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Advent Calendar day.1 ▹▸ day.24

これで無事、24つの引き出しを埋めることが叶った。
初めての試みだったが楽しんでくれただろうか、三月。俺にとってはお前からの贈り物まで受け取ることが出来て、想像以上の思い出になった。ありがとう。小さな龍と兎も、ブックマーカーも大切にする。不思議な簪についてはまた改めて一頁綴る予定だ。

…さて、最後のこの引き出しには小さな鍵をひとつ置いておこう。
この鍵はお前のベッドの下に隠してある宝箱を開く鍵で、中にはアドベントカレンダーに収まらない、特別なプレゼントがしまってある。俺からお前へ、少し前に、この日に届くようにと契約していた、あの限定コフレを覚えているか？

メリークリスマス、三月。
特別な日に、より一層華やかなお前に逢えることを願って。
メリークリスマス、丹恒！明日はツリーにウチが作ったみんなの指人形を飾ろうね。それからプレゼントも沢山ありがとう、本当に幸せで嬉しかったんだ。丹恒へのプレゼントもちゃんと準備してるから楽しみにしててね。大好きだよ。みんなにもささやかなプレゼントも用意してるし、明日のパーティを楽しんで当日は二人きりでいちゃいちゃしようね！



Dan Heng

あとひとつが用意出来てなくて、もうずーっと頭を抱えてるんだよねぇ…いや僕じゃなくて、あの無口な護衛くんが、なんだけど。あとひとつ、何かいい物ないかなぁ。

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# 浅羽メモ
もしかして：月城さんは思ってた以上に僕のことが好き

嫌われてると思ったことは流石にないけどさ、正直未だに現実味がないんだよね。勤務中はこれまでと変わらないから余計に。

やっぱり今からでも振り解いた方がいいんじゃ……なーんて考えが過ぎるわけ。まあ、結局色んなものに屈してそんなこと出来やしないんだけど。ほら、僕って戦闘だけじゃなくって意思も弱々だし？
そんな哀れな僕の気持ちも知らず、僕の手を握ってくれて、おねだりすれば膝枕だってしてくれる(尚、著しい視界不良により断念)。可愛いって言えば真っ赤になってすぐ目を逸らすし、僕とそんなに背も変わんないくせに肩に擦り寄って猫ちゃんみたいに甘えてくれちゃってさ……

あーあ、駄目だ、やっぱりどう足掻いても今更逃げらんない。いい加減腹括りなよ、浅羽悠真。どうせ短い人生なんだから、舞い込んだ春を謳歌しなくてどうすんだって。


…でもね月城さん、いきなり添い寝はナシですって！！全っ然眠れませんでしたから！労災、労災ですよこれは！
添い寝をねだったのは貴方でしたよ、浅羽隊員。なので実行してみたのですが、…眠れなかったのは良くないですね。ぐっすり眠れる方法を探しておきましょう。それから私も、もう手を離せそうにないです。だってこんなに貴方が好きで、…前みたいに戻るのなんて無理ですから。だから離してあげません。覚悟していてくださいね。


HARUMASA

「貴方が期待してくれるのを待つのは止めました」

振り向いてくれるのを大人しく待つ…なんてタイプじゃないですもんねぇ、副課長。でもだからって、よりによってこんなロクでもない奴を好きになることないんじゃないですか？仕事の出来る女性ほど男の趣味は悪いなんて、フィクションだけの話かと思ってましたよ。


別に自分の人生を諦めたつもりはないし、これからもしぶとく生きてくつもりしかないし。覚悟が出来てるからって未練や後悔と無縁でいられるほど高潔じゃない。それでも僕にこんな日が来るなんて…流石に思ってもみなかったなぁ。うっかり口を滑らせた結果が良い方向に転がることってあるんだ。

100歳まで生きるのは流石に無理かもしれないけど、せめてあんたに後悔だけはさせたくない。その刃が僕を貫く時、それでも、僕と出逢えたこんな世界で良かったって、そう思って貰えるように。

まあ、精一杯生きますよ。だからなるべくでいいんで、傍にいて下さいね、副課長。
貴方はロクでもないと言いますけど私はそうは思いません。確かにすぐにサボろうとする部分は直していただきたいとは思いますが、貴方がこっそり誰かのフォローをしていることも知っていますし。言ったじゃないですか、貴方がいて助かっている、と。まずは約束していたデートですね、楽しみにしています。

副課長の珍し～い可愛い誤字もこっそり直しておいてあげましたよ、僕ってほんとサポート上手。ご褒美は病欠申請の受理でお願いしまーす。


HARUMASA

浮き足立つ、というのはこういうことなんでしょうね。柄にもなく浮かれて、慣れない日記を残そうとしている。覚えていられるのに、どうしても書き記したくなってしまうのは、考えなくても理由なんてわかりきっているのですが。突然屋上であんなお願いをされるとは思ってもみませんでしたが、それでも考え抜いて口にされたことは叶えられるのなら叶えたいと思いましたし。…いつからだったのか、いえ、あなたのことを意識したのは先日の出来事がきっかけだとは思うのですが、そういうこととは無縁で生きてましたし、上手く伝えられたかはわかりませんが…。

それでもあなたの言葉が嬉しかったので、浮かれて日記に残すくらいには…舞い上がっているみたいですね、私。名前を呼ぶのも呼ばれるのも擽ったくて、…思い出すだけでドキドキします。

眠たげなあなたの顔も好きです、…もう少し話していたかったのは本音ですが。あなたの夢路が穏やかでありますように。

僕も今晩は眠れそうにありません……はあ、参ったなぁ、困ったな～…えっ、さっきまで書類を枕に爆睡してただろって！？いやいや、あれは頭痛と眩暈に襲われて倒れてただけですよ。やっぱり休日出勤なんてするもんじゃないなぁ。
……なんてね。でも、ドキドキしてるのは本当。名前は正直呼ぶのも呼ばれるのも慣れませんけど、初々しくって良いじゃないですか。恋してるな～って感じ。…いやいや、恋の病って病欠届けに書くほどアホじゃないですって。


YANAGI