


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19 :Erwin Smith
2015/09/27(日) 10:13

意識が途切れた彼の身体を慌てて支える。自らの欲望を抑えることすら出来ない自身を情けなく思いながらその頬に触れた。「すまない…」そうこぼしたのは、彼への気持ちを諦めるなど到底考えられないからだ。
諦めるどころか一分一秒と時間が経つ事に増しているようにすら感じる。どんな手を使っても手に入れたい。そんな歪んだ感情が膨らんでいることにはこの時には気づかないふりをした。

すっかりと思考から抜けていた先刻受け取った抑制剤を口移しで飲ませると、再びシャワーを手に取り身体を清める。ちょうど洗い終えた頃に彼の意識も戻ったようだ。
余程辛いのだろう、珍しく大人しく言う事を聞く相手の身体を拭くとそのままベッドへと寝かせた。
……このまま、妊娠してしまえばいい。先程押しやった筈の思考が頭を擡げる。その考えで頭が満たされる前に慌てて避妊薬を取りにいく。自身のエゴでそこまで彼を苦しめていいはずなどない。
使用することを彼に告げると、そのまま胎内へと押し込んだ。大丈夫、私の手が震えていたことは彼からはきっと見えていないだろう。

自分がソファで寝ることを告げたがリヴァイにはあっさりと拒否されてしまった。二人で寝るには広いとは言えないベッドで共に横になる。抑制剤も効いてきたようだった。その口から意外な名前が飛び出したことに驚きながらも、落ち着きを取り戻した様子のリヴァイと昔のように話をする。…それだけで、ざわついた心が鎮むのを感じた。


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20 :Levi
2015/10/06(火) 23:43

―――身体が重い。指一本動かすのも億劫で、けれどどこか甘ったるい感覚が全身を支配している。こんな感覚は生まれて初めてで、温かく自分を包み込む優しい腕に全てを委ねた。
朧げな意識の中、避妊薬を投与すると言うエルヴィンの声が聞こえる。どんな物なのかそれを見た事が無かったのだが、下肢に感じた違和感に身体が跳ねた。……さすがに羞恥がゼロな訳じゃねえ、こんなもんなら自分でやると言うべきだったと顔が歪むのを抑えられない。

その後、避妊薬の効果の程を尋ねるとかなり高い避妊率を誇る事がわかり、安堵する。妊娠する事はとても恐ろしかった。子供がΩだったらと考えるだけで背筋が凍り付く。それを知った時のエルヴィンの反応を想像するだけで、まともに立っていられない程に。

それから、エルヴィンと1つのベッドで少し会話をした。……目を覚ませ、と。『俺ではお前に釣り合わない』と、自分の心臓をゆっくりと握り潰すような…そんな気持ちで、それでも言わなければと何かに急かされるようにして声を絞り出す。だがエルヴィンは俺の言葉を撥ね除け、優しく抱き締めて来た。……相変わらず残酷な男だ。こんなに怖い男を、俺は他に知らない。


翌朝目が覚めると、抑制剤の効き目が切れかけているのを感じた。慌てて起きるとリビングに探しに行くもどこにも見当たらない。
辺りに甘い香りが漂い始め、やむなくエルヴィンを起こすも寝ぼけた様子で自身を抱き込み首筋に擦り寄られると身体中が相手に反応しちまう。焦りながら抑制剤を催促するも、キスしたいなどと強請って来るアイツの誘惑に目眩がした。

ずっとこんな幸せな朝を紡いで行けたら…これが夢なら覚めないで欲しいと願う。たった一夜で、自分の人生がひっくり返ってしまったのを、俺は感じずにいられなかった。


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