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スレ一覧
┗付箋と栞だらけのネタ帳(201-210/234)

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210 :加/州/清/光(刀/剣/乱/舞)
2016/07/14(木) 22:30

主は覚えてんのかな。
この本丸でこうしてやっていくようになって、人間で言ったらそれなりに経っているんだよな。

他がどれだけなのか知らないけど、最初に比べたら結構賑やかになったんじゃない?
新入り達が増えていって、戦場も敵もその分増えていった。忙しかったり、持て余したりして何だかんだやって来たって感じだけど。
……人間の月日なんてあっという間なのに、それでも色々あるって思う。この姿として在るようになってから、ってのもあるだろうけど。

まだまだ、なんてずっと同じかもしれないけど――まだまだ、でしょ?
時代を遡って、在る歴史を守る。遡れるのは、「俺達」だけ。

それでも一番が誰かなんて、分かってるよな?
最初に選んでくれたのは、俺なんだから。始まりもこの先も、俺が居るよ。
これからもよろしくね、主。

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209 :ス/キ/ピ/オ・ア/フ/リ/カ/ヌ/ス(DRIFTERS)
2016/07/10(日) 22:55

現状で広げられた盤の目は、劣勢だと一言で言うには生温く。有する駒の数も兵站も何もかもが圧倒的で、対抗する事など不可能だとあらゆる角度から知らせている。
勝つ、どころか生き残る事すら出来ぬであろうことは自明の理。自分が言わずとも、恐らく誰もがそう言っただろう。

――だが。
あの男は、幾度となくかの偉大なロ/ー/マを脅かした男は「ゼロじゃないさ」と言った。
まだ何も、此処が何処で、どのような状況で、向かい来るものが何であるのかすら分からぬ状況下であったというのに、嘗て雷光と呼ばれたその名に相応しい衰えぬ鋭い眼光で。

ならば、どうするべきか。その為の「武器」を知らねばならない。
「こちら」と「あちら」は時代も戦況も備えも何もかもが異なっていようとも、不充分であるかもしれぬと前置きされようとも構わない。大いに異なり変わり、知らぬものがあろうとも然したる事ではない。

ア/ル/プ/スを越えようとした筋になぞる心算は無いが、越えてみせよう。
あの男に比べたら、2000年の差など。

ティ/キヌ/ス、トレ/ピア、カン/ナエに学び。
ポ/エ/ニであの男と――あの、ハ/ンニ/バル・バ/ルカと相対した時のように。

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208 :アルミン・アルレルト(進撃の巨人)
2016/06/12(日) 22:47

何かを切り捨てなければ、何かを得る事は出来ない。この残酷な世界で、学んだ事だ。
守る為、手に入れる為、勝つ為。
多くの大事なものと引き換えに、もっと大切で沢山のものの為に。

正直僕なんかで引き換えられるものなんて、ほとんど無い。見合わないものばかりだ。
今でも怖くて震えが止まらなくて、臆病な僕なんか。

でも、だけど。
だからといって、惜しむような事は出来ない。そうしなければ、何も成し遂げられないから。

したい事がある。見てみたい景色がある。
約束したんだ。ずっと前から、決めていた。
まだ見ぬ外の世界を、一緒に見ようって。……その為に。

今、やらなかったら先なんて無い。先の為に、今出来る事を惜しんでなんていられない。

だから。
僕が差し出せる全てを打開の天秤に乗せて、今他でも無い此処で賭けを打とう。

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207 :土/方/歳/三(DRITERS)
2016/06/07(火) 23:16

戦が好きだった。
その筈だった。

さながら久留守の巡礼者のように、ただ累々と屠り進み行く。
男も女も老人も赤子も等しく容赦も慈悲も無く。平たく淘汰し鏖滅させる。
定められて疑いようもなく在るものに対して、嘗てすらも介在なぞある訳が無いというのに。

