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┗付箋と栞だらけのネタ帳(221-230/234)
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230 :
氷川(真Ⅲ)
2020/12/29(火) 21:57
(独自解釈に過ぎる為、注意)
>是れ即ち創世の法なり――
東京受胎を行うと決めた。
>霊の蓮花に秘密主は立ち理を示現す。
然れどコトワリを問うカグツチと対峙したのは、滅びの中で生まれた蓮花。
>衆生は大悲にて赤き霊となり、諸魔は此を追うが如くに出づ。
資格無き人間達は思念体やマガツヒとなって溶け、人間の代わりに悪魔が闊歩する魔界へ変わる中で。
>東の宮殿、光明をもって胎蔵に入る。
そう、ヤヒロノヒモロギを得てアマラ神殿にてカグツチ塔を出ずる事までも。
>輪転の鼓、十方世界に其の音を演べれば、
アマラ輪転鼓が示す真理を悟り、己が創世を成さんとしたというのに。
>我は未来世に於いて 三界の滅びるを見たり。
シジマ、ムスビ、ヨスガ。啓かれながらしかし、成される事無く滅せられたそれらと同じく。
>――諸の声聞に告ぐ。
あのカグツチの声を聞いた私達も、所詮はマガツヒと化した有象無象と然したる変わりは無かったという事だ。
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229 :
ピクシー(真Ⅲ)
2020/10/05(月) 21:05
東京が死んだのは、きっとあなたが生まれる為。
人間の事なんて、悪魔のあたしにはよく分からない。だから人間だったあなたがどんな風だったのか、あたしは知らない。
だけど多分「生まれたて」のあなたと出会って、そこからずっと一緒に居たのはあたし。
最初は妥協。だって、ちょっと頼りなさそうっていうか、弱そうだったんだもの。だけど他に力になってくれそうな悪魔なんて居なかったし、しょうがないでしょ?
当初の約束通りヨヨギ公園でお別れになった時だって、元々そういう話で仲魔になったんだし、それ以上どうこうとかも考えてなかった。
けど、まだ一緒に居たいって言われて。そこからずっと、あなたと一緒。
もうちょっと。しょうがない。それも嘘じゃなかったのよ?
ただ、あたしは妖精ピクシーだから。面白そうって思ったのよ。悪魔としても別に間違ってないでしょ。
そうしてあたしがまだもうちょっと一緒に居る事にしたあなたが沢山の場所を巡って、それ以上に戦って。数え切れないくらいに、そうしてあなたは強くなっていった。
あんなに頼りなさそうだったのに、どんどん強くなった。あたしだって強くなったと思うけど、あなたはそれ以上だった。姿形は変わっていないのに、宿す悪魔の力は強くなる一方だった。他の悪魔達を従えて、得た力を更に力に変えて、悪魔どころか魔人だって退けて。人間どころか他の何もかもを寄せ付けないんじゃないかって。そう思ったのは、あたしが悪魔としての強さの差が大きくなっていったのを感じていたから。
あなたが何処まで強くなるのかなんて、あたしには分からない。あなたには分かるのかしら。もしかしたら、あなたも分からないのかもしれない。そうして強くなって、何処に行くのかしら。
ねぇ、人間だった時のあなたの事は知らないけど。でも、弱っちそうな頃のあなたから、とても強くなったあなたまで、一番知っているのはあたし。人間には寿命っていうのがあるらしいけど、同じ悪魔なら関係無いでしょ?
