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┗130.BLUE LAGOON

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1 :二人の冒/険/者(F/F/X/I/V)
2024/07/08(月) 23:03

BLUE LAGOON 誠実な愛


冒険者2人の日常や非日常を綴る日記。

※捏造多め、閲覧は自己責任で。
 詳しくは諸注意を。



諸注意 書き手



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31 :弦月
2025/04/08(火) 12:18

かなり間が空いちゃったけど、>>30の続きだよ。

体も動かないし、誰にも連絡できないしで、とにかく歌うことしか娯楽が無かった。そんな時に誰かが急いで入ってくる気配があって、まあ医師やお見舞いに来る人も居るから気にも留めてなかったんだけど、それが突然、俺の名前を呼んだんだ。見れば翠縹の彼がそこに立ってて、俺は「え、」って声を上げた。彼は寄ってくるなり崩れ落ちて泣き始めて、俺は動けないからどうしてやることもできなくて困って、「……リンクパール壊れちゃった!」って連絡できなかった言い訳をした。きっと、すごく心配してくれてたんだろうな。優しいもんね。俺の手を握って「生きててよかった」って言った翠縹の彼はまだ泣いてた。泣き虫だね。

彼はまめにお見舞いに来てくれた。いつも俺が欲しそうな物をバッグにパンパンに詰めて持ってくる。「何か他に欲しい物はあるか?」って聞かれたから、「酒」って言ったら「それはだめ」と却下された。でも、こっそりリキュールが入ったチョコを差し入れしてくれた。嬉しい。

前に彼が故郷に帰れなくて彷徨ってた時のこととか、今回のこととか……色々思うことがあって、野戦病院を退院したころ、俺は「エタバンする?」って持ちかけた。ぽかんとした顔してた。誰かを懐に入れたくないって散々言う俺が、そんなこと言い出すなんて夢にも思わなかったんだろう。
「そうすれば、何かあってもすぐ駆け付けられるしさ。君がもう指輪は要らないなって思ったときに捨てても俺は別に文句言わないし」ってやけに早口で言って、ふらっと寄った花屋で薔薇を包んでもらって、彼に渡した。
「俺は、捨てないから」
って言ったら、彼はそれはもうぼろぼろ泣いて、
「死んでも捨てない」
って言ってた。やっぱり泣き虫だね、__。


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30 :弦月
2025/02/13(木) 14:16

だいぶ間が空いちゃった、折角だし少し前にあったことを話すね。

とにかくその日はすっごく風が強くて……それに運が悪かったし、あと油断していたんだと思う。ギラバニアで受けた依頼、それ自体はなんてことない簡単な治安維持目的の討伐だった。ただ、そこにモブが現れたんだ。
モブの討伐自体は何度かしたことがあるけど、そうともなれば相応の準備をしたり癒やし手を増やしたりとかしてたしさ。そういう手間も心構えも全く足りてなかった。
流石にそうとなれば討伐より退却を優先すべきと思ったし、逃げるための足止めをしようと後手に追い込まれながらも攻撃をしてた。でも最初に言った通りその日は風が強かったわけ。風に煽られた矢は思いの外狙い通りに当たらなくて、焦って後退してた俺は完全に不注意で崖から足を踏み外した。あっと思った時にはもう遅い、俺の体は受け身も取れず地面へと落下する。幸運だったのは崖はそれほど高くなかったことと、モブが俺を追ってこなかったこと。嫌な音と共に俺の意識はそこで途絶えた。

起きたらラールガーズリーチの野戦病院に寝かされてた。誰かが見つけて運び入れてくれたのかな。丸一日くらい経過してて、全身痛いし骨は随所折れてるし、挙げ句リンクパールは壊れてた。……別に、俺と彼は名前の付いた関係じゃないからさ、連絡する義理も義務も……無いんだけど。きっとすごく心配するだろうな、とその時思ったよ。
足もまだまともに動かないせいでしばらく寝たきりの生活だった。周囲には重傷患者も多いから辛気臭いし、退屈だし、話し相手も居ないし、娯楽も無い。俺にできることといえば、本を読むか、小さな声で歌うことだけだった。あれは何の歌だったんだっけ、たしか……グリダニアかそこらで聴いた歌だったと思うんだけど。


