大晦日だってさ。
ま、僕らの職場に年末年始も何もあったもんじゃないけどね。折角なんで浅羽的今年の吃驚大賞を発表しま~す。
第三位
自分が過去イチで死にかけたことどっちかと言えば死にかけたことそのものよりも、九死に得た一生の方が驚きだったんだけどさ。
第二位
副課長がカラオケでラップを披露したこと忘れられない、あの日のこと。あんな衝撃…六課に配属されて初めてですよ。どこであんなの覚えて来たんですか。見ました?あの五課の連中の顔。因みに僕もあのあと三日三晩魘されました、韻を踏みながらずっと仕事を僕に振り続ける副課長っていう悪夢を見ちゃって。
第一位
その副課長がまさかの僕のこと好きだって!?衝撃の事実にも程があるって。一体いつから僕のことそんな風に見てたんだか…それはお互い様か。おまけにいざ付き合ってみたら好き好きアピールが凄いのなんのって。勘弁してくださいよ、もう。『職場の美人鬼上司に病弱な僕が愛され過ぎて困ってます』みたいな?
逢いたいから出勤して下さい、なんて酷いこと言うなぁ~って思ってたら、次は
「毎日(家にご飯を食べに)来ても構いませんよ」「貴方と過ごす口実が欲しいといえば、来てくれますか?」だって!
……僕のこと、好き過ぎじゃない?
あーもう、どうしようかなぁ本当に。
あんまりそんな目で見ないで下さい、幸せ過ぎて未だに現実みがないんですよ。僕らの時間はまだまだ途中もいいとこだけど、折角繋いだ手を少しの間解くのだって惜しいんだ。頼むから、お呼び出しなんて掛からないでくれって…そればかり願ってる。
ねえ、副課長。「今夜は帰したくない」ってもし素直に言えたら……病欠申請、来年はもっと甘く通してくれます?
色々バラされていることに関しては目を瞑りましょう。ですが、その台詞は業務外でお願いしますね。病欠申請は今まで通り──適切な手段且つ正当な理由でお願いします。それから“可愛いサプライズ”も確かに受け取りました。HARUMASA