悪魔のあなたの最初の仲魔で、あなたが示した一番古き友だから。あなたが人間だった時の、人間の知り合いはあなたから居なくなった。その事も、あなたと一緒だったあたしは知っているから。
あなたがあたしの望んだ場所まで行ってくれたのと同じように、あたしもあなたが望む場所まで一緒に居てあげる。
だから、「あなたのピクシー」で居させてね。
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228 :
アヤネ(Pts)
2020/04/27(月) 20:21
高くたかく、沈んだ先。
眩しいひかりを見つけた。
愛され方を間違われた人形だった。
お父さんに褒められたかった。期待に応えたかった。だからどんな事にも耐えた。
けれど、気づいてしまった。
これはいけない事だった。してはならない事だった。在ってはいけない存在だった。
でも、私には止められなかった。それは私が、在ってはならなくなったから。知らなかったから、などと、それで済む域はとうに過ぎていた。
だから沈んだ。あの海の、深く高い光の底に。
そこは、くじら。
たくさんの意識の中、揺蕩う無意識と有識の狭間に在る「もの」。
そこでくじらと一緒に、くじらと一緒になった私は、ずっと見ていた。
たくさんの人。たくさんの意識。たくさんの……家族。
うらやましかった。本当は、うらやましくて、かなしかったから。
どうしてあんな風に、愛されなかったのだろう。愛してくれなかったのだろう。欲しくて、だから手を伸ばして、でも手に入らなかった。
掴んだ手を断ち切る剣に、ひとりは嫌と叫んだ。
ずっと寂しかった。くじらの中で揺れながら、それでも私はひとりだった。
だから求めて、それからもうひとりの私の、私の中に居るお父さんに話し掛ける。
こころの海にかえろう。
人から無意識を切り離し、隔絶された無意識は形として顕現せずに心の海に融け行く過程で。
そこでは一緒だから。お父さんと、私は一緒に居るから。
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227 :
主人公(奏(騒)楽都市OSAKA)
2019/06/14(金) 21:55
あー……偶にはラジオだけじゃなくて新聞も見てみるか。お、休日の新聞って色々な特集とかやってんだな。今日はなになに……
#「あなたは豪華客船に乗っています。船にはあなたの妻と、恋人も乗っています。
#その船が突然衝撃と共に停止し、辺りは真っ暗になりました。どちらが逃げ場なのか分かりません。
#そのとき、恋人と妻が同時にそれぞれ左右真逆の方向からあなたを呼ぶ声が聞こえてきました。
#あなたはどちらの方へ向かいますか?」
……いや待て。何でコイツ妻帯者なのに他に恋人居るんだよ。
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226 :
鳴上悠(P4)
2019/04/25(木) 22:26
(本編後、およびP4U開始前、口調諸々捏造過多、ごく自然にナナコン混入の為、注意)
(回避)>>223
バスと電車を乗り継ぐと、外の風景が次第に街よりも緑が多くなっていく。
懐かしいな、と思わずそんな思考が漏れて、外には変わったものなど無いのについ一人笑みを零す。
一年。それに、一ヶ月……とまだ二ヶ月も越してはいない。なのに、「懐かしい」と思うなんて。
だが俺にはあそこが、八十稲羽が、とても懐かしく思えていた。
皆はどうしているだろうか。元気なのだろう、という事は携帯で連絡は取っている為に伺えるものの、それでも直接会いたい。
菜々子や堂島さんも、……ああ、菜々子も大きくなっているだろうか。きっともっと大きく、可愛くなっている事だろう。何か気の利いた手土産でも考えておけば良かったな、行く前にジュネスで……は流石に無しだろうか。そんな事をつらつらと考えている間にも、窓越しの景色は移り変わっていく。
もう新緑の季節だ。この方向は所謂Uターンラッシュとかには縁遠いのか、テレビのニュースで見るような渋滞には出くわしていない。予定通りに八十稲羽に着けるだろう。
一年と、少し前。
同じようにして八十稲羽に向かっていた俺は、どんな顔をしていたのだろうか。少なくとも、今のような懐かしいと思う気持ちも、待ち遠しいという気持ちも、あったかどうか思い出す事は出来ない。それこそ、「空っぽ」だったのかもしれない。