何の思いも沸かぬ。
何処でも良い、然したる意味も無くなる巷。ただそれだけだ。
――つまらない。
意味も無くなる場で、必要性も無い筈の感情が浮き上がる。

まるで同じだった。
いつからだったのか、思う事すら遠い。
鳥/羽伏/見、甲/州勝/沼、宇/都/宮。
白/河/口から、会/津へと上り。
そして、函/館。
何処からか、それとも既に、疾うにそれより前か、先か。

意味を失くした彼岸で、ちらつくのは忘れようもない丸十字。
あんな無茶苦茶で、めちゃくちゃな餓鬼みてぇな――いいや、もう餓鬼だ。とんだいかれた糞餓鬼との、最早戦を通り越しての喧嘩だ。
作法など糞のようにかなぐり捨て、御綺麗事に唾を吐き掛ける。それが戦だと、「あれ」は哂った。

……そうだ、と嘗て、いつか見た浅葱の空が視界の先に在る。
それこそが、俺の好きな戦だった。

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206 :リヴァイ(進撃の巨人)
2016/05/05(木) 22:13

(ゲーム版進撃の巨人ムービー内容準拠につき、注意)
(回避)>>205



退却の命令を受け、嘗ては壁内だった場所からまだ壁内である筈の場所へと戻る。
俺の班は命令と変わらず最後尾。追い縋って来る巨人どもをあしらいながら、馬をトロスト区の外門へと急がせて漸く壁が見えて来た、といった所で、違和、と言うには違い過ぎる状態に微かに瞠目する。

……穴が空いていた。ちょうど外門の扉にあたる場所に巨大な穴。瓦礫が壁内の方に飛んでいるという事は、外側から何らかの力が入ったという事だろう。その様はあの時と、五年前に超大型巨人によってウォール・マリアの壁が破壊された時と同じだ。
恐らくその事は最後尾の俺達だけではなく、先行したエルヴィン達も気付いているだろう。しかし、それについて新たな伝令が発せられる様子は無い。つまり命令の変更は無く、今優先すべきは外門の扉の事について考えるよりも、トロスト区へ戻る事だ。

そうしてあと少しで大きく空いた外門の穴から中へ――突如、大きな「何か」によって眼前の穴が塞がれた。
見た目は岩のようにも見えるが、空いていた穴の大きさ以上でなければ穴を塞ぐ事は不可能。その上にあった穴が塞がれた、という事は少なくとも何らかによって穴を塞ぐものを移動させたという事だ。……そんな事が出来るなら、疾うに最初に壁が破られたシガンシナ区の扉の穴は塞がれている。故に、現状では考えられる方法など「無い」筈だった。

有り得る筈の無い事が、今在る。嘗ての、五年前と同じく、だが違う何かが。

エルヴィンの言葉を思い出しながら閉ざされた扉の前で仕方無く馬を一旦止めさせた所で、奇行種が迫り思考も中断される。
こんな時に、とは思えど、こいつ等はいつだってそうだろう。時間を掛ける必要性も無く始末して、改めて壁の方を見る。

外門の扉だったであろう場所は塞がれて巨人は勿論、馬が通れる隙間は無い。そうなりゃ、外から内に入る手段は一つ。立体機動装置によって壁を越える事だ。

壁にアンカーを突き刺し、ワイヤーを巻き取って壁上を登る。そこからまた壁にアンカーを刺し直してを繰り返して壁を越え、最初に眼下に入って来たのは二体の巨人。その巨人どもは外門の方へ向かって歩いており、自然と視線もそちらを追っていく。

巨人どもが向かう先。そこには、何やら転がり落ちた、といった風の二人のガキ共が居た。
その内の一人は背に交差の剣を描いた兵服を着ていることから、訓練兵だろう。そいつがもう一人の両脇を持って抱えている。もう一人の方は意識が無いのか動かず、訓練兵らしい方も両手が塞がっている事もあってか運ぶ事もままならないようだった。そんな状態に、巨人は近付いて来る。

