特別今に始まった事では無いけれど、机へと突っ伏して転寝をしてしまう事が多くなった。 気付けば意識を飛ばしていて、毎度、モブリットの揺さ振りで目を覚ます。ああ、運の悪い時は兵士長殿の蹴りを食らう事もあったかなあ。 夢なのか現なのか、その境目をうろうろと彷徨う。見られる夢はそれこそ曖昧。 まさに私と夢で食うか食われるかのせめぎ合い。うん、中々これはこれで悪くないね。 さて、今私の目に映るのは夢か現実か果たして。 |
冬は好き、でも寒いのは苦手。じわじわと侵食してくる冷気に指先はすぐに悲鳴を上げ出す。 あー寒い。 冷えた指先を自分の頬に当て暖を取ろうとするも、これだと何の解決にもなっちゃいない気がする。何より次は顔が寒い。 …そう言えば確か、さっきジャンの姿を見かけたような。なら話は早い、アイツの項にでもこの凍えてる掌をべたりと当てちまえばいいんだ。 騒ぎ出すアイツの姿が容易に想像出来て、さて後は実行に移すのみ。 寒いのは苦手だけれど。触れることに理由を探さなくてもいいなら、それもまあ悪くねぇのかも。何て、単純。 |
得るだけではない、失うだけでもない。 そうして日々は積もっていく、塵のように、雪のように。 星の瞬く空を見上げると涙が零れ落ちそうになるのは、私は決して独りなどではないと実感するから。 君がいて、あなたがいて、お前がいて、私がいる。 それがどうにも愛しくて。 愛しくて、堪らない。 |
温度の無いこの掌は、一体何を与えられる。 ただ悪戯にその熱を奪うだけだろうと、 躊躇うように伸ばしたその指先は、何処へも触れる事は出来ず。 吐き出した呼気は色濃くなるばかり。募る欲求に比例して。 |
私の吐き出すこの言葉達は、一体何色をしているのかな。赤かったり青かったり、紫色をしていたり。向けるそれはきっと単色では無いのだろうと思う。 けれど例えどんな色をしていたとしても、どれも私と言葉を交わすあなただけに向ける言葉には変わりない。 ああ、そう言えば最近一つ後悔していることがあるんだ。どうして、どうして私は…… (白い日記帳を手にしてしまったんだろう。場にそぐわないような気がして仕方ない…!) |