ただ、あの八十稲羽で。
ひとつの事件があった。
出会いがあった。戦いがあった。喜びも迷いも哀しみも怒りも嬉しさも、――真実と、希望があった。
それは幾万もの想いと絆になって、今の俺が居る。いいや、俺だけじゃなくて、皆もだ。
だからなのだろうか、特段に「懐かしい」と思うのは。想いを馳せると、益々それが強くなる。
楽しみだ。
音も無く呟いて、再び外を見遣る。
「霧」も出ていない晴れの空。これから過ごす休みの数日、どんな日々になるのだろう。
>(フラグなんて立てるものじゃない)
(回避)>>223
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225 :
雨宮蓮(P5)
2019/03/31(日) 22:43
(本編開始前、およびED後捏造過多につき、注意)
(回避)>>223
窓の外から見える景色が流れて行く。
海沿いを走って行く高速は電車の路線と並行する所もあるが、目に見える景色は全く違っているように思う。
――いや、違う、と言うのは方向が逆だったという事を差し引いても正しくないのかもしれない。
一年前。地元から、東京へ来る時。
あの時は車ではなく電車を使って、そしてただ一人で。
周りなんて見る余裕なんて無かった。寧ろ、周囲からの目を意識したくなかった。
俯いて、髪で、眼鏡で己の目を隠して。決められた路線の電車に揺られ、向かうというよりもただ運ばれていくように。だから外の景色もまともに覚えてなどいない。
だが、今は、一年経った自分は。
多くの事があった。幾つもの出来事を経た。そして沢山の人と出逢って、過ごして来た。
齎された切っ掛けや元凶……それに過程、は決して幸いなどとは言えないが、それでも手にして、紡いで、繋いで来た絆があった。
その絆は大衆を変え、自分自身をも変えている。
>「あー……何かトイレ行きたくなったかもしんねぇ」
#「ちょっと止めてよ。ジュース飲み過ぎたからじゃない?」
>「俺も……猛烈に、吐き気が……」
#「げっ、此処でリバースはナシだからな!? ダメ、絶対、だ!」
>「全く、情けねーな」
#「あっ、サービスエリアが近くみたいだよ。私、行ってみたいな」
>「少しそこで休憩しましょう。良いわよね?」
賑やかな車内で、ああ、と頷いて外を見遣る。窓に映った自分の顔が、笑んでいるのはきっと錯覚ではないのだろう。
原因となった冤罪は晴れた。だから保護観察も解けて、親元に戻るのはごく自然な流れで。
わざわざ地元に戻るなんて、と竜司は言っていたように、共に一年を過ごした大事な仲間達の近くから離れる事に名残惜しさが全くないという訳ではない。
それでも、皆が己とそれぞれのものと向き合ったように。
自分だけ逃げるような訳にはいかない。それは何より、自分自身が「許せない」から。
だから見据える。
顔を上げて、髪の毛は相変わらずだが眼鏡越しなどではなく自らの瞳で。
――自分はもう、決して独りなどではないから。
(回避)>>223
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224 :
結城理(P3)
2019/03/03(日) 22:37
(口調捏造過多、およびP3POPムービー内容含む為、注意)
(回避)>>223
夢を見た。
真っ白な空間の中、逆さ向きのエスカレーターに乗っていた。
天地が引っ繰り返ったように頭が下で、けれどエスカレーターに付けた足はそこに固定されたように離れていかず落ちたりはしない。流動的な段差のそれは速度も規則正しく、上へと向かって行く。その向かう先の上、は見えないし、分からない。勿論、僕も知る訳が無く。そもそも天地逆なエスカレーターなんて普通に考えておかしいけれど、これは夢なのだから多分その辺は些細な、どうでも良い事なのだろう。
ただ何処に向かうかも分からないエスカレーターは何となくタルタロスの階段と似ていて、上りなのにまるで冥府に向かうオルフェウスになったみたいだ、と思う。あれも僕ではあるけど。
行く先に何が在るのか。
影時間に現れるタルタロスの最上階に何があるのか、まだ誰も分からないのと同じで。この夢のエスカレーターが行く先も何処かは見えないまま。