何が起こっている。そんな疑問よりも、目の前の様子に今何をするべきなのかを身体が判断して行動を起こす。
人間を捕食する巨人。それを目の前にして動けないガキども。起こすべき行動なんざ、決まっていた。

壁を越えた身体は、中空から重力に従って風を受けながら落ちて行く。その最中でまず一体目の巨人の首許にアンカーを突き刺し、一気に巻き取る。巻き取りによる加速と降下の勢いを借りて一体はそのまま項を削ぎ斬り、アンカーは外さずにワイヤーを伸ばし切った状態で後ろから前――更に再度首許へ一回転の急旋回。次いで、横軸に勢いの付いた身体は立て直さず、もう一体の巨人の項を薙ぎ削いだ。
そこで片付いた巨人の肉塊の上に着地し、ガキどもの方へ振り返る。

>「オイ…ガキ共」

破壊された外門の扉。
その先に広がった街の惨状。
空いた穴の箇所を突如として塞いだ大岩。
大岩に座り込む消滅しかけの巨人。
此方を見る訓練兵らしきガキ共。

並べ立ててみても、どうなってやがるのか皆目見当も付かねぇ。
血と熱が混じった風が肌を掠めて通り過ぎていく。……ああ、まるで壁の外と同じじゃねぇか。
そんな中で呆けたまま此方を見るガキ共に向け、俺も思ったままの言葉を放った。

>「――これは…どういう状況だ?」


(回避)>>205

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205 :織/田/信/長(DRIFTERS)
2016/04/01(金) 23:50

――は。……は、は。

燃える、よぅ燃えよるわ。
何も知らん敵の兵達は本陣へまっしぐら。乗り込んだと思っても、そこは既にもぬけの空よ。
押し寄せた満員御礼の場所の奥、歓待は腹ならぬ樽一杯の油。

そこに火矢を掛けたら――あとは広がるだけ。

周り一面の劫火に逃げ出そうと思うても出口はひとつ。そこを塞ぎゃあ、袋の鼠。
ああ、窓から抜け出そうとした奴らが居よるわ。ほら撃て、出て来るものに向かって撃つだけの猿でも出来る簡単な事であろ。
止まらぬ火矢であっという間に火は回り、此処からでもよぅく見える。

愉快、なぁ、楽しいなぁ。取り籠めて燃やす。
お前も俺を見て、そう思ったのであろ。

……なぁ、みつひでめが。

>(ぶぇーっくしぇい!あー、クシャミ止まらんあの金柑頭ゆるさん)

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204 :エレン・イェーガー(進撃の巨人)
2016/01/11(月) 23:17

空を見ていた。
見上げた先に在る空は、青くて広くて――白い雲が流れていく中を、鳥が飛んで行く。

あの鳥は何処まで飛んで行くのだろう。きっとオレの知らねぇ世界の何処かなんだろう。
炎の水、氷の大地、砂の雪原。それがどんな所かなんて、アルミンが見せてくれた本の中でしか知らない。
知らねぇのは、何でだ?

壁。世界。巨人。王政。
そして、「あの日」。

ぐるぐると断片的に言葉と映像が頭の中を廻る。
――オレ達は、何て不自由なんだ。

行き場の足りねぇ憤りの腹の底から沸いて来る。それなのに、オレ達は今何も出来ねぇなんて。
届きなんざしないって分かってるのに、思わず天に伸ばした手。
その指に、風に揺られて白と黒の羽根が掠めていった。

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203 :斎/藤/一(薄桜鬼)
2015/01/25(日) 23:52

組の一人として、己の剣技を磨く事は重要だ。だが、それだけでは成り立たない。扱う獲物――刀の扱いについても決して軽んじてはならない。日頃の鍛練と同様に刀の具合にも気に掛け、時に手入れに出す。今日は、手入れが必要な刀を集めて研ぎに出す日だった。

