日記一覧
┗春暁の微睡み(25-34/53)

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34 :手塚国光
2016/11/23(水) 02:52:53

見上げた空は、黒を色濃くした群青。
目を凝らせば星の瞬きを感じられる。
宵月は闇夜に映え、しかし遮る雲が朧に替える。
淡い光りも、美しいな。

*

空を仰ぐのは決まって夜だ。
特段月光を好むでも無いが、清閑な空気を堪能するに最適な時は夜更けを於いて他に思い付かない。
全てが静まり、思いに耽る時間こそ、贅沢の極み。

(4)

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33 :手塚国光
2016/11/22(火) 21:24:53

人の一生は習わし次第。
気紛れに轍を振り返り、己が何れ程不完全な器かを知る。
悪癖の更正は至難。
歯止めの言葉を幾度も咀嚼し、胸中にて反復するも未だ未熟だ。
頑なな枷を外す手段は無い物だろうか。

(54)

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32 :手塚国光
2016/11/22(火) 16:43:55

小箱を開けば独自の世界観が訪れ、奏に心を奪われる。
精巧に創られた宝石箱は、彼奴の瞳を輝かせるに容易であった。

発祥の地はスイスと聞き及ぶ。
更に一世紀の後、ドイツで新たな姿を与えられた。
嘗て貴族や王侯の嗜みとして用いられた其れは、現代に於いて庶民にも親しまれる安価な物へと発展。
隣にて微笑む彼奴に、俺の表情も和らいだ。

*

閨の語らいは一夜の夢と知りつつ求めに応じた訳は、一つに癒しを欲したからだろう。
或いは俺自身、日常生活に変化を望んだ所為か。
眠る前に彼奴の囁く声を受け入れ、そして朝を迎えた。

遠出を望む相手に従い、訪れた先は坂上のオルゴール館。
ハンドベルに似た柔和な音色から、澄んだ響きの鐘音、ストリートオルガンまで、多彩な機材が揃い踏み。
俺達は東洋の皇帝を冠する一台が甚く気に入り、暫くの間その音色に耳を傾けていた。

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31 :手塚国光
2016/11/20(日) 22:44:55

別離を経た今、御前が俺に縋るとは思わない。
それを承知で、何時の日か御前の心に俺の言葉が蘇るならば、その無二の願いの為に。
ただ唯一の退路で在ろう。

軈て他の誰かと恋仲になろうとも、一夜の濡れ事に興じようとも、至上を捧ぐ相手は御前一人。

*

視る物、触れる物、総てに生命力を感じない。
そうかと思えば、共有した日々を呼び起こす度、日常に彩が宿る。
御前に心を明け渡して良かった。

愛している。

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30 :手塚国光
2016/11/19(土) 13:37:16

歩道へ積もる枯れ葉に冬の足音を聴いた。
近場一帯は針葉樹が立ち並び、紅葉へと辿り着くには遠出を要するが、麓より見上げる山々は多彩な色を描いている。

雨滴纏う樹は愁いを思わせ、引き寄せられる様に木肌へ触れた。
細身ながらも生命を燃やし四季を写す存在感…、掌の記憶は忘れまい。

*

また、この場に辿り着くだろう。

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29 :手塚国光
2016/11/18(金) 23:17:17

長らくの禁欲生活を脱し、早々に反動が迫る。
言葉の羅列は呆れる程に軽やかで、然れど感情の一つも在りはしない。

馴染み深く、懐かしいスタンスだ。

*

迎えには行けない。
御前は俺を選ばずに、幸福の道を進め。

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28 :手塚国光
2016/11/17(木) 22:22:47

伏せる双眸を皮切りに影が重なり、唇を合わせ体温を交わすと、もう二度と友人には戻れない。
次に瞳を開いた時から、恋人と云う道を歩き始める。

無邪気な笑顔は幼く清く、反面、射る視線は鋭く強く威圧的。
自信家故の傲慢な面差しは、他に類を見ない。

*

御前と歩む事は無い、俺の道。
或いは、時が総てを忘れさせる。


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27 :手塚国光
2016/11/15(火) 22:25:08

認める恋文は、山腹より俯瞰する景観それ自体。
陽の傾きに併せ、空は夜闇の群青を連れる。
澄んだ大気に吐き出す息は白く、冬の訪れを間近に想う。
下界の街並みに生活感が灯る頃合い、天には同じく疎らな星屑が瞬いた。

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26 :跡部景吾
2016/10/15(土) 01:42:48

俺が御前に寄せる様に、御前も俺に傾ける。
そう感じた雰囲気は、所謂自惚れか。

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25 :跡部景吾
2016/10/12(水) 04:26:55

相手への不満も、俺の素行も、御前への想いも、総て承知。
不道徳を知りつつ、剰え甘受し引き留める。
その声に、俺は弱い。

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