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29 :弦月
2024/11/15(金) 02:41

髪色と髪型を変えた。

……また?って思うかもしれないけど、これでも最近は落ち着いた方なんだよ。自覚あるんだけど俺って飽き性で、ずっと同じ髪型とか髪色のままだと自分で見飽きちゃうんだよね。だからこれは気分転換の一種。思えば彼に出会ってからは長い間黒髪だったから、他の色は久し振りかもしれない。

反応が見たくて何も言わずに待ち合わせ場所に行ったんだけど、翠縹の彼といったら俺に気付かず素通りしてさ。おかしいなぁ居ないなぁって顔してるから、服の裾掴んで引っ張ってあげた。「おまたせ」って言ったら目をぱちぱちして固まってた。「どう?」って聞いたらようやく「可愛い、似合ってる」って反応が返ってきた。俺が欲しかったのは『格好良い』なんだけど、うーん……まぁいっか……

「どうりで君の匂いがすると思った」って言ってたけど、俺の判断基準って匂いなの……?え、臭くないよね?

いつもいい匂いがしてる。
新しい髪型は本当に似合ってたよ。5000ギル用意しておくから撫でさせて欲しい。

もう、それ忘れて良いから!
その程度で金取るわけないじゃん。
……臭いわけじゃないなら……まあ、いっか……


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28 :弦月
2024/10/22(火) 12:03

クルザスにオーロラを見に行った。そういえば前にここでそんな話をしたんだったなって思い出して、天気予報確認して彼を連れてったんだ。

クルザスは酷い吹雪で、これ本当に晴れるのかっていう心配より何よりとにかく頭が痛くて、来たことをちょっとだけ後悔した。どうにかならないのかなぁこれ。そんなことしなくたって俺はあの日のことを忘れたりしないのに、余計なお世話だよね。

天辺を超えた頃にぱったりと雪が止んで星が見えてきた。久々に見るクルザスの夜空は広くて、星が沢山あって……緑色のオーロラが見えてきたとき、初めて見るわけじゃないのに「きれい」って言っちゃった。これが俺の忘れかけてたふるさとの空なんだなって思ったら何だか切なくなって彼に話しかけて誤魔化した。オーロラはやっぱり彼みたいで、優しくて穏やかな光だった。

少しだけ、幸せかもしれないって思った。少しだけ。


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30 :弦月
2025/02/13(木) 14:16

だいぶ間が空いちゃった、折角だし少し前にあったことを話すね。

とにかくその日はすっごく風が強くて……それに運が悪かったし、あと油断していたんだと思う。ギラバニアで受けた依頼、それ自体はなんてことない簡単な治安維持目的の討伐だった。ただ、そこにモブが現れたんだ。
モブの討伐自体は何度かしたことがあるけど、そうともなれば相応の準備をしたり癒やし手を増やしたりとかしてたしさ。そういう手間も心構えも全く足りてなかった。
流石にそうとなれば討伐より退却を優先すべきと思ったし、逃げるための足止めをしようと後手に追い込まれながらも攻撃をしてた。でも最初に言った通りその日は風が強かったわけ。風に煽られた矢は思いの外狙い通りに当たらなくて、焦って後退してた俺は完全に不注意で崖から足を踏み外した。あっと思った時にはもう遅い、俺の体は受け身も取れず地面へと落下する。幸運だったのは崖はそれほど高くなかったことと、モブが俺を追ってこなかったこと。嫌な音と共に俺の意識はそこで途絶えた。

起きたらラールガーズリーチの野戦病院に寝かされてた。誰かが見つけて運び入れてくれたのかな。丸一日くらい経過してて、全身痛いし骨は随所折れてるし、挙げ句リンクパールは壊れてた。……別に、俺と彼は名前の付いた関係じゃないからさ、連絡する義理も義務も……無いんだけど。きっとすごく心配するだろうな、とその時思ったよ。
足もまだまともに動かないせいでしばらく寝たきりの生活だった。周囲には重傷患者も多いから辛気臭いし、退屈だし、話し相手も居ないし、娯楽も無い。俺にできることといえば、本を読むか、小さな声で歌うことだけだった。あれは何の歌だったんだっけ、たしか……グリダニアかそこらで聴いた歌だったと思うんだけど。