勿論手空きの時間に手入れはするものの、やはり自分でやるだけでは限界がある。万全の状態で日々の職務に励む為にも、定期的に刀を研ぎに出す事になっていた。

当番、ではないが、各々が常に持つ刀を纏められている機会など無く、集められた刀達を研ぎ師に出す前についつい眺め見てしまう。そうしていると、そこへ偶々通り掛かったらしい総司が部屋の中を覗き込んで来た。

>「あ、もう研ぎに出す日?僕のも出しておいてよ」
#「総司……何故それを俺に言う」
>「ちょうど良いじゃない」

呆れて溜め息混じりに窘めるが、まともに聞く気配は無い。
仕方無しに総司から二本、手持ちの刀を受け取って他と並べる前に刃の具合を確かめてみる。

#「……また随分と無茶をさせたな。難儀ではなかったのか」

受け取った二本の打刀。俺は刀鍛冶ではないが、それでもこの双方ともが随分な状態だと直ぐに分かった。

刃は毀れているとも言って良いのではないかと思える程の小刻みな鋸状。振るう内に元よりも反った刀身は、通常なら鞘から抜くのも支障があるのではないかと思うくらいだ。更によく見ると、切っ先もほんの少し欠けていた。

あらゆる状況下で斬り合う事など日常茶飯事な組では、斬り合う中で刀の状態をいちいち気にする事など出来るものではない。故に、どうしても刀に無理を強いてしまう事も多い。特に総司などは実力が際立っているが、同時に斬る者の数や立ち回る場数も多くなるが故に刀の損耗も激しくなるのは道理だろう。

しかしこれでよく、あれだけ戦えるものだ。鞘に刃を戻して問うと、総司は小さな空咳の後に肩を竦めた。

>「んー……まぁ、ね。でもまだ、使えるから。そうでしょ?」

折れてはいないから。まるでそう続くように言う。

……確かに、使えぬ訳ではない。総司の性格から言って、単に懐の都合で買い替えぬという事でもないのだろう。総司なりに気に入って、いや、思い入れがあるのかもしれない。

刀は己の心を映すとも言う。
確かにまるで持ち主のようだな、と思う。副長の刀も研ぎに出す事になっていた為に見させて貰ったが、外面の美しさと内面の実用性を兼ね備えた様はあの人らしい。
そして総司の使う刀は、扱い難い刀だ。しかし反面、よく切れる良い刀でもある。それを今の、ここまで消耗させる程に使い込んでいる。

……それはまるで、今の総司そのものを表しているかのようだ。扱い難く、だが誰よりも敵を斬り、己の命を削るその様に。

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202 :エルヴィン・スミス(進撃の巨人)
2015/01/05(月) 23:53

問われて、思い出す。

今は遠く、自分でも忘れ掛けていたくらいにずっと彼方にあった。同時に今も近く、自分でも気付いていなかったくらいにずっと胸の内にあった。
そのくらいに遠くて近い、自分自身の事を。

心臓は人類の為に捧げた筈だった。そう皆にも言い続けて、そうさせて来た。
その目的の全てが間違っていた訳ではないのだろうとは思う。だが、それよりも強く突き動かしていた衝動は違う。
自分自身ですら、とんだ勘違いをしていたのだ。

英雄か聖者のような、尊さのあるものからではない。そんな綺麗なものになど元からなる気は無かったが、恐らく告げられた「悪党」よりも性質が悪い。

他の全てよりも、ただ自分の為に。

その為に父を見殺しにした。
数え切れない部下や同僚を犠牲にした。
多くの壁の中の人間を混迷と狂乱へ招いた。
必要だと言って彼を地下よりも酷い地獄へ引き上げた。
希望だと言ってまだ若い者達に残酷な決断を強いらせた。

それは全て、ただひたすらに在り続けていたものの為だった。
何を言われても。どんな他のものを切り捨てても。

私には。……いや。
俺は、抱いた夢を見続けていた。

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201 :リヴァイ(進撃の巨人)
2014/12/13(土) 23:39

