あいつ曰く、もう俺は完璧な飼い主じゃ無い。

其れは勿論自覚してる。そして今の関係になる事への躊躇いのひとつでもあった。
常に、飼い主としてれっきとした立場で居たかった。弱みなんざ見せたくもなかった。
いつでも手離せる様にだ。俺とお前の間にある確かなものは…別れただ一つだっただろ？

今…頗るお前に甘いのは手離す気が一切無くなった所為だ。その上簡単に弱音を吐いてみせ、触れたがり、完全に特別扱いしている。

お前を中心に回ってる。

愛犬が好きで好きで堪らない、こんな飼い主が居たって良いだろう。犬以上にてめぇはもう俺の恋人、だ。

傍から見りゃどちらが相手を好きか、と言い合う姿は何とも馬鹿らしく…くだらない。そう映ると思う。

目に見えるもんでも無い。判断のしようが無い上、飽く迄も申告制だ。
それでも俺は、そういう他人から見てくだらないと笑っちまう内容でも真剣に盾付くお前が愛しい。それに行きついて、なお一層、俺の方が好きだと思う。

負けず嫌いと互いに認める俺達には持って来いの勝負じゃねえか。

まるで折れる気配の無い自分の大人げなさに、少し笑った。幸せだ。

その懐に無事この手記を潜り込ませられたようだ。
結果…お前は布団に籠城した訳だが(最大限に可愛かった為に晒してやる)
どんなに顔を見せたくないと隠しても、些細な願い一つとして取り溢さず叶える律義さが愛しい。

>兵長、オレを殺したいんですか？

そうだな。出来る事なら全て俺で満たしてその儘息の根を止めてしまえと思う。そうすりゃ永遠に「俺だけ」のものだろう。
だが…そうしちまったら、もうお前の声も笑顔も抱擁も手を繋ぐ事さえ出来なくなる。其れは惜しい。
つくづく贅沢な悩みだ。

どれだけ俺は…面倒臭がりな人間だと思われてるんだろうな、エレンよ。
てめぇに関する事で面倒だと匙を投げた事は無いだろうが。…最も、自分の事は別として。

なあ、俺は俺以上にお前が好きだ。
だからどんなに面倒で厄介で煩わしいとお前が判断する内容でも、其れは俺にとっちゃ可愛い可愛い恋人兼犬の甘いお強請りにしか聞こえねぇんだ。お前の言葉しか聞きたがらない、そういう面で見ると相当俺は…お前に甘えてると思わねぇか。

現在公開可能な情報

>リヴァイ（綴り手）
飼い主
思い立ったら吉日、な気まぐれ行動派
色々と甘い、大雑把、面倒臭がり
好きな奴は苛めたい、甘やかしたい

>エレン・イェーガー（お前）
恋人兼飼い犬
天然成分配合
生真面目、真摯とはこいつの事
まっしぐらで愛情深い
(文字通り)噛み付く事がお気に入り


>手記(此処)について
乱入は俺のお前のみ
交流はあまり考えていない、何せ恋文成分しか無いもんでな
本棚入りにはささやかながら感謝を