別に振り向いてはいないけどただ一人、これに運ばれて行くだけで――
――違った。
人が、居た。
ちょうど向かい側とでもいうのだろうか。交差するように、同じく逆さ向きのエスカレーターに乗っている人物が居た。
茶色の癖の強い髪。瞳とイヤフォンはお揃いの赤色で、月光館の制服を纏った女の子。
同じ高等部のように思えるが、見覚えは無い。いや、そうじゃなくて、何故だろう。きっと僕は「知らない」。そして多分、彼女も「僕」を知らない。
彼女は僕に気付いているのか居ないのか、しかし僕とは違って彼女は僕の方を見る事は無い。ただ僕と同じように、ただ一人で先の分からない上りエスカレーターに身を委ねている。
互いが交わる事は決して無い。声を掛けるという思考も無かったから、言葉を交わす事も無い。同じように先は分からないけど、彼女が僕を見なかったように、彼女が行く先は僕とは違うのだろうか。
分からないけど、違ったら良いと思ったのは多分、僕自身が思った、「何か」から。
そんな何かを裏切って、もしも出会ったり「同じ」だったのなら――なんて、どうでもいい事を思ってまた、目を閉じた。
(回避)>>223
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223 :
那/須/与/一(DRIFTERS)
2019/01/05(土) 22:38
それはいつだってあった、確信のようなもの。
この人は行くのだろう。駆け抜けて、振り返りもせず。
思考よりも本能。「それ」が「そうで在る」が故の性質。止める事など出来ない。止められやしない。誰にも、何にも。
それが「わかる」から、信は「駄目だ」と言う。聞きやしないと知っていて、分かっているけれど、言わずには居られないのだろう。
……駄目だよ、と言わない代わりに張った面は、やっぱり変えようの無い顔で。
きっと僕達の言葉の意味なんて、分からないまま行くのだろう。
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222 :
土/方/歳/三(DRIFTERS)
2018/12/15(土) 22:21
聞きたかった声がする。
連れて行けなかった、連れて逝けなかったあいつの声が。
見たかった姿がある。
連れ出せなかった、連れ脱せなかったあの人の姿が。
どうして今、今更。
ずっと話したかったのに。ずっと言いたくて、聞きたかったのに。ずっと「また」会いたかったのに。
聞けなくて、訊きたかった事があった。それなのに居なくて、だというのに何故。
こんなんになった俺を責めるのなら、詰るのなら、怒りに来たのなら、何故、そんな風に、そして今になって。
ああ、ああ畜生。
声に言葉は届かず、姿に手は掴めない。掻き消えて、聞こえず、見えなくなって、ただ代わりに煩く響くのは、ああ、「また」だ。勝手な風に、誰も彼もが。
――また俺を遺して、いかないでくれ。
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221 :
柳/生/十/兵/衛/三/厳(魔/界/転/生 十)
2018/09/06(木) 21:30
唯一人残りて、遺された「もの」は何なのか。
荒涼とした無情と、寂寞と、空虚。
対峙を終え、汗と共に潰れた左目から落涙する。
思うのは、己がまみえた剣豪達。
田/宮坊/太郎、宝蔵/院胤/舜、柳/生如雲/斎、おやじ殿――否、柳/生宗/矩、天/草四/郎時/貞、荒/木又右/衛門……そして、宮/本武/蔵。
いずれも、人の理を越えた「魔人」であった。
あれらが、彼等が求めたのは果たして、何であったのか。
無骨者のおれが思索を巡らせるのは余りにも無粋ではあろう。皆違うのだろう。
それでも求めたのは、何処までも「人」で在るが故の望み。
剣は無用と成り果てていく時代の中で、逆巻き抗った末路は「人」ですらなく。だがそれを嘲う資格なぞ、おれには無い。たとえ、おれは「おれ」で在ったとしても。
否。
――然れば、いつか。それ故に。
おれも、「おれ」を殺す事になる。
おさらば、と零れ出た一言は、ただの弔いではない。
ただ手向けられたその言葉は、いずれ己にも還るのだろう。
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