(外伝「悔いなき選択」漫画版の内容諸々がっつりネタバレにつき、注意)
(回避)>>200


ずっと、この世界はドブみてぇなクソッタレなもんだと思っていた。

恐らく、それが今もそう変わっちゃいねぇのだろう。狭い壁に囲まれ、汚水に満たされて死んでいくだけの。
普通だと思った異常。何処から生まれたかも知らねぇ内から、見て、触れて、吸って来た世界はそのハズだった。

そう思い込んでいた事が引っ繰り返されたのは、あの日。少なくとも俺にとっては、忘れもしない日だ。

眩しくて目を細めた。その後に、見入って目を見開いた。
何処までも蒼く、何処までも広く。この先に何があるのか、今の地獄のような状態と同じく分からないものであっても。
そしてあいつ越しに見上げた空の色と、駆け抜けた風の匂い。壁の外の、自由たる世界の色彩を。

何も知らなかった。何を知っているのか、知らないかを思い知った。

そうして、今。
俺にとっては、ではなく、人類全体……いいや、世界にとって、全てが変わろうとしている。
委ねられているのは迷う暇すら与えられねぇ一人のガキで、そうしたのは俺達だ。
人類の希望、と――何とも身勝手な御題目を引っ被せて。

バカげていると思う反面、ただ、と少しだけ数年前を思い出す。
突き付けた代わりに、突き返された言葉。
あの日刃を掴んだあいつの右手は今、腕ごと無く傷跡があるかどうか確かめる術は無い。同じように、あの日言われた言葉が果たして今も変わらないのか、確かめる方法を俺は知らない。

だが、そうだとしても。
あいつが選択し、進む道に。俺はそれに従い、信じるまでだ。今までも、これからも。静かに滲む感情を、冷たく底に押し込んで――たとえ、あいつの思いが分からなくとも。
それが、俺の選択だ。



(回避)>>200

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205 :織/田/信/長(DRIFTERS)
2016/04/01(金) 23:50

――は。……は、は。

燃える、よぅ燃えよるわ。
何も知らん敵の兵達は本陣へまっしぐら。乗り込んだと思っても、そこは既にもぬけの空よ。
押し寄せた満員御礼の場所の奥、歓待は腹ならぬ樽一杯の油。

そこに火矢を掛けたら――あとは広がるだけ。

周り一面の劫火に逃げ出そうと思うても出口はひとつ。そこを塞ぎゃあ、袋の鼠。
ああ、窓から抜け出そうとした奴らが居よるわ。ほら撃て、出て来るものに向かって撃つだけの猿でも出来る簡単な事であろ。
止まらぬ火矢であっという間に火は回り、此処からでもよぅく見える。

愉快、なぁ、楽しいなぁ。取り籠めて燃やす。
お前も俺を見て、そう思ったのであろ。

……なぁ、みつひでめが。

>(ぶぇーっくしぇい!あー、クシャミ止まらんあの金柑頭ゆるさん)

200 :土/方/歳/三(薄桜鬼)
2014/11/09(日) 23:36

……恐らく切っ掛けは、そう大したものではなかった。
それがいつの間にか降り積もって溜まり募って、溢れるようになった。

言った自分の言葉は忘れちまっていても、聞いた言葉は覚えているものだから不思議だ。
何もかも言葉通りで、欲しているものですら見通されちまってるようで。それがまた申し訳なくも、嫌じゃねぇと思う辺りもう、手遅れなのだろう。

どうにもならねぇのだ、と告げた時とは違う意味で今は思う。
変える事も変わる事も容易になんざ出来ねぇ。抱えたものですら、恐らくは。口にする言葉は大事な時ほど支離滅裂で、みっともねぇ事この上ねぇ。……ただ、それでも、だからこそ。

見つめる空色が俺だけを見て、俺もまたそれを見続けていてぇと思う。……多分これから、この先もと――思えるのは、お前だからなのだろうか。